いまや当然のようにファッションキーワードとして浮上する“ミリタリー”。国を、生命を守るため、各国が凌ぎを削り生み出したウエアは、至高の機能美を備え、現代においても、もはや一過性でない人気を博している。
今回紹介するアイテムは名作ミリタリーウエアをソースに持つアイテムの数々。街着としてミックスして楽しみたい人にもぜひ押さえておいてほしい定番ブランドの名作プロダクトばかりだ。復刻やリプロダクトではない古着やヴィンテージ、系譜などについては、関連記事もチェックしてみてね。
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- 1 【ミリタリージャケット・コート編】
- 1.1 1.「バズリクソンズ」のフライトジャケット【L-2B】。
- 1.2 2.「アルファインダストリーズ」のフライトジャケット【MA-1】。
- 1.3 3.「アヴィレックス」のフライトジャケット【B-3】。
- 1.4 4.「ザ・リアルマッコイズ」のフライトジャケット【A-2】。
- 1.5 5.「ザ・リアルマッコイズ」のフィールドジャケット【M-65】。
- 1.6 6.「ザ・リアルマッコイズ」のモッズコート【M-51】。
- 1.7 7.「ビヨンド・クロージング」のコールドジャケット【A-7】。
- 1.8 8.「ギーク」のミリタリーコート【M-47】。
- 1.9 9.「フィデリティ」のピーコート。
- 1.10 10.「アナトミカ」の夏用フライトジャケット。
- 1.11 11.「アクアスキュータム」のトレンチコート。
- 1.12 12.「ジョン・グラッコー」のオイルドジャケット“アースラーコート”。
- 1.13 13.「アークエアー」のカモ柄ブルゾン。
【ミリタリージャケット・コート編】
一般的にミリタリージャケットの2大ジャンルとしてあげられるのは「フライトジャケット」と「フィールドジャケット」。そのほか「デッキジャケット」などがある。「フライトジャケット」はパイロットの着用を想定して開発されたもので、活動環境(気温)に合わせさまざまなタイプがある。一方「フィールドジャケット」は地上での活動を想定しており、タウンユースで着回しもできると人気の【M-65】が代表的なところ。
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1.「バズリクソンズ」のフライトジャケット【L-2B】。

ライトゾーン用フライトジャケットの決定版、【L-2B】。ミルスペックの完成度において他の追随を許さないバズリクソンズによる本モデルは、忠実に再現されたタグや【L-2】シリーズの特徴でもある三角フラップなど完璧な復刻を果たしている。適度な保温性があり、【MA-1】よりも薄手で軽いので、いかにもなミリタリーデザインを冬以外でも身に着けられる。こぎれいなコーディネイトに効かせたい。
▼【L-2】シリーズについて詳しく知りたい方はこちら!
2.「アルファインダストリーズ」のフライトジャケット【MA-1】。

ミリタリーウエアと言えばこれ、という人も多いのでは。【MA-1】は、’50 年代初頭に登場したフライトジャケット。人の命を守る役割があるフライトジャケットには、その時代の最先端の素材が使用される。レザー、コットンに続きナイロン素材を採用した【MA-1】は、過去のトライアンドエラーを踏まえ、機能的に研ぎ澄まされており、一切の無駄を排除したシンプルなデザインとして表れている。
▼【MA-1】について詳しく知りたい方はこちら!
3.「アヴィレックス」のフライトジャケット【B-3】。

1930年頃、当時空調機器が十分に備わっていなかった米陸軍航空隊の爆撃機搭乗者向けにつくられたジャケット。羊の毛皮を加工したものを使用しているので、その保温性や耐寒性は抜群。首元のチンストラップで襟を留めることで、より保温性を高めることも。これさえあれば、見た目の男らしさはもちろん、冬の寒さに震えがとまらない、なんてみっともないこともなくなるだろう。
▼【B-3】について詳しく知りたい方はこちら!
4.「ザ・リアルマッコイズ」のフライトジャケット【A-2】。

同ブランドスタートのきっかけとなった、フライトジャケットの代表格は、アメリカ陸軍航空隊が着用していた【A-2】だ。こだわりの詰まったディテールを備え、縫製や仕様はそのままにサイジングを修正、より着易くバランスの良い仕上がりに。現代的にリデザインされていると同時に、確かな【A-2】らしさも感じることも出来る究極の一着。品よきダークブラウンはシティユースでの着合わせに悩む心配もご無用。
▼【A-2】について詳しく知りたい方はこちら!
5.「ザ・リアルマッコイズ」のフィールドジャケット【M-65】。

ファッションとしてのミリタリーアイテムで最もメジャーな存在であろう【M-65】。フィールドジャケットの名作は街スタイルにおける絶対的エースだ。ハリのあるコットン100%のボディは、春、秋はもちろん、冬のメインアウターとしてレイヤードにも対応できる。肉厚なワイヤー型アルミジッパーやエポレットなど、それ以降に消えてしまう数々のディテールが人気の第2世代を再現。指定色である「OG107」までも、デッドストックを徹底的に模している。
▼【M-65】について詳しく知りたい方はこちら!
6.「ザ・リアルマッコイズ」のモッズコート【M-51】。

イギリスのユースカルチャーに大きな影響を与えた米軍のミリタリーウエア。’50 年代後半から若者の間で流行したカルチャー「モッズ」のシンボルとなったことから通称“モッズコート”と呼ばれる【M-51】はその筆頭格だ。生地に用いた厚手のサテン特有のハリと光沢感が上質感を醸し、フィッシュテールと呼ばれる特徴的な裾を折りたためば後丈の調節が可能。インナーを調整することで長いシーズン着用できる。
▼【M-51】について詳しく知りたい方はこちら!
7.「ビヨンド・クロージング」のコールドジャケット【A-7】。

兵士からの支持も絶大だという米軍納入メーカー、ビヨンド クロージングが生み出した、ミルスペックに匹敵する設計で生産されたコールドジャケット。最近の米軍ウエアに取り入れられているレイヤードシステムの最終防寒「LEVEL 7」と同様のスペックを持ち、胸や腕のポケット、脇下のベンチレーションや裾サイドに設けられたジッパーなど機能面も充実。現代ミリタリーの最新技術の結晶といえる。
▼【A-7】と同様のスペックを持つ「LEVEL7」についてはこちらもチェック!
8.「ギーク」のミリタリーコート【M-47】。

ミリタリーパーカーで最も有名なモッズコートの前身、【M-47】。それを基にしたコートは、胸部のハンドウォーマー、フラップ付きの腰ポケット、ウエストベルトなど、印象的なディテールを備えた、ファッション性の高いアイテム。ボディには天然色素と化学染料のブレンドで染めたナイロン素材を使用しており、独特な風合いとナチュラルなシワ感が楽しめる。ライナーは脱着式で単体でも着用可能。
9.「フィデリティ」のピーコート。

米軍納入経験のある老舗、フィデリティ。ブランドアイコンであるメイドインU.S.A. のピーコートは、ミルスペックまではいかないが、甲板で海兵たちを寒さから守った肉厚なメルトンウールに現代的なアップデートを加え、厚みと重さが抑えられタウンユースにもバッチリ。羽織ればミリタリーアイテムであることを忘れてしまうほどにスタイリッシュで品のある、永遠の定番コートだ。
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10.「アナトミカ」の夏用フライトジャケット。

1950 年代に実際に米海軍に支給されていた夏用のフライトジャケットをモチーフにつくられたジャケット。操縦士のためにデザインされたものなので軽量で動きやすく、収納性も高いため、小物は全部ポケットに入れて持ち運ぶ、なんてことも。素材にはメッシュに近いアーミークロスを使用しており、夏でも比較的涼しく着ることができる。品のいいミリタリースタイルにぜひ取り入れたい。
11.「アクアスキュータム」のトレンチコート。

第一次世界大戦時、英国陸軍が着用していたモデルが起源とされるトレンチコート。チンストラップや右肩の当て布はその名残り。極限の環境下において、各国が凌ぎを削ったスペックを搭載し、機能美として完成されたデザイン性を持ち合わせる。軍に納入経験があり、トレンチの最高峰として君臨するアクアスキュータムの大定番は、羽織ればどんなコーディネイトもサマになる渾身の一着だ。
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12.「ジョン・グラッコー」のオイルドジャケット“アースラーコート”。

第二次大戦時、英国海軍の潜水艦艦長ジョージ・フィリップスが現場のニーズに合わせて作った、潜水艦「アースラ号」から名付けられたアースラーコート。ジョン・グラッコーがポケットのプリーツやエルボーパッチなど随所にデザイン性を加えた。ライニングを取り外した一枚仕立てで、コットン100%のツイル生地にしっかりしみ込んだオイルが雨をはじき、独特の経年変化を生む。
13.「アークエアー」のカモ柄ブルゾン。

軍や特殊部隊に納入していた実績は折紙付き、すべての工程をイギリスで行いメイドインU.K. にこだわるアークエアー。英国軍で使用されていたジャケットをデザインソースに、さすがはミルスペックといった機能素材を採用。軍で実際に使われていた3 種類のカモ柄がふんだんに詰め込まれたデザインで、前後左右で表情が異なるにぎやかなパターンがひと味違った主役級のインパクトを与える。
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- MEDIA :
- Lightning
- CREDIT :
- Photo/K.Suzuki 鈴木克典 Styling/Codan コダン Text/S.Takano 髙野周平 A.Iwashita 岩下あゆ