【摂氏10度〜30度】ライトゾーン
TYPE A-1
フライトジャケットの元祖として知られているA-1。1920年代に登場し、フロントはボタン留め、ニットリブの首元など特徴的なディテールを持つ。
【おすすめ①】BILTBUCK Lot.623 Lambskin A-1 Jacket
一般的に流通するラムスキンよりも0.5㎜ほど厚めの希少なシックラムを使用したプリミティブなミリタリージャケット。ソフトな肌触りとタフさが魅力。20万6800円(アトラクションズ TEL03-3408-0036)
TYPE A-2
米陸軍航空隊のパイロット達の飛行服として、1930年代に登場したレザーフライトジャケット。のちにコットン、ナイロンへとメインのマテリアルが移行してもなお、飛行兵たちに愛されたジャケットだ。納入業者によって、素材やディテールなどの微細な相違もA-2の歴史を紐解く上で重要なカギとなる。
【おすすめ②】BUZZ RICKSON’S TYPE A-2 BUZZ RICKSON MFG.CO.
コントラクターのひとつであるJ.A.デュボウ社が手掛けた1941年12月契約のモデルを忠実に再現。タンニン鞣しされた後に手作業にて色むらを表現した。16万2800円(東洋エンタープライズ TEL03-3632-2321)
【おすすめ③】THE REAL McCOY’S TYPE A-2 ROUGH WEAR CLOTHING CO.
台襟付きのやや大きめの襟形が特徴のラフウエア社が手掛けたA-2。フロントファスナーには登場した1940年代と同じベル型タロンジッパーを採用している。22万円(ザ・リアルマッコイズ東京 TEL03-6427-4300)
TYPE L-2
夏季用飛行服として登場したA-2フライトジャケットの後継として1940年代に開発された軽量かつ機動力に長けたナイロン製のジャケットだ。
【おすすめ④】AVIREX L-2B COMMERCIAL MODEL
モデル名はL-2Bながら、米陸軍航空隊から米空軍へと独立した際に、シンボルカラーであるエアフォースブルーを用いて作られたL-2Aのような佇まい。2万1780円(アヴィレックス 新宿 TEL03-5367-2013)
【摂氏−10度〜10度】インターメディエイトゾーン
TYPE B-10 / TYPE B-15X
中間域の気温とされるインターメディエイトゾーンで着用するフライトジャケットには、防寒性と機動性を兼ね備えたほどよいバランスが求められた。その初期モデルとして登場したのがシープムートンで作られたB-6。その後、皮革不足の問題からコットン、ナイロンへと変遷していくこととなる。
【おすすめ⑤】HOUSTON B-15B
アウトシェルに光沢のあるヘビーツイルナイロンを採用し、首元にはムートンボアの襟を装備。レザーのオキシジェンタブや黒タグなど実物を忠実に再現。4万3780円(ユニオンネットストア TEL 048-643-5110)
【おすすめ⑥】PHERROW’S B-15A (MOD)
改良を加えられながら進化するB-15シリーズ。最終的には当初付けられていた襟ボアが省略されるが、テストサンプルとして作られたモディファイドモデルを再現。6万500円(フェローズ TEL03-5725-9577)
TYPE MA-1
1950年代に登場し、ナイロンフライトジャケットの完成形とも言えるMA-1。歴代のジャケットの中でもっとも長く制式採用されてきたモデルで、日本でも1980年代に一世を風靡し、ミリタリーファッションの代名詞的アイテムとしても知られている。ただ一見、変わらなそうなモデルでも、最終形に行き着くまでに幾度となく仕様変更がなされ、その細かなディテールの違いがMA-1の魅力でもある。
【おすすめ⑦】ALPHA INDUSTRIES TYPE MA-1 FULL PTACHED
コントラクターとして活躍していたアルファ社。ヴィンテージアーカイブからカスタムモデルをベースに大小13個のワッペンがインパクト大。2万6180円(アルファ インダストリーズ[エドウイン]TEL0120-008-503)
【おすすめ⑧】TEDMAN LEATHER MA-1
柔らかく、しなやかなラムレザーを使用したMA-1。お馴染みテッドマンのグラフィックがフロント、バックともに大胆に刺繍で入れられたキャッチーな1着。6万6000円(エフ商会 TEL03-5383-0003)
【摂氏−30度〜−10度】ヘビーゾーン
TYPE B-3
極寒の地、さらには高高度を飛ぶ任務を司る彼らの身を厳しい寒さから守るには、防寒具は必要最低限の装備。気温が極端に低い寒冷地用のパイロットたちに支給されたのがヘビーゾーンフライトジャケットだ。その歴史は1930年代に始まり、当初はシープスキンを使用したボアジャケットが始まりだった。
【おすすめ⑨】THE REAL McCOY’S TYPE B-3 REAL McCOY MFG.CO.
希少種であるサウスアフリカンメリノシープスキンを贅沢に使用したB-3。フロントファスナーにはヴィンテージ同様、タロン社のベル型ジッパーを採用。38万5000円(ザ・リアルマッコイズ東京 TEL03-6427-4300)
TYPE B-7
米陸軍航空隊がアラスカなどの極寒冷地での着用を目的として開発されたフード付きのベリーヘビーゾン用フライトジャケット。別名アラスカン・スーツと呼ばれるB-7は耐久性の問題から約1年という短命に終わった。
【おすすめ⑩】MORGAN MEMPHIS BELLE TYPE B-7
オーストラリア産高級シープスキンを使用して、襟にはコヨーテファーを装備。毛足は約15㎜で抜群の保温性の高さを誇り厳冬期の強い味方となってくれる。12万9800円(中田商店 アメ横店 TEL03-3831-5154)
TYPE B-9 / B-11
極寒冷地用として開発されたB-7がシープスキンの耐久性の低さと物資統制により登場後1年でフェイドアウト。代わりに後継として登場したのがB-9とB-11だ。一見、同一モデルのように見えて個性的な作りがグッド。
【おすすめ⑪】TROPHY CLOTHING TYPE B-9
米海軍のN-1デッキジャケットにも使用される細畝のミリタリーコードレーンをメインマテリアルに使用したB-9。ライニングにはキルトダウンを装備。9 万7900円(トロフィージェネラルストア TEL03-6805-1348)
【おすすめ⑫】THE REAL McCOY’S TYPE B-11 REAL McCOY MFG.CO.
目の詰まったコットン製のアウトシェルにアルパカ・ウールのライニング、さらにフード周りと内側にはムートンを配することで、抜群の保温性能を誇る。15万4000円(ザ・リアルマッコイズ東京 TEL03-6427-4300)
TYPE N-2B
1950年代初期に登場し、1980年代まで正式採用されたヘビーゾーン用のN-2Bは、腰上までのショートレングスが特徴的なジャケットで、ナイロンシェルに肉厚なインサレーションを搭載し、フード回りにファーを装備する。年代によってコヨーテファー、アクリルファーなどの仕様変更も存在する。
【おすすめ⑬】ALPHA INDUSTRIES TYPE N-2B
パイロットの操縦の妨げとならないようショート丈でデザインされたN-2B。首の上まで開閉が可能なフロントファスナーとフードが印象的。2万8380円(アルファ インダストリーズ[エドウイン]TEL0120-008-503)
TYPE N-3B
N-3Bは極寒冷地で使命に勤しむ地上兵士のためにデザインされた膝丈ほどのロングレングス仕様。フロントにはハンドウォーマーポケットを装備し、内リブ仕様、さらにはグローブをしたままでも着脱可能なボタンなど、保温性もさることながら機能的で使いやすさから長年、制式採用されてきた証拠だ。
【おすすめ⑭】AVIREX TYPE N-3B VINTAGE MODEL
N-3Aの改良型「SPEC.MIL-J-6279D」を再現したヴィンテージモデル。ウールリブに尿素ボタン、スコービル社のスナップボタンを採用するなど細かなディテールにこだわった。9万6800円(アヴィレックス 新宿 TEL03-5367-2013)
TYPE G-1
米海軍航空隊が1940年代に制式採用したボア襟つき、ゴートスキンをメインマテリアルに作られてきたG-1。前身であるM-422型を含めて、年代を追うごとに多少のスペック変更こそあるものの、大きな変更はないままフライトジャケット史上もっとも長く製造され、パイロットたちから多くの信頼を得てきたジャケットに異論ない。そのため、フライトジャケットファンのみならず、細かなディテールの変遷などを楽しむ偏愛アイテムとしてもヴィンテージの個体も含め、世界で愛され続けている銘品だ。
【おすすめ⑮】BUZZ RICKSON’S TYPE G-1 MIL-J-7823
G-1の完成形と呼ぶにふさわしいスペックであるMIL-J-7823を再現。1976年に1度、採用中止となるもパイロットたちの強い要望から1984年に再び制式採用となった名モデル。13万900 円( 東洋エンタープライズ TEL03-3632-2321)
ここで紹介したのはごく一部。40種以上の今季新作を掲載した「Lightning 2020年12月号 Vol.320」をチェックしてみてほしい。
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(出典/「Lightning 2020年12月号 Vol.320」)
Text/A.Shirasawa 白澤亜動 Photo/N.Suzuki 鈴木規仁 Styling/T.Nakajima 中島貴大
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