ここでは、ジーンズの名称だけでなはなく、時代でどう違うのかも合わせて解説していこう。
1.コインポケット
その昔は懐中時計を入れていたと言われるコインポケット。両サイドのリベット(5参照)留めは、大抵のモデルが第二次大戦期のみ廃止されたが、戦後に復活。ポケット口には’60年代くらいまでセルビッジ(8参照)付きが多かった。
2.トップボタン
ウエストバンド(4参照)の中央にあるボタンをトップボタンと呼ぶ。一般的にはこのボタンにはブランドロゴが入っているが、大戦期のモデルには当時の既製品である無地や月桂樹柄などのボタンが使用されたものも存在する。

3.フロントフライ
前身頃の生地が重なる部分をフロントフライと呼ぶが、ジーンズにはボタンフライ、またはジッパーフライの2種類が存在する。一般的には生機(洗うと縮む)デニムは前者、防縮加工デニムは後者が多い。なぜなら生地が縮むと、ジッパーが噛み合わずに破損するためだ。
4.ウエストバンド

ウエスト周りの帯状のパーツをウエストバンドと呼ぶ。’30年代後半になると、この下側部分はチェーンステッチで縫製されるが、上部はシングルステッチ縫製のままで、’60年代後半から上部もチェーンステッチになる。

5.リベット
前述のようにリベット留めによる補強は、1873年に特許を取得した、いわばジーンズを象徴するもの。当初は下の写真のように平たく中央に叩いた痕のある形状だった。リーバイスはこの刻印である程度の年代判別ができる。
6.股リベット

第二次世界大戦期までは、リーバイスに限らず多くのメーカーのジーンズやワークパンツの股にリベット補強が施されていた。その後、物資統制によって廃止され、1960年代頃からカンヌキ留めによる補強がなされた。

7.ポケットスレーキ
ポケットの内布のことで、第二次大戦期は物資が不足したことから生成りコットンツイル生地ではなく、様々な生地で代用された。珍品ではデニムやネル、ヘリンボーンなどがある。この部分のリベット裏側が銅のものほど旧く、リーバイスでは1960年代前半まで使われていた。
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