どんな服装が正解? 真似したい、サバイバルゲーム上級者の装備を拝見!

  • 2023.02.21 2019.10.15
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世界のタクティカルシーンが大きく変革を遂げた21世紀。大量の戦力を投下し「面」で制圧する作戦は減少し、少人数のプロフェッショナルをピンポイントで派遣する局面が増え、軍や法執行機関の機能を代替する民間セキュリティ会社の需要も世界的に高まった。

このことがタクティカルシーンに与えた大きな影響値は計り知れない。軍、法執行機関の選抜部隊は各人の選べる装備の幅を拡充させ、戦地における民間軍事会社のオペレーターは「兵士」と間違えられないように、私服と戦闘服との境界線を曖昧にさせ、「個人装備」の幅を無限に広げたのだ。

そしてこの事実こそ、サバイバルゲームの人気が直近10年で世界的に高まった要因のひとつと言っても過言ではない。そう、装備における「こうでなければならない」といったルールが結果的に緩和され、サバイバルゲームをはじめるにあたっての心理的なハードルが下がったからだ。極論、5ポケットデニムにTシャツを着てチェストリグを着用すれば「っぽい」装備が成立してしまうのが今なのだ。

さて、今回紹介するのはそんな時代において自由でありながらも持ち前の知識を武器に「実際にいそうなひとり」を創造して楽しむ3名。エディター、スタイリスト、フォトグラファー、デザイナー、アパレルプレス、自衛官で構成されるサバゲチーム「MEDIA RANGERS」のメンバーだ。「知っている」からこそできる高次元の奥深いサバイバルゲームの楽しみ方をとくとご覧あれ。

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2023年02月21日

1.タクティカルトレーナーに転身した米陸軍出身のベテラン兵士をイメージ

フリーランスエディター・中澤範龍さん/ 元ペイントボール日本代表という異色の肩 書きをもつ中澤さんは、紙・WEBにおけ る編集、広告制作をおこなうフリーランス エディター。専門領域はアウトドア、ミリ タリー、ファッション、クルマと幅広い

ミリタリーやLE(法執行機関)をベースにしたスタイリングではなく、主に米国において需要が高まりつつある民間のタクティカルトレーニングシーンに着目した中澤さん。トレーナーの間で密かに流行中のアロハシャツをタクティカルデニムと合わせるアメリカンカジュアルスタイルをベースに、いかにも「シビリアン」的な装備・銃器を組む徹底ぶりにセレクトセンスが光る。無線機や各種ワッペンに元軍人を思わせるミリタリーライクな小物を忍ばせているのもニクいところ。「元々アメリカ古着が好きだったこともあり、なんとかカジュアルウエアとリアリティのある装備を両立できないかなと思っていたらこのスタイルにたどり着いたんです(笑)」

■ Helmet / OPS-CORE ■ Eye Wear / ESS ■ Tops / PATAGONIA ■ Carrier/ TYR ■ Pants/ HELIKON-TEX ■ Glove/ PETZL ■ Belt / ATS ■ Boots / ADDIDAS TERREX ■ Radio / HARRIS ■ Main Arm / SYSTEMA(AR15) ■ Side Arm/ WA(1911) ■ Back Up Arm / TM(M93R) ■ Holster / EAGLE INDUSTRIES ■ Bag / EAGLE INDUSTRIES ■ Schmag / UNKNOWN ■ Bottle / NALGENE

PATAGONIAからリリースされるアロハシャツ「PATALOHA」は古着ショップで発見したもの。SNAP-ONのミリとインチの六角レンチ、そしてレザーマンのマルチツールを常備している。エアソフトガンを収納しているのはペリカンの1700。ヘルメットにはダミーの暗視ゴーグルを採用。通常「SAFE」「SEMI」「AUTO」ないしは「BURST」の刻印が入るAR15だが、発射音の擬音語「PEW」をベースに表現した。実際に民間用ライフルで使用実績のある刻印であることがミソ。タクティカルシーンにおいてもよく見られるナルゲンボトルはBB弾ボトルにするこだわり。

2.「実在してもおかしくない」ラインを的確に捉えた妄想特殊部隊装備

スタイリスト・中島貴大さん/ 男性ファッション誌を中心に活動している 本誌でもお馴染みの中島さん。自身の原 点でもあるアウトドア文脈でサバゲの世界 に心酔したというだけあって、装備の98% はアウトドアルーツのモノで構成される

実在するCPS(カルガリー市警)のタクティカルユニットの装備をベースに、米国FBIのHRT(人質救出チーム)のような選抜チームがCPSにも実は発足していたら、という設定でつくられた中島さんの装備。あえて最小限に抑えられた装備が短時間でミッションを遂行する隊員「らしさ」を捉えている。「アウトドア&ファッションが好きな自分にとって、ARC’TERYX LEAFのウエアとアウトドアルーツの5.11の各種装備を大好物であるグレーカラーで採用するCP
Sのタクティカルユニットはソース元としては最高で。そこからさらに自分らしい銃器やアイテムを自然に馴染ませるためにこの設定を思いついたんです」。本人の職業を考慮した「POLICE」ならぬ「PRESS」ワッペンもシャレが効いている。

■ Cap / ARC’TERYX LEAF ■ Eye Wear / BOLLÉ ■ Tops / ARC’TERYX LEAF ■ Carrier/ 5.11 TACTICAL ■ Inner/ VELOCITY SYSTEMS ■ Pants/ ARC’TERYX LEAF ■ Kneepad / ARC’TERYX LEAF ■ Glove/ MECHANIX WEAR ■ Boots / HOKA ONE ONE ■ Radio / MOTOROLA ■ Main Arm / KRYTAC(AR15) ■ Side Arm / TM(M&P9) ■ Sling / ARC’TERYX LEAF ■ Bag / MYSTERY RANCH ■ Bottle / KLEAN KANTEEN × MYSTERY RANCH ■ Bottle / NALGENE × BLACKHAWK

プレートキャリア裏面は夏でも快適な仕様に変更済み。背面のハンドカフの仕込み方に玄人感が光る。「東京サバゲパーク」の非売品のスタッフパッチは同フィールドの古池氏より譲り受けたもの。BLACK DIAMOND製のカラビナには中島さんが新車から18年乗り、東京サバゲパークに寄贈されたカナダ仕様の Dodge Grand Caravan のキーがついている。キャップ、トップス、パンツ、ニーパッドは米国内においても取り扱い店舗が限られるARC’TERYX LEAがF製のもの。MYSTERY RANCHのバックパックには創業者デイナ・グリーソンとその息子D3のサイン入り!

3.SEALs チーム3出身でPMCを経てGRS 隊員になった架空の兵士を創作

フリーランスエディター ・COVO 田形さん /某ブライダル専門誌の広告ディレクターを 務めながらフリーランスエディターとしても 活動しているCOVO田形さん。専門領域は アメリカンカルチャー全般と湾岸戦争以降 の現代米軍装備、アニメ。サバゲ歴は15年

映画『13時間 ベンガジの秘密の兵士』で一躍脚光を浴びることとなった世界に点在する米国CIA基地のセキュリティを担当するGRS。COVO田形さんがイメージしたのは、米海軍特殊部隊SEALsのチーム3(中東地域担当)を退役後、元SEALs隊員によって創設されたPMC(民間軍事会社)、BLACK WATER USAを経てGRS隊員となったオペレーターだ。装備自体は最新のものをセレクトしながらも、やや前時代的な銃器と、GRSのような民間色の強い組織にありがちな無国籍迷彩を組み合わることで、’90年代から戦闘に参加しているベテランオペレーター「っぽさ」を表現している。「想像でつくったプロフィールをパッチや小物などの細かなアイテムに投影しリアリティを付与するのが楽しいんです」

■ Cap / BLACK WATER ■ Eye Wear / ESS ■ Tops / ANDFAMILYS Co. ■ Vest / 5.11 TACTICAL ■ Carrier/ VELOCITY SYSTEMS ■ Inner/ CPFU ■ Pants/ VELOCITY SYSTEMS ■ Glove/ MECHANIX WEAR ■ Belt / BIANCHI ■ Boots / DANNER ■ Radio / MOTOROLA ■ Main Arm / SYSTEMA(MP5) ■ Side Arm / TM(USP-C) ■ Back Up Arm / TM(M66) ■ Holster / BLACKHAWK ■ Schmag / UNKNOWN

SEALsチーム3のメモリアルパッチはなんと実物。メディカルキットとCAT止血帯、エアソフトガンに装備されたSIG SAUER製ドットサイトも実物というこだわりよう。オリジナル迷彩が際立つANDFAMILYS Co.のBDUは程よくアタリが出ており無骨な表情を醸し出す。実物のMOTOROLA製XTS3000の中身をくり抜いて特小無線をビルトイン。配線を繋げ各ノブ・ボタンはライブ仕様に。BMX用のPRO TEC製ニーパッド。同社のスペードロゴを「最後の切札」のゲン担ぎとして米軍特殊部隊の一部の隊員がPROTEC製品を使用していたのは有名な話。

サバゲこと、サバイバルゲーム。ちょっと気になってたあなたも、趣味としている人も、今回ご紹介したような自由な「妄想」と共に構築する装備に興味を持っていただけたのではないでしょうか? まずはとりあえず、フィールドに出てみよう!

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2022年11月01日

※掲載情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2019年10月号」)

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