伊藤昌徳さん
東京で人材ビジネスの仕事をしていたが、5年ほど前に富山に移住。家’sを起ち上げ東京と富山を2拠点に活動をしている。
代々受け継がれたものをこれらの時代に引き継ぐには。
富山県氷見市。戦争で焼けずに残っている大きな家がたくさんある。しかし高齢化が進んだこともあり空き家も所々にあるという。家は壊され、家財道具はどんどん捨てられる。時代を重ねてきた箪笥は確かにボロボロだ。しかしいい素材を使って腕のいい職人が作ったものがゴミになっている状況を見て伊藤昌徳さんは、これらの箪笥に新しい価値をつけて再び使ってもらえるようなシステムを作ろうと考えた。
「建築家やデザイナー、アーティストとコラボして和箪笥をアート作品に作り替えたら、新しい価値が生まれると思ったんです。まったくコネはなかったので、100社くらいあたりましたね」
箪笥の天板をカットしてアクリル板にしたり、箪笥そのものをキャンパスにアーティストに絵を描いてもらったりと、固定概念にとらわれないチャレンジをスタートさせた。最初は企業向けに提案していたのだが、コロナ禍で販売が難しくなった。そこで箪笥を定額(1カ月単位)で貸し出すサービスを思いつく。いわゆるアップサイクル家具のサブスクだ。
「例えば季節ごとに家具を入れ替えたり、社員が出社したくなる空間作りもできますよね」
今後は海外も視野に入れ活動していく予定だ。また木彫りの熊をアーティストとコラボしたプロジェクトもスタート。ユニークな試みにこれからも注目。
世界から集めたユーズド品も扱っているんです。
家財整理のときには箪笥の他にも様々なものが出てくる。それを少しアレンジしたり、そのままでもディスプレイをちゃんとしてあげれば、ゴミも素敵なインテリアになるのだ。
雑貨などは海外から買い付けているものも多い。
倉庫の古壁の雰囲気とここにディスプレイされているインテリアの雰囲気がぴったり。実際にショールームに来て、この世界観をぜひ体験して欲しい。
【DATA】
家’s ( yes)
富山県氷見市朝日本町12-22 みなとがわ倉庫内
営業/9:00~ 21:00(完全予約制)
https://www.yestoyama.com
(出典/「Lightning2022年8月号 Vol.340」)
Text/M.Matsumoto 松本めぐみ Photo/A.Osaki 大崎晶子
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