細かいことを気にせずにラフに穿けるのが魅力。
古着の代名詞とも呼べる王道アイテム、リーバイスの501。その誕生は1890年にまで遡り、製造された年代によって少しずつ仕様が異なることもマニア心をくすぐるポイントだ。ここでは同じ501の品番の中でも大きく6つのモデルに分別し、それぞれのディテールの差や価格変遷をご紹介する。こういった時代背景などを知ったうえでお気に入りのヴィンテージを選んだら、501に対する愛着心もより一層沸くに違いない。
古着ブームの真っ只中にある昨今。改めてヴィンテージリーバイス501の注目度が高くなっている。デニムは色落ちが魅力の素材である反面、色残りが多い個体が年々少なくなることを意味する。デニム本来の楽しみ方である、自分に合った色落ちを楽しめるジーンズを探すなら、早いうちが望ましいかもしれない。
「数年前まではいわゆる前期モデルまでがヴィンテージとされていました。いまは世界中で人気なので、アメリカ製のレギュラーモデルまでだんだんと見つかりにくくなってきて、市場価格が高騰しています。
とはいえ、多少の汚れやダメージを気にせず履けるのもデニムの魅力。古着屋ジャムでは様々な年代やコンディションのものを取り揃えています。サイズ別や色の濃淡の差で数本所有し、あまり細かいことは考えずにコーディネイトを楽しんでいただきたいですね」
6つの年代に分け、それぞれのディテールを解説!
XX|1946~1966年頃
ベルトループが中央からややズレているものが存在するのもこのモデルの特徴だ。
またバックポケットの補強のため、銅パーツが付けられる。表側からは見えないようにされているため、隠しリベットと呼ばれる。
トップボタン横の縫製は、斜め上に縫われる通称“Vステッチ“と呼ばれている。
bigE|1966~1973年頃
赤タブの表記が大文字のEであれば、ビッグEモデル以前のもの。
トップボタン横の縫製は、Vステッチが古く、平行ステッチは後期に見られる。
アウトシーム部分の縫製が両方ともシングルステッチになっていればビッグEと判別可能だ。
early’66|1973~1976年頃
赤タブはまれにビッグEのものも存在。[66ビッグE]と呼ばれる。
バックポケットの裏側・上部のステッチはシングルステッチに。ヴィンテージジーンズ特有のディテールだ。
トップボタンの裏側には6と刻印されている。この3つの組み合わせで判別が可能だ。
late’66|1976~1982年頃
バックポケットの裏側の上部がチェーンステッチで縫われていれば、66後期以降のモデルが確定する。
そしてトップボタン裏には6の刻印が入る。
このモデルまで縮率8%の生地が使用されている。まだらな縦落ちが魅力だ。
Redline|1982~1986年頃
やや細めのセルビッジ。ヴィンテージらしい色落ちが表れる。
紙パッチが美しく残っているのは希少だ。
内側に付くケアラベルの裏側にある数字で、製造年月と工場の判別が可能。たとえば「2 2 524」であれば’82年2月製造、テキサス州のエルパソ工場製と分かる。
Regular|1982~2003年頃
赤耳付きのモデルと並行し、1980年代の初め頃から脇割仕様も登場する。紙パッチ右下あたりにMADE IN U.S.A.の表記が入る。
またトップボタン裏の刻印で製造工場が判別できる。
脇割仕様になったアウトシーム。生地が柔らかく表側のアタリが出づらい。
過去5年間の価格変動を見ると、今後も値上がりが予想される。
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年5月号 Vol.194」)
Photo/Akane Matsumoto Text/Kazuki Imanishi
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