俺も気付けば齢48。最近、テレビの中で歌って踊る、顔のツルンとした若者たち(男女どちらも)の顔が、みんな同じ「量産型ザク」にしか見えなくなった。「キンプリ」の名を初めて聞いた時は、プリン体のカットされた酒の名前だと思ったし、「何坂が好きですか?」と問われれば、迷いもなく「神楽坂」と答える。
そんなアンテナの低い俺だが、革ジャンに関するアンテナだけはものすごく高い。どんな微差でも見逃さないし、新たにデビューする革ジャンブランドのチェックも欠かさない。SexyZoneは、ファンに「顔面偏差値東大レベル」と言われているらしいが、俺の革ジャン偏差値はハーバードを超えているので、勝負にもならない。
「FOUNTAIN HEAD LEATHER」のライダース

そんな俺の「革ジャンアンテナ」にこの度引っ掛かったのが、こいつだ。「ファウンテンヘッドヘッドレザー」。実はこのブランド、2020年AWよりリリースが開始される、まさに“超新星ブランド”なのだ。しかし、その革ジャンを見てみると、“新人ぽさ”はまるでなく、まさに“ベテラン”の佇まい。

革ジャン界の伝説と呼ばれる’30sの名作をモチーフに、ディテールは精緻にトレースしながらも、パターンを見直し、美しいシルエットを実現している。着てみると、すごくすっきり見えるのだ。で、気になる革質はというと、1.5㎜厚の渋鞣し・アニリン仕上げの茶芯の馬革で、迫力あるシボ感が楽しめ、皺もダイナミックに入る。


硬そうに見えるが、コシはあるもののとても気やすいのが特徴なのだ。そして、このカブトムシみたいな美しい茶はどうよ。俺の革ジャンアンテナが、「今年はブラウンのレザーに注目」と告げているので、さっそく注文した。ファウンテンヘッドレザー、革ジャン好きならこの名を覚えておいたほうがいいぜ。

【問い合わせ】
マスファルト
http://www.masphalto.jp/
(出典/「Lightning 2020年4月号 Vol.312」)