文字を超える 私の履歴書
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「スペースバーで『変換』」を作ったのが浮川夫妻
パソコン業界にいる人で、浮川夫妻のことを知らない人はいないだろう。
知らなくても、我々は恩恵を受けている。なにしろ、パソコンで日本語入力する際に『変換』をスペースバー、『決定』をリターンキーで行う……という日本語入力の基礎を作ったのがこのお二人なのだから。
愛媛大学工学部電気工学科で出会った、浮川和宣・初子ご夫妻がいかにして起業し、パソコンの『日本語入力』というものを作り上げたか。ATOK、一太郎、ジャストシステムの栄枯盛衰。そして、ジャストシステムを離れてから、新しく『タブレットの手書き入力』という分野にチャレンジし、そのようにMetaMoJiを事業として成立させていったのか? そんな、お二人の人生史、日本語入力の草創期と確立の記録のみならず、日本のコンピュータの普及の歴史でもある。
MetaMoJiの草創期に、私も何度も取材に行ったのだが、浮川和宣さんはビジョナリーだ。途方もない目標をこともなげに掲げる。そうなると周りはついて行かざるを得ない。そんな雰囲気がある。
対して、奥様の初子さんは天才エンジニアだ。今でもシステム全体はもちろん、コードの細部まで理解して「ここは、こうした方がいいんじゃない?」とご自身でコードを書かれる。
私が、取材中にも「ここが使いにくい」的なご意見を申し上げると、瞬時にスタッフのエンジニアの方に電話して「ここをこうしましょう」とか、「次回の会議に上げられるように検討しておいて」と指示をされていた。
そんなお二人の物語が、最初から読めるのだから、実に楽しい。最近は、オンラインでのミーティングも普及したことから、夏は蓼科、冬は宮古島で暮らしていらっしゃるらしい。
ぜひ、読んでみていただきたい。私は書籍をご恵贈いただいたが、電子版もあるようだ。
(村上タクタ)
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