天神ワークスの新プロジェクト、最終章! 堂々完成

「レザーエイジング」というカテゴリーを世に知らしめ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの天神ワークス。その天神ワークスの代表・髙木さんと本誌モヒカン小川がタッグを組み、「オイルドキップレザーの可能性を広げるプロジェクト」を立ち上げ、ライトニングでも数回にわたり紹介してきたのはご存知の通り。で今回、遂に完成したのだ! オイルドキップを使って、往年の英国フィールドジャケットを再現するというテーマで今まで開発を続けてきたが、どうよ、この完成度! まさに「想像の上を行く」仕上がりとなった。さらにオイルを足したオイルドキップの表面にバフ掛けをして、コーデュロイの襟もレザーで再現した意欲作。マジでおすすめです!

これまでのあらすじ。

ライトニング2024年3月号より紹介してきた、この天神ワークスのプロジェクト。英国系をベースにすると決まってからも、試行錯誤を繰り返しながら作り上げてきた。ここでは、今までの流れをちょっとおさらいする。

ベースに選んだのは、誰もが知る王道の英国系フィールドジャケット。オイルドコットンの独特な風合いをいかにレザーで表現するか、がキモなのです。

英国系ジャケットをベースにすると決めてから、その商品開発の方向性を話し合っていく。どこまで再現するのか、どこまで実現可能なのか。プロジェクトの骨子を決めていく。

髙木さんとモヒカン小川で、革を製作するタンナー・栃木レザーにお邪魔してディスカッション。いろんな方法を試して、使用する革を作り上げていく。みな真剣な表情だ。

オイルドコットンの表情に近づけるために、まず革の銀面を擦り、オイルを足し、タイコで空打ちして質感を作り上げていく。熱を加える「アイロン掛け」もいろいろ試した。

革が完成したら、次はパターン。シーチングという生地を使って「トワル」と呼ばれる仮組みを作り、ポケット位置などの細部を詰めていく。商品の見た目を決める重要な工程だ。

天神ワークス×モヒカン小川のMODALE、爆誕!

OLIVE
BLACK

レザーでありながら、オイルドコットンみたいな質感でしょ? これは従来のオイルドキップレザーの表面の銀面を擦り、さらにオイルをより足すというひと手間を加えることによりうまれる質感なのだ。革になることで耐久性も上がり、エイジングも楽しめる。こちらは天神ワークスの特設サイトで6月1日〜7月15日まで期間限定受注を受け付ける。お値段は25万3000円で、納期は約半年。オーダーした方には、天神ワークスオリジナルのメンテグッズのほか、MODALEのタグの刻印を押されたナカタハンガー製のオリジナルハンガーをプレゼント!

OLIVEはサンプルにつき、本生産の襟カラーはブラウンになります。

ディテールもチェック!

タグには荒々しい牛が刻まれる。よく見ると牛の頭が金髪モヒカンに(笑)。モヒカン小川とのコラボを感じさせる細やかな遊び心だ(笑)。

ヴィンテージの雰囲気を演出するシャドーチェックライニングを採用。細部にも手は抜かない。

ボタンはオリジナルラッカーボタンを採用。使い込むほどに表面が擦れて風合が出る。

チンストラップはスナップボタンで着脱可能。これによりすっきりした首元を実現可能。

インナーリブもレザー。シャーリングと呼ばれ、ひとつひとつ細かなステッチを入れる。

サイドはスナップボタンで割れるスプリット仕様に。コーデの幅も広がるはずだ。

 

フロントはダブルジップ仕様。バイクに乗る人などには便利な機能と言える。

襟のコーディロイもレザーで再現している。パワーネットと呼ばれる伸縮性のあるネットを伸ばし、その上に革を置いてステッチを縫っていく。非常に手の込んだ仕様。

Modale コーディネイトサンプル。

天神ワークスが新たに生み出したMODALEは、いろんなコーデにハマるのが特徴と言える。ここでは、本誌モヒカン小川と天神ワークス代表髙木さんに、MODALEのおすすめコーデを披露してもらった。
ワイルドに決めるもよし、スーツに合わせてビジネスシーンで着用するのもアリ。とにかく汎用性が高いのだ。あらゆるシーンでマッチするMODALE、あなたならどう着こなす?

American Casual Style

普段から革ジャンの下にはTシャツ、そしてデニムとエンジニアと、いつも変わり映えのしないモヒカン小川のコーデに、MODALEのオリーブを合わせてみた。これはこれでしっくりくる感じ。MODALEはTシャツにも似合うのだ。

UK Rock Style

アメリカンスタイルのコーデと全く変わらないのだが、MODALEをブラックに変えるだけで、俄然ロックな雰囲気を醸し出している。モヒカン小川が着用しているのは、ブラック・オリーブともに38。このサイズ感を是非参考にしていただきたい。

Trad Style

英国紳士のような、スーツと合わせてみた髙木さん。でもそこは天神ワークス代表。スーツもレザーで決めてみた。大人の雰囲気が漂って、いい感じ。ビジネスマンの方も、普段のスーツに合わせてみるのもアリかもしれない。

Classic Style

MODALEは太めのパンツにもよく似合う。タートルネックとストールを合わせ、オシャレに決めるのもおすすめ。こういうコーデの場合はオリーブよりもブラックの方がしっくりくる。この汎用性の高さがMODALEのウリなのだ。

Sports Mix Style

スウェットパンツにスウェットシャツを合わせ、王道のスポーツスタイルにMODALEを合わせてみた。英国系だから合わないのでは……という心配をよそに、すごく馴染んでいるのがわかる。カジュアルに羽織れるのも魅力だ。

’70s Hippie Style

ヒッピーたちに愛されたフレアデニムを合わせ、インナーにはデニムジャケットをイン。使い古されたようなMODALEのオリーブが、1970年代を感じさせる。若い人がMODALEでいろんなコーデに挑戦するのもいいかも!

【DATA】
天神ワークス
TEL03-3870-8658
https://tenjinworks.com/pages/modale

(出典/「Lightning 2024年7月号 Vol.363」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...