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アリアは548km(姫路→横浜)をノンチャージで走れるか?【EV日産アリア長距離チャレンジ】

筆者は、横浜在住で、実家が京都、妻の実家は姫路。結婚する前から30年ほど、ほとんどの正月、お盆、GWはクルマでそれらの場所を往復している。それゆえ、一気に横浜→姫路間を走り切れないクルマは、クルマ選びのターゲットに入ってこない。果たして、アリアはわが家のチョイスに入ってくるクルマなのか。

※走行中の写真撮影は、助手席のスタッフが行っております。

30年間帰省しているうちに、横浜→姫路間は110km縮まっている

もちろん、途中で休憩すればいいことではある。しかし、休憩は自分の運転のペースで行いたい。適度な緊張感を上手に保ち続けることこそが、長距離運転のコツなのだ。

充電のために入ったパーキングで、スロットが埋まってて、諦めて次に向かう……とかやっていると、安定したペースが保てなくなる。

また、正月やGWなどで駐車場が、どこもかしこも埋まっている……なんて可能性もある。というわけで、姫路までの550kmを一気に走れることがクルマ選びの最低条件なのだ。ちなみに、30年前は姫路まで660kmだったが、新東名、伊勢湾岸道、第二名神、京滋バイパス、新名神、山陽自動車道などの完成により、徐々に縮まって550kmになった。

経験上、関西への行きの方が混む。東京への戻りはマシ(私が夜中に走るのが好きなので、仕事始めの前夜に走るような人はあまりいないという事情もあるかも)。特にGWの関西行きが一番混む。30年間で、24時間かかったことが3回ある(泣)。

走行開始時には実残距離548kmに対して、614km走れると言ってたのだが

そんな、関西帰省のプロ(笑)による、帰省テスト帰路編である(笑)

行きは、横浜→京都の433kmを走って、残り128kmの表示だったから、リクツ上は可能。とはいえ、あまり限界を狙うワケにはいかない。高速道路上で電欠になって、周囲にご迷惑をかけることなできない。高速道路上の停車は言うまでもなく危険だ。

EVの日産アリアは、横浜→京都間を一気に走れるか? プロパイロット2.0はどのぐらい使えるのか?

EVの日産アリアは、横浜→京都間を一気に走れるか? プロパイロット2.0はどのぐらい使えるのか?

2025年10月17日

というわけで、朝7時前に姫路出発。ナビによると、横浜の自宅までの距離は548km。

妻の実家を出てすぐの日産で、100%充電にする(充電して帰宅したりすると、すぐ98%になるので)。これで残り614km走れると言ってるので、リクツ上は可能なはず。

当然ながら、急減速、急加速は避ける。ブレーキはなるべく踏みたくない。

ガソリンエンジンと違って、『効率のいい回転数』というのはないので、空気抵抗を増さないように遅めの巡行速度が電費にいいはずだ。

横浜到着予定時刻は15時05分とのことだが、これはチャージ時間も含んでいる。チャージしなければ、14時ぐらいに着くだろう。15時30分から会議があるのだが、楽勝で間に合うはず。

前半はあまり、変化はないので、話はすっ飛ばしていく。

残距離と、電池残量から、マージンを計算しながら走る

無駄にブレーキで運動エネルギーを消費しないように、先読みして、車線変更を上手にしつつも、プロパイロット2.0を使って一定の巡行速度をキープする。

大阪というか、箕面のあたり。84%、走行可能距離496km。目的地まで463km。マージンは、33km。そう、ここからは、この差を気にして走ることになる。これがマイナスになると、到達できないということだ。

極力プロパイロット2.0を使って、一定速度で走ることを心がける。

しかし、ただ、ダラダラと走行車線を走っていると、気が付くと遅いクルマに引っ掛かって走行速度が70kmぐらいに落ちてしまって、これも効率が悪そう。そして、15時30分からの会議に間に合わない(笑)

プロパイロット2.0をオンオフしながら、車線変更を上手にしてクルージングを繰り返す。

マージンは、50kmから27kmの間を上下して、依然として厳しい戦いが続く。

吹田から名神高速に入って、ナビは京都市内を通り、草津から第二名神に入るルートを指示するけど、経験上京滋バイパスを通る方が絶対に近い。ナビを無視して、京滋バイパスにハンドルを切る。すると、マージンが80kmぐらいに増えた。なんでやねん(笑)

2回チャージしろとナビは言う

第二名神から、伊勢湾岸道に入るあたりで、ナビの充電経由地情報が2カ所になった。

つまり、遠州森町PAと、駿河湾沼津SAの2カ所でそれぞれ30分充電することによって、バッテリー残量30%と余裕を持って横浜の家にたどり着くことができるということだ。

賢い。ここまで考えてくれるのか。しかし、今回は愚かにも、途中チャージなしで限界能力を試すのだ!

減るバッテリー、うるさいナビ……アリアは到達できるのか!?

東西をクルマで往復する人にはおなじみの刈谷PA。残量59%、走行可能距離364km。目的地まで306km。マージンは、58km。行けるような気がするんだけどなぁ。

遠州森町SA。残量42%、走行可能距離251km。目的地まで205km。マージンは、46km。到着できそうな気がするけど、箱根があるからなぁ。最終的には厚木あたりで判断かな。箱根の登りで、きっと電力を消費して、マージンが減っていくはず。

新富士あたり。24%、走行可能距離138km。目的地まで128km。マージンは、たった10kmに。

さらに30kmほど走って、17%、走行可能距離99km。目的地まで90.5km。マージンは、たった8.5kmに! 御殿場へ向けて徐々に上り坂が増えているからかな。バーが減っていくにつれ、だんだん手に汗を握ってしまう(汗)

御殿場インターで、残14%、走行可能距離80km。目的地まで80.8km。マージンは、ついにマイナスになってしまった! 御殿場から、下りで回復するといいんだけど……。

もう、このあたりからは、あらゆるSA/PAに入れと言われて、あらゆるインターチェンジで降りるように言われる。残り80kmでもアリアとしては、断固高速道路上に止まってはならないという強い意思を持っているようだ。それをあえて無視して走り続ける。もはやクルマとケンカしているみたい。

ピーピー、ウルサいっ!

最終的な判断の場所は海老名SAに決める。

アホなチャレンジのために、高速道路上にアリアを電欠で停めるワケにはいかない。

海老名SAから自宅までは22.5km。その時点でバッテリー残量が40kmあったら、チャレンジすることにしよう。もし、状況が急変しても、綾瀬スマートICや横浜町田ICで降りられなくはない。

残10%でマジな警告。

しかし、この10%でもアリアは64kmも走れるのだ。これ、もともと航続距離の短いサクラとかだとどうなるのだろう?

そして海老名……。

残り10%で、残量64kmなので、自宅まで到達できるかチャレンジすることにする。

この短いバーを見ていると、かなり焦るが……。

ナビはどうしても海老名SAに入ってチャージしろというが、それを無視して走り続ける。アラートがピーピー鳴るので、もうクルマとは大げんか状態だ(笑)

さらに、なんかマジな感じの警告文が表示される。このままでは、充電器に到達できないと言っている。もちろん、これは高速道路を走り続けた場合なので、自宅にたどり着けば、近所の日産に行ける……はずなのだが、運転していると、細かい事を調べられないので、不安は募る(汗)

わが家まで、29.1km。現在のバッテリー残量では到達できないかもしれないとの警告。

それはもちろんそうで、途中に渋滞があるかもしれないし、充電施設が休業している可能性もある。ナビが慎重に判断するのは正しい。しかし、オレはチャレンジするのだ!

ついに到達! アリアは548kmを完走!

そして、ついに夢にまで見た横浜青葉IC! バッテリー残量は残り6%、残り43km。自宅まではあと4kmぐらい。これは、大記録達成か!?

そして、ついに自宅に到着! アリアは、ノンチャージで548kmを走り切ったのだ!

EVがどのぐらいの距離を走れるのかは、購入者の人はとても気になると思うのだが、実はこうやって実際に試している記事はあまりない。おそらく、アリアや、リーフ、テスラ Model 3などで、実際に(公称ではなく)どのぐらい走れるのか……というのは、みなさんとても気になるところだと思う。

アリアはノンチャージで、548km走れる。実際に試してみたから言い切れる。

そして、その時点で、残りのバッテリー残量は6%36kmとなっている。もっとも筆者はこの電力を使って、日産のディーラーに行って充電しなければならないのだが(笑)

最後に結論をまとめておくと、アリアは実際に548km、姫路→横浜間をノンチャージで走ることができた。もちろん、途中でチャージした方が快適・安心に走れるとは思うが、万一の時(充電器の混雑とか、故障とか)これだけ走れるというのは安心感になる。

10年前の初代リーフの広報車を借りて同じようなテストをした時、100kmあまりしか走れなかったことを思うと、548kmを走れるなんて隔世の感がある。そのパフォーマンスに感動した。

(村上タクタ)

(こちらもぜひ!)

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2025年10月17日

(テスト時のtweetはこちら)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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