職人さんの息づかいが聞こえてきそうな風情ある趣き。

東京・世田谷区に、今ではすっかり見かけなくなった一軒の古びたトタン外装の建物がある。この建物は約40年前に作られた鉄工所だったそうで、かつて高度経済成長期を担った職人さんの息づかいが聞こえてきそうなほど風情がある。その鉄工所をリノベーションしてオープンしたのが、レストラン&カフェバー「ソウルツリー」だ。

「いろいろな物件を見ましたが、このトタン外装を見て即決しました。元は鉄工所だったので、断熱材や補強はもちろんしていますが、この古びた雰囲気を極力活かしたかったので、必要最低限しかいじっていません。ソファや照明などはヴィンテージで揃えて、テーブルやベンチなどは自作なんです」と、オーナーの高橋さん。
天井高の広々とした空間はインテリアの参考にも。
元鉄工所だけあって、広々とした空間に大きめのソファを置き、ゆとりのある落ち着いた空間に仕上げている。また店内に入ってすぐにデザイン関連の本を中心に、様々なジャンルの本を収めた書棚があり、自由に読むことも可能。コーヒーを飲みながら読書を楽しむのもいいだろう。
ライブラリースペースに置いてある本はすべてグラフィックデザイナーでもある高橋さんの所有物。デザイン関連を中心に置ききれなくなったものを収納しているそうだ。
手作りのテーブルとヴィンテージチェア、低めのソファを設置した店の奥のスペース。一段高い位置にあることもあり、中央スペースとはまた違った雰囲気を味わえる。
どこをとっても重厚な雰囲気が漂う。
内装のテイストに合わせて設置したコンテナ扉。この扉があることで、より工場感を醸し出している。ちなみに高橋さんは革小物をつくったり藍染めをしたりと、モノ作りも趣味としており、この中はその工房になっている。
バーカウンターも重厚感のある仕上がりで、仕事帰りに一杯飲みたくなる雰囲気満載。ソーセージやBBQスペアリブなど料理も充実しているので食事を楽しみながらゆったりとした時間を過ごせる。
「自分の好きなものを集めたら、こういう空間ができました」と、オーナーの高橋さん。長い月日をかけて経年変化した建物だからこそ味わえる風合いと懐かしさ。そこにこだわりをふんだんに取り入れた空間は、とても居心地がよく、ついつい長居してしまいそうだ。
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(出典/「Lightning 2018年2月号 Vol.286」)
Text/Lightning 編集部 Photo/A.Kuwayama 桑山章
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