2ページ目 - 見て、弾いて、歴史を感じる伝統のギブソンのヴィンテージギター。

【1961年製】SG Custom|レスポールがモデルチェンジ。

以前CMで福山雅治が手にしていたこともある、ポラリス・ホワイト・フィニッシュのSGカスタム。1961年からレスポール(※カスタムは’61年途中)が、写真のようにダブルカッタウェイ・シェイプかつ薄く軽いボディへと大幅にモデル・チェンジ。これはフェンダーへ対抗した結果とも言える。SGカスタムとスタンダードには、ギブソンが開発したスウィング・アウェイ・プル・サイドウェイ・トレモロが取り付けられた。

【1962年製】ES-335TD|世界初のセミアコ・モデル。

ボディにfホールがあり、内部がホロウ構造のアーチトップ・ギターと、ソリッド・エレクトリック・ギターの良さを併せ持つ、世界初のセミ・アコースティック・ギターが1958年に登場したES-335だ。写真は’62年製で、エリック・クラプトンがクリーム時代に愛用した、’64年製のチェリー・レッドのES-335TDと仕様が近く人気がある。指板のポジションマークがブロックになっている点も特徴のひとつ。

ギブソンのヴィンテージ弦で、1960年代の物。外装には“Hand Made” と誇らしげに表記され、高価だったことを伺わせる

【1971年製】Flying V|変形ギターの代名詞。

マイケル・シェンカーが使用したことでも有名な変形ギターの代表モデル、フライングVは1958年に誕生した。ギブソンが“モダニスティック・ギター” としてエクスプローラーと共に力を入れて開発したモデルだったが、当時は最先端過ぎて受け入れられず、楽器店の看板として使われたといった逸話まで残る。これは’71年に350本ほど限定生産された“メダリオン” と呼ばれるチェリー・レッドのフライングVだ。

ギブソン傘下でも、独自モデルを作り続けたエピフォン・ブランド。

ビートルズの使用でも有名なエピフォン。元々はニューヨークにあり、ギブソンのライバル会社としてギターの製造などを手がけていた会社だったが、経営が傾くと1957年からはギブソン傘下となった。そして個性的なルックスも魅力的なダンエレクトロ。1947年にネイサン・ダニエルによって設立されたブランドで、世界で初めてカタログを通じた通信販売を開始したモンゴメリー・ウォードや後発のシアーズ・ローバックにアンプやギターを供給した。

【1964年製】Casino|ビートル・ギアとして大人気。

エピフォンの中で、最も有名なモデルがカジノだ。ビートルズのジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンが使ったことで、世界的に人気となった。ボディはES-335と似ているが、内部は空洞のフル・アコ構造。そのためアコースティック・ニュアンスの強いサウンドが魅力となる。写真は’64年製でエピフォン・オリジナルのビブラート・ユニット “トレモトーン”が付いている。

【1963年製】Model 3021|ダミダミギターのフラッグシップ。

ダンエレクトロの中でもロック・ファンに知られているのは、この3021だ。レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジが「Black Mountain Side」や「Kashmir」を変則チューニングで演奏する際に使っていたこともあり、ファンの間で人気となった。ボディは、メゾナイトと呼ばれる硬質繊維板で作られ、リップスティックと呼ばれる口紅のケースが使われたピックアップも大きな特徴だ。撮影協力/ギタートレーダーズ東京

【DATA】
HYPER GUITARS
東京都新宿区百人町1-11-23
TEL03-5386-4910
営業/13:00〜20:00
休み/水曜
https://hyperguitars.com/

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

Pick Up おすすめ記事

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...