ベトナム戦争初期にデビューし、長きに渡り活躍した「M-65フィールドジャケット」とは?

ファッションシーンでは、もはやなくてはならないデザインスタイルとして幅広く支持されているM-65ジャケット。ミリタリーがルーツであることは周知の事実だが、その優れた機能性、また、ライニングを使った防寒着としての側面があることは意外と知られていない。

▼こちらの記事もおすすめ

M-65 フィールドジャケットとは? 年代別の実物を追いながら歴史と市場価値を探る!

M-65 フィールドジャケットとは? 年代別の実物を追いながら歴史と市場価値を探る!

2023年07月14日

ベトナム戦争初期の最新スペックを搭載。

20181105_1_01
4つポケットに、綿テープを使った袖口の開閉など、前身のM-51フィールドジャケットを受け継ぎながら、革新的な進化を遂げ、 1960年代から40年以上の長きにわたり現役で活躍したM-65ジャケット。ベトナム戦争= 熱帯雨林で活躍したイメージが強いのか、 防寒性を高めるライナーが付属していたこと を知る人が意外に少ない

すでにストリートファッションでもお馴染みのジャケット「M-65」。呼称からも察することができるが、誕生は1965年前後。前身のM-40、M-43(M-50)、M-51と続いてきたアメリカ陸軍のフィールドジャケットを引き継いたモデルで、文字通りベトナム戦争初期にデビューしたことになる。

特徴としては前側に付いた4つのポケット、綿テープを使った袖口、シェルにナイロンを混紡(リアルマッコイズのM-65はコットンシェル)したことなど、当時としては機動性を高めるための最新スペックを搭載していた。

なぜ熱帯で活躍するはずのM-65に、ライニングが付属していたのか……?

20181105_1_02
LINER, COAT, M-65 M-65ジャケットの防寒性を格段にアップさせるライナー。ボタンによる着脱は、前身のM-1951ジャケットから引き継いだもの。薄手に見えるが中綿が入っており、これを付けるのと付けないのでは保温性に大きな差が出る。4万3200円

知る人ぞ知るという点で言えば、M-65にはライナーがオプションで付いていたということ。ベトナム戦争といえば熱帯での活用を前提としているのに「なぜ?」という疑問がわくが、当時は対ソ連(現ロシア)想定も本格化していた時代で、実際にベトナム戦争に使われたジャングルファティーグなどの熱帯地域用の開発と並行して、こうした寒冷地対策も行われていたようだ。ライナーを装着すれば保温性は格段にアップ。初冬までのM-65の着用を可能にする理想的なオプションと言える。

20181105_1_07
ナイロン製のシェルに中綿が入り、肌あたりは抜群。キルティングにより綿の偏りを防いでくれる。生地としては薄いが保温効果は絶大だ
20181105_1_04
M-65ジャケット本体との接合はボタンで行う
20181105_1_06
タグには制式名称「LINER、COLD WEATHER COAT、MAN’S」が入る
20181105_1_05
脇部分は動きやすさと蒸れ防止のため、開口している

動きやすく、また防寒性にも優れたフィールドジャケットは、冬のタウンユースに、そしてアウトドアシーンでも活躍すること間違いないスペックを有する。ひとつあれば、いつでもカッコよく防寒できるはず。持っておいて損はない。

▼こちらの記事もおすすめ

ミリタリージャケットの大本命! 「M-65」を着こなす今どきテク。

ミリタリージャケットの大本命! 「M-65」を着こなす今どきテク。

2021年11月01日

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「LIGHTNING 2018年11月号 Vol.295

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

デニム界の異端児・ラングラー、製造期間は約1年のみの“幻の名作”がついに復刻

  • 2025.12.27

ロデオ・ベンをデザイナーに迎えてカジュアルウエアに参入したという歴史やカウボーイカルチャーとの結びつきなど、独自の発展を遂げてきたラングラー。膨大なアーカイブの中から、王道から希少な隠れ名作まで全6型が復刻を果たした。 幻の名作が華麗なる復刻を遂げた。 アメリカ三大デニムブランドのなかでも特異な歴史...

ヘビーデューティど真ん中! レトロなデイパックに注目。

  • 2026.01.26

1977年に発売された『ヘビーデューティの本』という名著をご存知だろうか。当時数々の雑誌で、イラスト・ルポ(自ら現地に赴いて取材した内容をイラストを用いながら報告すること)を描いていた小林泰彦さんが手掛けた1冊で、いまだファッション好きにとってのバイブルとなっている。ヘビーデューティとは、「耐久性が...

映画で観た欧米のクラシックな世界観をモダンに昇華。“好き”が詰まった空間で暮らす!

  • 2025.12.30

衣食住は、私たちが生活するうえで必要不可欠な要素である。なかでも日々の生活と最も密接に結びつく住居には、ひと際こだわりたいもの。自分のお気に入りの空間を作るための選択肢のひとつに、リノベーションがある。 “三人四脚”で作り上げた理想の居住空間 兵庫県芦屋市。豊かな自然と落ち着きのある街並みから関西で...

こんなコスパのライダース、見たことある? 「中田商店」のオリジナルブランドのライダースを侮るなかれ!

  • 2025.12.29

東京・上野にある老舗ショップ、中田商店。そのオリジナルブランドが「モーガン・メンフィスベル」だ。中田商店というと、ミリタリーのイメージが強いが、モーガン・メンフィスベルでは、ミリタリーをはじめ、様々なレザーウエアを展開している。もちろん、ライダースのラインナップも豊富。今回は珠玉のライダースを紹介す...

アメリカンヴィンテージやヨーロッパのアンティーク品や建築物からインスパイアされた「ホリゾンブルー」のジュエリー

  • 2025.12.28

宝飾品と呼ぶべき繊細で美しいジュエリーを世に送り出し、国内外で人気を集めるHorizon Blue Jewelry。アメリカンヴィンテージだけでなく、ヨーロッパのアンティーク品や建築物など様々なものからインスパイアされた逸品は、大量生産できないため入手機会の少ない希少な存在だが、ここでは今後発売する...

Pick Up おすすめ記事

【KERRY WOOLLEN MILLS×2nd別注】本物のアランは暖かさだけじゃない! アランケーブル クルーセーター登場

  • 2026.01.24

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【KERRY WOOLLEN MILLS×2nd】アランケーブル クルーセーター もともとは海の男たちを守るための、...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

アメリカンヴィンテージやヨーロッパのアンティーク品や建築物からインスパイアされた「ホリゾンブルー」のジュエリー

  • 2025.12.28

宝飾品と呼ぶべき繊細で美しいジュエリーを世に送り出し、国内外で人気を集めるHorizon Blue Jewelry。アメリカンヴィンテージだけでなく、ヨーロッパのアンティーク品や建築物など様々なものからインスパイアされた逸品は、大量生産できないため入手機会の少ない希少な存在だが、ここでは今後発売する...

【KEATON CHASE U.S.A.×2nd別注】大人のための、ちょうどいいシャンブレーシャツ登場!

  • 2026.01.25

ライトオンスのシャンブレーを使用した、米国のシャツファクトリー「キートンチェイスUSA」の定番プルオーバーシャツ。カジュアルな要素を備えながらシャツ本来のきちんと感も残したこのアイテムを、2nd仕様に別注。胸ポケットの作りや前立てのボタンの数などを微調整し、すっきりと大人な印象にまとまっている。 >...

「ORGUEIL」が提案する、凛冬を彩る大人のガーメンツ。

  • 2025.12.26

凛とした寒さが日に日に増し、コーディネートが重くなりがちな季節。クラシックなデザインと丁寧な作り込みのORGUEILのクロージングが、いつものスタイルを格上げしてくれる。さりげなく上質で存在感のある一着が、冬の日々を彩ってくれるはずだ。 Aniline Steer Oil A-1 Jacket 19...