【2大フライトジャケット】米陸軍航空隊のA-2と米海軍のG-1、どっちがおすすめ?

フライトジャケット界で、人気を二分する2つのモデル、アメリカ陸軍航空隊のA-2と、アメリカ海軍のG-1。A-2の制式採用は1931年、G-1もその前身であるM422が1940年と、ともに歴史も古く、ヴィンテージ市場でも様々なバリエーションが存在し、ミリタリーファンを刺激する奥の深さを持つ。編集部のミリタリー担当・モヒカン小川とADちゃんが、ライトニングならではの目線で、フライトジャケットの雄・A-2とG-1の魅力を分析!

やっぱりA-2はフライトジャケットの王様なんです。(小川)

モヒカン小川(以下モヒ) A‐2とG‐1なら、俺は断然A‐2派だな。一時期、6着くらい持ってたよ。ADちゃんはどっち派?

ADちゃん(以下アド) 俺はG‐1すね。ヴィンテージも持ってますよ、7823ですが。

モヒ そもそもフライトジャケットって、適応気温域別に分類・開発されてるじゃない? ライトゾーン・インターミディエイトゾーン・ヘビーゾーンといった具合に。

アド そうですよね。

モヒ A‐2って摂氏10度〜30度のライトゾーンG‐1は摂氏マイナス10度〜10度のインターミディエイトゾーンに分類されるじゃん。並べて比べられることの多いA‐2とG‐1だけど、そもそも気温域が違うんだから、比べる意味なくね? 冷奴と焼き鳥比べるようなもんだよ。

アド そんなことはないですよ。ミリタリーファンはもちろん、ファッション業界人にも、特にこの2つのジャケットは人気なんです。比べることで、見えてくることがありますよ。B‐15CとCWU‐45/Pを比べるより意味がある。

 A-2|1931年にアメリカ陸軍航空隊に制式採用された夏季用フライトジャケット。1927年に採用され た前身のA-1はフロントをボタンで留めていたが、A-2はフロントがジッパーに変更され、当時としては革新的なジャケットだった。様々な納入業者(コントラクター)が軍にA-2を納入したため、コントラクター毎の個性が現れているのもA-2の醍醐味だ

モヒ 俺がA‐2に惹かれるポイントは、やっぱり浪漫だな。第二次大戦中のパイロット達が着ていたというだけで、胸がキュンとなる。でもG‐1も同じだよね。とすると、人気を二分するポイントは、やっぱりボアの有り無しかなぁ。

アド もちろんボアは大きな違いですが、それだけじゃないですよ。G‐1ってアクションプリーツが装備されていて動きやすいじゃないですか。だからバイク乗りの方にも支持されてますよね。

モヒ でもA‐2の背中は、贅沢にも馬革1枚仕様だよ。G‐1は可哀そうなことにウエストで切り返されてるもんね。結論「A‐2の方がエラかった」ってことで。

TYPE G-1|米海軍初のインターミディエイト用フライトジャケットとして開発されたM422のスタイルを継承し、1940年代後半に登場した中温域用ジャケット。ムートン襟を持ち、素材はゴートスキン。背中にはアクションプリーツが設けられ運動性も高い。1976年に採用中止となるが、パイロットたちの要望に応え、1984年に再び採用され、現代にいたっている

アド ちょっと待ってください! 確かにレザー好きにはA‐2は刺さるかもしれないけど、G‐1のファッション性の高さも見逃せません。コーディネイトした時に、首周りにボアがあるおかげでバランスが取りやすいんです。

モヒ でもさ、G‐1ってインターミディエイト用のクセに、案外暖かくないよね。ボアも飾りだな、ありゃ。

アド 実はそこがG‐1のいいところなんです。ボアがあるのに、ライニングはサテン地で薄いので、重ね着しや
すいところが、人気なんですよ。裏地がモコモコしてたら、着膨れしちゃうじゃないですか。

モヒ さすが元古着ショップ勤務、目の付け所が違うねー。でもA‐2は、いろんなコントラクターが納入していて、台襟の有り無しとか、それぞれの仕様の微差を楽しむことが出来るけど、G‐1も多くのコントラクターが納入してるくせに、あんまりその違いがフィーチャーされないよね。結論「やっぱりA‐2がエラかった」でいいよね?

アド なめてもらっちゃ困りますね。G‐1は、前身モデルとの微差を楽しむ文化なんですよ。M422、M422A、AN6552、AN‐J‐3A……一緒くたに扱われることが多いですが、G‐1の名がラベルに刻まれるのは55J14からですから。

モヒ なるほど、G‐1もさすがに深いね〜。じゃあ、どっちもエラいってことで。

ライトニング編集部的「A-2」考察。

A-2のキモは台襟にあり。

コントラクター毎に、エポレットの仕様や襟の形状、ポケットフラップなどに違いが現れるA-2だが、最も顕著な違いは台襟の有無。台襟のあるタイプ(写真下段)の代表格はラフウエア、台襟無し(写真上段)はJ.A.デュボウが有名。台襟があると、詰襟のような雰囲気で若干ワイルドに、台襟がないと、首周りがすっきりして上品な印象を受ける。A-2を選ぶ際には、是非気をつけたい。

TYPE A-2のここが〇。

・約20万着作られてきた圧倒的な実績。
・コントラクター毎のバリエーションの豊富さ。
・革好きを唸らせる馬革の存在感。

TYPE A-2のここが×。

・薄手なので、ベストシーズンが短い。
・プリーツがなく動きにくい。
・一見すると紳士用ブルゾンに見える。

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ライトニング編集部的「G-1」考察。

違いがわかる? G-1変遷史。

G-1の歴史は、1940年採用のM422から始まり、その後継のM422A、AN6552、AN-J-3Aと続き、1947年のSPEC.55J14より、G-1の名がラベルに刻まれることとなる。その後継のMIL-J-7823シリーズは1952年から1970年代後期まで続いた。基本的な仕様をほぼ変更せず現在まで続いているのは、G-1のデザインの完成度の高さの証でもあるのだ。

TYPE G-1のここが〇。

・1940年から変わらない完成されたデザイン。
・アクションプリーツによる動きやすさ。
・ムートン襟のワイルドさ。

TYPE G-1のここが×。

・中温域のくせに全然暖かくない。
・トップガンに影響されたと思われる。
・一歩間違えると作業員に見える。

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(出典/「Lightning 2020年12月号 Vol.320」)