キャロルシェルビーが関わった、ACコブラともうひとつのV8搭載英国車。

軽量なイギリス製のロードスターにアメリカ製のV8エンジンを搭載したモデルというと、真っ先に思い浮かべるのがACコブラだろう。そんなコブラ誕生に関わったキャロル・シェルビーが、もう一台プロデュースしていたV8搭載の英国車が、このサンビーム・タイガーなのだ。

▼ACコブラについてはこちらの記事をチェック!

1962~’67年の短命だったACコブラを復元した、カーカム社の「コブラ289」に注目!

1962~’67年の短命だったACコブラを復元した、カーカム社の「コブラ289」に注目!

2023年02月21日

フォードのV8を積んだ1965 SUNBEAM TIGER(サンビーム/タイガー)

当時イギリスのルーツグループに属していたサンビームのアルパインというロードスターにフォード製260ciV8を搭載。トランスミッションは4速マニュアルで、軽快なハンドリングとパフォーマンスから、多くのクルマがコブラ同様レースで活躍したのだ。

シンプルかつ軽量なオープンボディをベースに、当時のレース仕様をお手本に、バンパーレス化&ショートシールド化し、サーキット仕様にモディファイしてある。タイガーは’64年から’67年までに約7000台が製造されたが、サーキットなどで使用されているケースが多く、現存台数はかなり少ない。このクルマは日本国内では数少ない動態保存された個体だ

撮影車両は、オリジナルの’65年式をベースに、当時アメリカでレースをしていたレースカーをモチーフに、オーナーの手によってバンパーレス化やショートスクリーン化などのモディファイが施されている。足回りもHDショックやスタビライザーなどが装着され、今でも年に数回のサーキット走行を楽しんでいるという、走って楽しい仕様となっているのだとか。

ショートスクリーンは、元々MG用だったものを譲り受けたもの。ボディのカーブ形状がピッタリだったため、ほとんど加工することなく装着できたそうだ。
ステアリングはモトリタのウッドで、珍しいスロットタイプ。ダッシュにはメーターやスイッチ類が整然と並ぶ。ウインドシールドへの反射 を嫌ってか、ダッシュはブラックとなる
ミッションは当時のハイパフォーマンスカーが好んでチョイスしたフォード製トップローダー4速マニュアル。シフトノブの下にあるトリガ ーを引くとリバースロックが解除される仕組み
ボディサイドのレタリングは実際にアメリカにあるショップ名をスポンサー風に描いている。ショートスクリーン化することで全高が驚くほど低く見える
ホイールはオーナーの好みでミニライトへと交換されている。前後共に15インチのリム幅6.5インチで、街乗りではフロント195/50、リアに205/50を履く
フロントフード先端の前にSUNBEAMのロゴが入る。ラジエターグリル中央に横に伸びるクロームのグリルバーに装着されるエンブレムも SUNBEAMの紋章をかたどったもの
フロントグリルにはエアスクープが備わる。オリジナルではないが、当時のレース車両にはキャブレターにフレッシュエアを導入するスクープが好んで装着された
色褪せてだいぶ見づらくなってきているが、ボンネット内に残るコーションプレートが残る。その下には各部の諸元やメンテナンスデータが記載されている
ローバックのバケットシートに4点 のシートベルトが備わる他、運転席のみ頭部を保護するためのロールバーが備わる
テールフィンのよ うに真っ直ぐに伸びたリアフェンダ ー後端に備わる ールライトは、レッド一色ではなく、アンバー/レッドのコンビネーションとなる
サイドモールの途中に“Tiger” の文字が入るスタイリッシュなデザイン。その下にはフォード製V8が搭載されたモデルであることを表すエンブレムが備わる
エンジンはフォード製260ci(約42 00㏄)のV8が搭載される。可能な限りフロントミッドシップに搭載されていることが判る
フロント、リア共にバンパーを外し、サーキット 走行に必要な牽引フックを備えている。シート後 方にはソフトトップなどが収まるスペースがある が、トノカバーで覆われている

取材車のスペックを紹介!

SUNBEAM/TIGER

  • エンジン:水冷4ストロークV型8気筒
  • 総排気量:4264㏄(260ci)
  • 最高出力:164hp/4400rpm
  • 最大トルク:350Nm/2200rpm
  • トランスミッション:トップローダー4速マニュアル
  • カラー: レッド
  • ホイール:ミニライト6.5J-15(フロント/リア)
  • タイヤサイズ:195/50-15(フロント),205/50-15(リア)

(出典/「別冊Lightning Vol.165 VINTAGE CARS」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4人が集結! EDWINと考えるトラッド学

  • 2026.09.15

本誌でも何度も紹介してきたEDWINのコンセプトショップ限定アイテムは、普遍的なデザインとそのクオリティの高さから2ndが理想とするトラッドスタイルともばっちりハマる。今回は初の試みとして、2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4名で“EDWINで作るトラッド”を考えてみた。 20代らしくアクティ...

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...

Pick Up おすすめ記事

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4人が集結! EDWINと考えるトラッド学

  • 2026.09.15

本誌でも何度も紹介してきたEDWINのコンセプトショップ限定アイテムは、普遍的なデザインとそのクオリティの高さから2ndが理想とするトラッドスタイルともばっちりハマる。今回は初の試みとして、2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4名で“EDWINで作るトラッド”を考えてみた。 20代らしくアクティ...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。