いよいよ現代版ワーゲンバスが走り出す。
自動車の歴史的名車図鑑を開けば必ず掲載されているのがフォルクスワーゲン(以下VW)のタイプ2ことワーゲンバス。タイプ1(ビートル)と同じく空冷水平対向4気筒エンジンをリアに搭載し、パッセンジャーユースから商用、さらには救急車といった公的車両にまで採用されていたモデルだ。
そのかわいらしいスタイリングはヨーロッパだけでなく、アメリカでもかつてはサーファーやヒッピーたちに愛され、日本でも多くのファンがいるクルマだということは映画『カーズ』にキャラクターとして登場したほど。まさに世界中にファンを作った名モデルだった。
そんな名車の後継モデルは、ずいぶんと前から何度も自動車業界の話題となっては消えていたが、いよいよ次世代のワーゲンバスがID.Buzzとして登場。ただしバスではなくバズとして。デザインはショートノーズのミニバンといった出で立ちで、BEV(バッテリー式電気自動車)として生まれ変わった。フロア下に容量77kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載していて、永久磁石同期モーターを使って後輪を駆動させるというドライブトレインになっている。
まあ、高い環境性能を持ったモデルやEV化というのはVWも他のモデルですでに実証済み。そのなかでも、ワーゲンバスの復活は世界中でインパクトを与えてくれるはず。
旧車のワーゲンバスは欲しいけど維持するにはそれなりの情熱とコストが必要。しかもいわゆるアーリーバスと呼ばれる第1世代のモデルは今や高嶺の花。
ならばそのDNAを継承した新世代バスという選択肢ができただけでも、クラシックVW愛好家にとってもうれしいニュースになることは間違いない。
さらには旧車VW乗りの普段使いのセカンドカーという選択肢だって見えてくる。しかも日本にも正規で導入されることも決まっているので、今後街中で次世代ワーゲンバスを見る機会が増えそうだし、世界中でカスタムも流行りそう。
ただし、ドイツ本国での価格はパッセンジャーモデルであるプロで約6万5000ユーロ、商用モデルであるカーゴで約5万5000ユーロだと発表されている。日本での価格は未定だが、高級車プライスになる可能性も大いにある。次世代バスは現在あるVWのラインナップのなかでもハイクラスに位置するモデルになりそうだ。
ID. Buzzが世界的にヒットすれば、今はラインナップから落ちてしまったビートルも次世代となる進化版として復活するかもしれない。
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