フライトジャケットの原風景への誘い
プロペラからの風圧や撒き上げた潤滑油からパイロットを保護すべく作られ、当初は簡素なものであった飛行服。機体の高速化などの影響から徐々に防寒性を求められるようになり、1927年に夏季を想定したライトゾーン対応モデルとしてアメリカ陸軍航空隊により初めて制定されたのがA‒1フライトジャケットだ。その後継にあたるA‒2も同様だが、使用された素材はおもに強度としなやかさを兼ね備えたホースハイドが主流だった。
このようにレザーから始まったフライトジャケットの素材は、以降B‒9やB‒15といったコットン製、L‒2やN‒3のようなナイロン製と、時代とともに変遷していく。壮大なフライトジャケットの歴史を眺めたとき、こと「原点」という意味に限ってはレザー製こそが解であり、フライトジャケットの原風景を堪能できる唯一の存在。男のロマンに浸るならば、これほど適任なプロダクツもそうないだろう。
1.TYPE A-2 REAL McCOY MFG. CO.
A-1の後継として1931年に制式化され、累計20万着もの生産記録が残る「史上最も大量生産された」レザージャケット。リアルマッコイズが正規コントラクターだったらというユニークでリアリティのある設定のもと、最高峰の技術を集約して製作。26万4000円
2.TYPE G-1 REAL McCOY MFG. CO./55J14
M-422AやAN-J-3Aの後継型として1947年 に登場した海軍のフライトジャケット。表情 豊かなシボが入るゴートスキン、襟には贅沢なムートンボアを使用。 曲線を多用したカッティングパターンからは 色気を感じずにいられない。30万8000円
3.TYPE B-6 REAL McCOY MFG. CO.(右)/4.TYPE B-3 REAL McCOY MFG. CO.
(右)1939年から1941年まで製造されたボマージャケット。運動性を高めるためB-3よりも細身にシェイプされ、背面にアクションプリーツも新設。本モデルでは、オリジナルよりもムートンを長めに設定し、さらなる防寒性を確保した。50万6000円
(左)通称ボマージャケットと呼ばれるB-3には、当時最も防寒性に優れ、大量生産可能なシープシアリングテクノロジーが採用された。本モデルは、1941年に発注された大戦中期のアーカイブを忠実に再現。55万円
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Photo/Yoshika Amino Text/Shuhei Takano
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