実録! デニムの色落ちレポート【季節の変わり目に洗濯したぞ編】

ジーンズ愛好家がもっとも楽しみにしているのはデニムを穿き込んで育てること。育てる? どういうこと? な人もいるかもしれないけれど、デニムは穿き込むことで色落ちし、生地が変化し、穿き手それぞれのライフスタイルが刻まれるかのように経年変化していくのがおもしろさのひとつ。とくにジャパンブランドのデニムは、ヴィンテージジーンズさながらの生地や仕様を踏襲しているモデルが多く、経年変化の美しさは群を抜く。そこで、1本のジーンズがどのように色落ちしていくかをレポートするのがこの記事なのです。5回目となる今回はだいぶ涼しくなって14オンスも気にせず穿ける秋の穿き込み。その前に、久々に洗濯もしたぞ。

まずは新品の状態を確認しときましょ。

レポートするのは雑誌ライトニングと日本のデニムブランド「ピュアブルージャパン」がコラボし、誌面で受注販売したマルチインディゴ・クラシックストレートが実験台。

通常のインディゴ染めの生地と、本藍染めデニムの2種類の生地を使っている(さらにポケットスレーキにはライトオンスのデニムを使用)ので、それぞれの色落ちもレポートしていきたいところ。

シルエットはクラシカルなスタイルをイメージしたゆったりとしたストレートなので、バリバリのヒゲは出ないと思うけど、生地の凹凸が激しいスラブ感のあるデニムはピュアブルージャパンならではの色落ちが期待できる。

ちなみに前回までの記事は下記で確認されたし。

実録!! デニムの色落ちレポート【猛暑の夏前編】

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実録! デニムの色落ちレポート【真夏の修行編】

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実録! デニムの色落ちレポート【酷暑の夏は汗との戦い編】

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実録! デニムの色落ちレポート【夏よさらば編】

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秋になれば気温も落ち着いて穿きやすい。その前に一度洗濯してみた。

猛暑の夏もだいぶ落ち着き、といってもまだまだ秋とは言えないくらい暖かい日もありますが、さすがに猛暑の中でデニムを毎日穿くのはなかなか根性が必要だった。

元々毎日のように同じデニムを穿くタイプではない私。今回のデニムはレポートするために、ほぼ毎日穿いて洗濯もなるべくしないで穿き込もうと決めたので、汗をかく→生地にダメージが蓄積するという図式は避けたい。そこでファブリックミストでなんとかごまかし(笑)て夏を克服したってわけ。

で、やっと涼しくなるぞという頃合いで、一度洗濯することに。

洗濯は家庭用の洗濯機で洗剤もデニム用ではなく、あえて家庭用の洗剤を使用。裏返しにして洗い、脱水までして裏返しのまま変なシワだけ直して天日干し。もちろん、天気予報を確認し、日中は快晴間違いなしの日をチョイス。

やっぱり洗いざらしのデニムを最初に穿く日は気分がよろしい。といってもまたここから穿き込む所存なので、そんな気持ちの良い生地感もちょっとの間だけ味わえる感覚だったりする。

で、さらに穿き込んだところ、洗濯をしたせいか、インディゴブルーとホワイトのコントラストがよりはっきりとした気がする。

というのも今回の洗濯によって、それまであった生地の毛羽立ちがほぼなくなり、前回のレポートで見えてきたうっすらとしたタテ落ち感もはっきりとしてきた。さらに腿部分の内側からヒゲ落ちもわかるように。前回も言ったけど、やはり本格的な色落ちは生地の毛羽立ちがなくなってきてからだと確信するのであった。いよいよ色落ちが本格的に始まったような風合いになってきた。もうさすがに下ろしたてのデニムには見えない。

つまり、新品の状態から、ひと目で穿き込んだような表情になるのは約5カ月(ざっくり言えば半年)ということ。週に1~2回しか穿けない人だと、この風合いになるまで1年以上かかるという単純計算である。こりゃ大変だ。

もちろん、本来の衣類は色落ちしない方がいいわけで、いかにデニムが色落ちするとはいえ、一般的な週末しかデニムを穿けない人にとってはここまで育てるだけでも大変なんだということを再確認。

そう考えるとがっつり色落ちした古着のデニムなんて、いったいどれほどの長い年月穿き込まれたのだろうかと、そのストーリーに恐れ入る。

で、本題のデニムはというと、今回は洗濯をしたせいもあって、色落ちが急速に始まったような感覚。ここから穿き込めば色落ちは急速に進行するのではないかと。さらなる経年変化が期待できそう。

約5カ月穿き込んで、もう「下ろしたてのデニム」には見えない。

もともと凸凹としてスラブ感のある生地だったけど、その凸凹感に合わせるように白い点がタテに連なって見える、いわゆるタテ落ち感が出てきた。さらに内腿部分にはヒゲ落ちもわかるようになってきた。洗濯したことで生地がまたキュッと縮んでよりわかりやすくなったのか。いずれにしてもタテ落ち始まりました。うれしいぞ。

外側のサイドシームには生地のセルビッジの跡がはっきりと出てきた。しかもセルビッジの両サイドにはタテに走る色落ちが。ここがはっきりと出てくるとヴィンテージ感が出るんだよね。しかもサイドシームの表情が良いアクセントになるんですよ。

最初に穿き始めたときからはっきりと出ていたバックのパッカリング部分は、約半年弱の穿き込みでさらに色落ちが顕著に。バック、センターにあるベルトループは生地にダメージが早くも出始めているのは普段バックパックを背負っているからかも。まさにライフスタイルが刻まれるってわけだ。

普段ベルトをして穿いていることもあって、フロントのトップボタンは塗装が落ち、銅の色が見えてきた。月桂樹の部分に注目。もう完全にボタンの凸部分の模様は銅の地肌になっている。こういうパーツの経年変化も楽しい。

チェーンステッチで裾上げして激しくパッカリングが出ていた部分は、シューズでこすれるのか、早くもダメージが出てきた。くるぶし部分もぼんやりと色落ちがしていて表情豊かになってきている。ここもこれからの色落ちが楽しみな部分。

【基本データ】
トータル穿き込み期間:約5カ月
穿き込み頻度:もう暑さも気にならないので週5~6日程度
トータル洗濯回数:4回

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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