「フルクリップ事業部」マネージャー兼プロダクトプランナー・平垣亨さん
フルクリップのマネージャー兼プロダクトプランナー。アメリカのミリタリーに関しても精通しており、その独自のコネクションで希少な生地を取り扱う。釣りやMTBの他に筋トレも趣味にしている。Instagram@fullclip2011
アウトドアライフを送る中で、「あったら便利」を作り出す。
徹底したメイドインジャパンのクオリティに、秀逸なレイアウト、そして日本では滅多に流通しない貴重なミルスペックなどの最先端ファブリックを組み合わせたバッグブランドであるフルクリップ。
ディレクターを務める平垣さんは、フィッシングやエクストリームスポーツなどの外遊びを実践するアクティブなライフスタイルを送っている。そんな生活の中で必要となったバッグをモノ作りのスタートにしている。
「フルクリップの母体は、様々な人気ブランドのOEMを手掛けるメーカーなんです。そこで得たノウハウや高い技術を落とし込んだバッグブランドなのですが、基本的には流行りのデザインを作るのではなく、私を始めとしたスタッフが必要とする機能美を落とし込んだものを展開しています。
私はフィッシングを始め、エクストリームスポーツの他にワークアウトもしているので、そんなライフスタイルを過ごす中で、こんなディテールがあったら便利だなと思って、試作することがほとんどです。運ぶものをジャストサイズで入れたい性分なので、定番のルアーケースに寸法を合わせるなんてこともあります(笑)。
あとはなんと言ってもミルスペックで使っている特殊な生地やパーツを使って、とにかくタフで使い勝手の良いものを作ることですね。うちは特殊なルートを使って生地を輸入しているので、国内ではほとんど出回らないものが多いんです」
セルフビルドしたオリジナリティ溢れるカスタムインテリア!
平野さんの愛車は、2021年製のトヨタ・ハイエーススーパーGL。イベントに出店する際に、荷物を運ぶことが多く、プライベートでも自転車などを積むため、積載力のあるハイエースに決めたそう。
愛用のロッドを掛けているのは、平垣さんのセルフビルドによるもの。イレクターのパーツをカスタムしたというから驚き。マックスで10本ほど掛けられるように設計したそうだ。
一度内張りを剥がして、米軍のミルスペックでも使われているコーデュラナイロン1000デニールのマルチカムブラックに張り替えている。耐摩耗性に極めて優れており、見た目だけでなく実用性もピカイチ。
ハイエースの飛び出し防止バーには、マルチカムブラックのロールバーパッド。ティッシュケースやグリップパッドとともにサンプルとして作った。そろそろ商品化するそうだ。
ご覧のようにロッドを収納したバーの下に自転車を固定するためのバーを追加している。これも市販品ではなく、平垣さんが設計して、自身で制作したもの。車体同士がぶつからず、安全に運べる。
なんと自転車はタイヤを外すことなく、3台並べて収納できるというから驚き。自転車は上部のバーを利用して、ハンドルを吊るような仕組みで固定している。これも平垣さんのオリジナル。
自身で組み立てた理想とする大人の遊びバイク。
パークに入ると周りの20代に負けず劣らずの機敏な動きで、次々とトリックを繰り出していく平垣さん。怪我の影響もあって、久々のパークとなったが、ブランクを感じさせない動きであった。
パークでは必ずヘルメットやプロテクターを身につけるのがルール。道具がまとめて入る大型のバックパックもフルクリップ。座っているのはボタナイズのフォルダーチェア。
果敢にもランプに挑戦する平垣さん。抜群の運動神経で50代とは思えないパワフルな動きを披露。MTBをBMXにカスタムした愛車のため、よりダイナミックに感じられた。
CANYON 720
ダウンヒル向けに作られた2019年のキャニオンのフレームを自身でフルカスタム。フロントフォークに可変式のロックショックスを用いることで、1台でオールマイティに使える。シマノのディオーレ11スピードを加工して取り付けた。ヤナギヤのバルブキャップは宝物のひとつだ。
NS BIKE DACADE
2020年モデル。本来は26インチのMTBであるが、フロントフォークにロックショックスの希少なパイクDJを採用し、ジャイロシステムを加工して取り付けることでBMXを同じ構造にしている。そのためBMXのトリックをすることが可能となっている。すべてセルフビルドした。
STOLEN CHERRY
2015年モデル。ちゃんとしたBMXを組もうと思い、パーツにこだわった1台。希少な450のスプロケットとステムに加えて、プロファイルのクランクやハブなどを装着。フラットランドもストリートもできるマルチな仕様になっており、外遊びには欠かすことのできない相棒となっている。
海と川でバッグを使い分けると効率的!
自転車で遊び終わったタイミングで、潮が満ちてきたのでそのまま海釣りに。自転車で移動すれば、様々なポイントを攻めれるので、1台積んでおくと便利だとか。この日はシーバス狙いの装備。
フルクリップのサベージという釣り向けのバッグは、サイドにロッドを固定することができるので、そのまま自転車に乗れるというすぐれものなのだ。
この日は東京湾でシーバスを狙ったため、専用のルアーや仕掛けなどが入ったコヨーテブラウンカラーのサベージを愛用。マルチカモのバッグは、トラウト用のルアーなどを収納しており、わざわざ入れ替える必要がないように工夫。サベージ1万8700円
アングラーたちの定番である明邦科学のルアーケースのサイズに合わせているので、シンデレラフィットで収納する音ができる。また頻繁に使う外ポケットもルアーケースの寸法に合わせているのがポイント。釣りに特化した機能バッグなのだ。
機能美溢れるバッグ類は、ミルスペック級の耐久性を誇る。
INNER HATCH 1.3
アウトドアでもぴったりなフロッグスキンカモの8号帆布で作ったフォールディングボックス。小型タックルボックス類やフック、シンカーのパッケージなどの小物類の整理収納するために製作。内側のパネルには丈夫な1.5㎜厚ポリプロピレン樹脂。4290円
INNER HATCH 2.8
上記のフォールディングボックスと合わせてフロッグスキンカモをチョイス。簡単に折り畳めるセミハードタイプのケースで、小型タックルボックスに対応。平垣さんは、ランチボックスとして使っており、愛用のシェーカーがぴったりと入る。5280円
INNER HATCH 9.2
簡単に折り畳めるハードタイプのギアボックスとして人気のアイテム。その理由は自由な拡張性にある。本体の周囲に付いている25㎜レールテープには、目的に応じて様々なアクセサリー類を装着することができる。平垣さんの場合が釣りに特化している。本体1万2100円(装着したアクセサリーは別売り)
SQUARE MAG 21H
アングラー定番のルアーケースVS-3010 NSが、すっぽりと2つ入るサイズで作られたコーデュラナイロンのマルチポーチ。もデイリーユースも可能で、背面にはバッグなどに取り付けられるアタッチメントテープとカラビナ対応のテープループが付いている。別売りのショルダーストラップも装着可能。4730円
NET COVER
ミルスペックでも使われているコーデュラナイロンのマルチカムを使った、なんともクールなネットカバー。これは平垣さんが愛用する釣り用の網のカバーが欲しかったことから、サンプルとして作り、テストを重ねて商品化したというストーリー。4730円
【問い合わせ】
株式会社アド
TEL048-959-9555
https://fullclip.shop
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2023年6月号 Vol.350」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/S.Sawada 澤田聖司
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