国産モーターサイクルの盤石な地位を確立した、CBシリーズの血統。
本田技術研究所が浜松市に創業したのは、終戦の翌年の’46年。当初は、旧陸軍の無線機発電用エンジンを自転車の補助エンジンに仕上げて販売していたが、’47年にエンジンから自社開発したホンダA型を発売。その発展型ともいえるカブF型が’52年に発売されると大ヒットとなり、現在のホンダの基礎を築いた。
ホンダの4サイクルロードスポーツを示す“CB”を初めて名乗ったのは、’59年登場のCB92スーパースポーツから。世界初の量産125cc4サイクル2気筒エンジンを搭載したC92をベースに、レース参戦を想定して開発されたモデルだった。翌年に発売された250ccのCB72スーパースポーツも、世界GPで培ったレーシング技術を投入したモデルとして、絶大なる人気を博した。
さらに、スーパーカブの爆発的な人気により世界最大のバイクメーカーとなったホンダは、主に北米市場からの要求で’65年に初の大型車であるCB450を発売。その後、量産バイクとしてはほとんど前例のない4気筒エンジンを搭載したCB750フォアを’69年に投入。ナナハンブームという一時代を築いた。そして’79年にDOHC4気筒のCB750Fがデビューすると、CBは高性能バイクの代名詞となったのである。
’81年、国内モデルでは初めて、新世代を意味するCBXの名を冠したCBX400Fが登場。後に125、250、650、750と各クラスに展開された。さらに、’83年にはレーサーをイメージさせるCBRシリーズが400F でスタート。これも125、250、600、750、1000と時代に即したモデルへ発展。現在は、ホンダのフルカウルスポーツの代名詞となっている。
その一方、CBは’92年にデビューしたCB400スーパーフォアをはじめ、王道のロードスポーツモデルとして君臨。現在は250、4 0 0、6 5 0、1 1 0 0、1300の5つのクラスに、多くのバリエーションを展開している。
歴代のCBを追いながら、ホンダの歴史を見ていこう。
1947年 Model A(モデルA)
初めてホンダの名で製品化された自転車用補助エンジン。自社開発の2サイクル単気筒エンジンを市販の自転車に取り付けるようにしたもので、クラッチ兼用の手動式ベルト変速装置を採用していた。
【豆知識】1952年6月 Cub Fで斬新な販売戦略。
自転車用補助エンジンのカブF型は、自転車店を販売網にするなどの斬新な拡販戦略から大ヒット。写真は、当時人気絶頂の日劇ダンシングチームのダンサー50人がカブF型に乗って銀座をパレードしたときのもの。
1958年 Super Cub C100(スーパーカブC100)
低床バックボーンフレームに4ストローク単気筒エンジンを搭載した、スーパーカブの初代モデル。「そば屋の出前が片手運転で乗れる」を目標に、新開発の自動遠心クラッチの3速ミッションを採用。
1959年 CB92 Super Sport(CB92 スーパースポーツ)
初めて車名にCBがついた125ccロードスポーツ。同クラスの量産バイクで初の直列2気筒エンジンは15psの高出力を発揮したが、高回転型で運転は難しかった。それでもレースでは大活躍した。
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