これまでもこれからも最高品質を追い求め。
軍事での使用を目的とするものは品質の良し悪しが人命に関わってくるため、常にハイクオリティが求められる。皮肉なことながら第二次世界大戦において軍事用として活用されることになったモーターサイクルも、これまでのクオリティから飛躍的な進化を遂げることとなった。
第二次世界大戦終了後、モーターサイクルの目的は趣味としてやファッションのひとつへと移り変わる。同時に、バイクに乗る際に着用するジャケット=モーターサイクルジャケットの需要が急拡大し、様々なメーカーからレザーのライダースジャケットが発売される。戦時中にレザープロダクツを軍へ納入していたBUCOもこの市場へと参入。JH-1の誕生から改良を重ね、現在に至るまで語り続けられる名作J-24やJ-100などのモデルが誕生したのだった。
高品質のホースハイドを使用し、ライダーの為に改良が続けられ、常にハイクオリティを追い求める製品作りを行っていたものの、ヘルメットを主軸とした生産体制へと舵を切ったことにより1970年代に消滅してしまった。そして現在はヴィンテージリプロダクションにおいて世界的評価を受け続けるThe REAL McCOY’Sが手掛けることにより、ハイクオリティを追求したBUCOが受け継がれている。
ヴィンテージウエアをそのまま再現するのではなく、最高品質のホースハイドとパーツを使い、現在のライフスタイルのなかでより着用しやすいようにアップデートが続く。そう、当時のBUCOがそうだったように、最高品質を求め続けるあくなき探求心はいまもなお継承され続けている。
J-24 ¥275,000_
1953年に誕生した、BUCOの最高傑作とも呼ばれるモデルJ-24。Dポケットとその上に付くコインポケットや斜めに付くスラッシュポケットなど、ライダーに必要な機能を追求した結果として生まれたフロントデザインが目を惹く一方、エポレット部分の装飾やスナップボタンは全てシルバーで統一され、全体の雰囲気が洗練された印象を受ける。着用を重ねるごとに鈍い光沢へと経年変化する金属パーツと、革全体に現れるシワと茶芯。この堂々たる出で立ちは唯一無二で、多くの人が魅了され続ける理由のひとつだ。
J-100 ¥198,000_
モーターサイクルが競技として確立された以降はレーサー向けの商品開発が行われるようになる。そのなかで生まれたのが、シングルライダースジャケットの最高傑作と呼ばれるJ-100だ。レース用途として開発されたものはより軽くすることを考えたのか、裏地が付かない簡素なシャツタイプのデザインだった。後に一般流通をする際には裏地が付き、保温性や袖通しの良さ、耐久性など、ジャケットとしての完成度を高めるように改良が施された。写真はジャケットタイプだが、The REAL McCOY’Sではシャツタイプも手掛けている。
JH-1 ¥275,000_
BUCOがライダースジャケットを作りだした最初期に作り上げたモデルがこのJH-1だった。やや大き目の襟やスナップ式のウエストベルトなど、どこかアビエイタージャケットの流れを汲んだデザインが残る。このモデルから、よりライダースジャケットの完成形を目指す探求が始まったとされる、ブランドを語る上で欠かせないモデルだ。
J-82 ¥297,000_
1950 ~ ’60年代頃に実在したJ-82ジャケットをベースに、キルトパッドのカスタムオーダーが施されたジャケットをイメージして誕生した。オリジナルのモデルはこの年代頃から大量生産へと舵を切ったことによりカウハイドへと変更されていくが、あえてホースハイドで作られているのも、BUCOのスピリッツを継承し続けている証だ。
【DATA】
THE REAL McCOY’S TOKYO
Tel.03-6427-4300
https://therealmccoys.jp
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「CLUTCH2022年10月号 Vol.87」)
Photo by Akira Kuwaryama 桑山章 Text by CLUTCHmagazine 編集部
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