だがしかし、ブーツと言ってもサイドゴアのようなドレス顔のブーツから、ロング丈のエンジニアブーツ、個性の光るウエスタンブーツなど種類もさまざま。どんなコーデがカッコよく決まるのか悩んでいる人も多いはず。「ロングブーツの裾はどうすればいいの?」そんなお悩みを持っている人もいることだろう。
そこで今回は、こだわりを持つアメリカンクロージング好きの面々のコーデと愛用ブーツをチェック。こなれた人ほど、足元に強いこだわりを持っているもの。愛用ブーツとともにその着こなしもぜひ参考にしてみてほしい。2023年の最新スナップでお届けする。
▼ブーツの種類についてはこちらの記事でチェック。
1.本格的なライディングブーツを日常使い。「Lewis Leathers Tokyo」安田慶太さん|愛用ブーツ:Lewis Leathers(ルイスレザーズ)
ルイスレザーズのフラッグシップストアのスタッフを務める安田さんは、いいエイジングをした同社のライダースジャケットに、ベルト使いが際立つ人気のモーターウェイブーツを着用。本格的なライディングブーツでありながらも、デイリーユースしている好例だ。
2.40代が真似したい上品なモノトーンコーデ。「LEATHER&SILVER MOTO」福島久さん|愛用ブーツ:MOTOR(モーター)
無骨なスタイルが板についているショップスタッフの福島さんは、イタリアンホースフロントを使ったモーターのサービスブーツを着用していた。ホースハイドならではの光沢感と細身のラストがマッチしており、コーデュロイのセットアップと見事に調和していた。
3.サービスブーツが主役のクラシカルな上級者コーデ。「LAWFORD」竹重和俊さん|愛用ブーツ:LAWFORD(ロウフォード)
2020年よりスタートした注目ブランドであるロウフォードのデザイナーを務める竹重さんをクローズアップ。自身が手掛けたサービスブーツは、ワークとドレスが混在した時代へのオマージュを表現。上品なカーフスキンでシャープなラストが引き立っている。
4.デニムオンデニムをジョッパーブーツで上品に。「BerBerJin」藤原裕さん|愛用ブーツ:CLINCH(クリンチ)
親交のあるブラスの松浦さんが作るクリンチのジョッパーブーツを愛用する藤原さん。幅広な足型だと自認するが、ビスポーク並みにフィッティングを調整してもらったスペシャル仕様のため、まったく疲れないそう。シャープなラストが、デニムオンデニムコーデを非常に上品な印象に仕上げてくれている。
5.アースカラーでまとめたカラーリング術に注目!「WOLFMAN BARBER SHOP」曽原猛さん|愛用ブーツ:GLAD HAND(グラッド ハンド)
神宮前に新店舗をオープンしたばかりのウルフマンバーバーショップの曽原さんは、グラッド ハンドのオールアメリカンブーツを愛用している。グルーヴィンハイのセットアップはブラウンダックで、全体をアースカラーでまとめたカラーリング術にも注目したい。
6.王道だけにヴィンテージにこだわる。「WAREHOUSE&CO TOKYO」浅井耕太郎さん|愛用ブーツ:RED WING(レッドウィング)
ウエアハウス東京店の名物店長である浅井さんは、レッドウィングの定番ブーツを使った王道アメカジコーデ。よく見るとわかるように、スクエアステッチの補強が入ったヴィンテージで、製造年と月が自身の誕生日とまったく同じというから驚き。このこだわりは見習いたいものだ。
7.赤のドクターマーチンがアクセントに。「BerBerJin」朝日眞斗さん|愛用ブーツ:Dr. Martens(ドクターマーチン)
名店ベルベルジンの若手スタッフである朝日さんは、UK的なカルチャーを感じさせるスタリングが好印象。通なヴィンテージのB15C MODをメインにして、足元にはアクセントとなる赤のドクターマーチンをセレクト。シド・ヴィシャスも愛用していた10ホールを履く。
8.プルオンタイプは実用性も兼ねたチョイス。「WOLFMAN BARBER JINGUMAE」吉田稀音さん|愛用ブーツ:Blundstone(ブランドストーン)
人気バーバーであるウルフマンバーバーショップ神宮前のショップマネージャーを務める吉田さんは、’50s的なスタイリングに、あえてオーストラリアのワークブーツをチョイス。仕事柄、足に髪の毛が入りやすいので、プルオンタイプは実用性を兼ねていると納得の理由である。
9.トライアンフにマッチするバイカーコーデ。「Fakeα」澤田一誠さん|愛用ブーツ:Lewis Leathers(ルイスレザーズ)
この日はツーリング帰りだった名物スタッフの澤田さんをピックアップ。そのためヴィンテージのライダースジャケットとレザーパンツを合わせ、足元は現行のルイスレザーズのモーターウェイブーツでスタイリング。ブーツインすることで、より硬派な印象に。
10.圧倒的なエイジングのエンジニア。「TROPHY CLOTHING」江川真樹さん|愛用ブーツ:TROPHY CLOTHING(トロフィークロージング)
ヴィンテージのインディアン乗りとしても有名なデザイナーの江川さんは、定番で展開しているアローエンジニアブーツで登場。プロトタイプとして作った最初期モデルで、ブラックカラーであったがエイジングによりブラウンにチェンジ。なんとも色気のある表情だ。色落ちしたデニムとの相性も抜群。ブラックを基調としたコーデは40代メンズにおすすめしたい。
11.バックルがさり気ないアクセントに!「Lewis Leathers Tokyo」池野優也さん|愛用ブーツ:Lewis Leathers(ルイスレザーズ)
ルイスレザーズの名物スタッフである池野さんは、’50年代のクラシックスタイルを踏襲したアトランティックブーツでコーディネート。エンジニアとはまた一味違ったシャープさがあり、ジーンズはもちろん、スラックスにも合わせられる優れもの。トップスは723メンフィスだ。
12.ウエスタンの理想的なコーディネイト。「Brass shoe co.」ムンさん|愛用ブーツ:「Clinch」
名店ブラスのクラフトマンであるムンさんは、オリジナルのウエスタンブーツを中心にしたコーディネート。ウエスタンブーツはコーディネートが難しいと敬遠しがちであるが、シンプルな装飾とブラックカラーを選べば、このようにスンナリとコーデできることを証明してくれた。
13.超レアなスーパーソールの最初期モデル!「BerBerJin Yuhodo」蒔田康介さん|愛用ブーツ:RED WING(レッドウィング)
ベルベルジン遊歩道のディレクターであり、業界注目の若手バイヤーである蒔田さん。この日はスペシャルな’50sのアニマルパターンのシャツに、レッド・ウィングの名作スーパーソールの最初期モデルをチョイス。#206という品番で、アウトソールのパターンが特殊である。
14.ソックスで遊びを効かせたスタイリング。「WAREHOUSE & CO. TOKYO」田邊宗歩さん|愛用ブーツ:Clarks(クラークス)
ウエアハウスがWW2時代のデッドストックデニムを再現したオリジナルデニムのセットアップで登場した田邊さん。足元はトレンドになっている名作ワラビーをセレクト。さり気ないアクセントになったカモフラ柄のソックスはロトト。ジャケットは1年弱でこの色落ちだという。
15.ムラ感のあるハンドダイは存在感抜群。「MOTOIKE GALLERY」清宮圭介さん|愛用ブーツ:MOTOR(モーター)
モトの創業者である本池秀夫氏の作品やディレクションするモーターを購入することができる「本池ギャラリー」の清宮さんは、スペシャルなハンドダイのドレスエンジニアブーツを着用。ヴァンプが手染めのグリーンで、シャフトがブラウンという絶妙なカラーリングとなっている。素材感の異なるモノトーンコーデのさりげない差し色になっていて真似したいコーデだ。
16.シンプルゆえに汎用性の高いサービスシューズ。「Brass shoe co.」古賀倖太さん|愛用ブーツ:Clinch(クリンチ)
ブラスでアルチザンとして務める古賀さんは、オリジナルブランドであるクリンチのサービスシューズを着用。ミリタリーで実際に使われていたラストをベースにした独自の木型は履きやすく、シャープな印象もあるので、どんなコーディネイトにもマッチしてくれるのが心強い。
17.ワークスタイルに直球でハマる茶色ブーツ。「WOLFMAN BARBER SHOP JINGUMAE」荒井誠二さん|愛用ブーツ:THE GROOVIN HIGH(グルーヴィンハイ)
ベラフォンテのバギーデニムの穿きこなしが見事な荒井さんは、ウルフマンバーバーの期待の新人。ジーンズがワークウエアであった時代をうまくリファインしたジーンズには、同年代のテイストを持った茶芯のエンジニアブーツでコーデ。グルーヴィンハイの人気モデルである。
18.絶妙なワークカジュアルコーデ。「Brass shoe co.」上林竜太郎さん|愛用ブーツ:Clinch(クリンチ)
ブラスのクラフトマンである上林さんの見どころは、ワークとカジュアルの絶妙な組み合わせ。シンプルながらも存在感のあるブーツはクリンチのイエガーブーツ。ホースハイドを使った上品な雰囲気に、あえてエイジングされたヴィンテージのカバーオールやBBキャップを選択。
19.30代が取り入れたい爽やかミックスコーデ。「LARRY SMITH」中村一斗さん|愛用ブーツ:Crockett&Jones(クロケットアンドジョーンズ)
英国を代表する紳士靴ブランドの名作コニストンを履いているのは、ラリースミスのPRを手掛ける中村さん。自身でブラックにハンドダイしたそうで、その結果、茶芯のようなエイジングになっている。ネックレスとバッグはラリースミスで、爽やかなに合わせているのが好印象。
20.スキニーのブラックデニムにはサイドゴアがよく似合う!「BerBerJin」大賀智文さん|愛用ブーツ:’70s No Brand
日本を代表するヴィンテージショップであるベルベルジンのウェブスタッフである大賀さんは’70sのイングランド製サイドゴアブーツを愛用。ジャケットは’60年代シアーズでボトムスはリーバイスの511でうまく年代と国をミックスしているのがお見事。サイズ感も参考にしたい。
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参考になるコーデは見つかっただろうか? ブーツコーデの主役はやぱりブーツそのもの。どうブーツを引き立てるかも大事なところ。マスターしておきたい、ロールアップ術と手入れの仕方について下記記事で詳しく解説しているのでぜひご一読を!
(出典/「Lightning 2023年1月号 Vol.345」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/S.hmura 大村聡志
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