そこで、収納する前に必ずしておきたい、お手入れ、メンテナンス。そして、再び履く際にがっかりしないための収納法を紹介しよう。
何もしないことをエイジングとは呼ばない! ブーツのメンテナンスの基本。
メンズブーツのなかで、ワークブーツというものは新品のようにピカピカであることより、美しく経年変化したカッコよさが魅力である。オトコなら誰もが憧れるはずだろう。正しいメインテナンスを続けることで、アナタのブーツは深みを増しどんどんカッコよくなっていく。
【オイルドレザーの場合】
ワークブーツの多くに採用されているオイルドレザーの場合、たった4ステップで完了する。
- まずはブラシやクロスで汚れを落とす。
- オイルをクロスを使って薄く塗り込んでいく。
- 余分なオイルを乾拭きして取り除く。
- 十分乾燥させてから収納する。
▼写真で手順を見たい人はこちらをチェック。
▼クロスの巻き方はこちらの記事で解説してます!
【ラフアウトレザー(スエード)の場合】
すぐに汚れが目立つスエードは汚れを掻き出しつつ毛を起こすだけで見違えるほどきれいになる。気になったら挑戦してみよう。
- ナイロンブラシで汚れを掻き出す。
- 汚れがひどい部分はラバーバーで擦る。
- ブラッシングしてラバーのカスを落とす。
- 通気性のいい場所で保管する。
▼写真で手順を見たい人はこちらをチェック。
▼レッドウィングのクロスとブラシはブーツメンテに欠かせない!
ブーツ磨き(靴磨き)の頻度は年2回で十分! 押さえておきたいお手入れのポイント4つ。
ブーツの基本的な磨き方が分かったところで、ブーツメンテナンスのポイントを押さえておきたい。靴修理・カスタム店「BRASS(ブラス)」代表の松浦稔さんによれば、下記の4つのポイントが大事なんだそう。
- サイズの合ったブーツを選ばないと型崩れの原因に。
- ブーツ磨きは年2回ほどで充分。
- 紐を解かない横着な履き方はヒールの芯材を破壊する。
- レザーソールのすり減り防止にはハーフラバーを貼るのが◎。
意外にも、靴磨きや補修などのいわゆるメンテナンスは2項目にすぎず、それ以外は、履き方とサイズ選び。くたびれたのとはまったく異なる、ヴィンテージ感のあるブーツに育てるには、このポイントをお忘れなく。
ワークブーツに防水は必要?
外での労働も想定されて作られているワークブーツの多くは、雨の中の作業にも対応したレザーを採用している。例えば、レッドウイングのフルグレインレザーはオイルをたっぷりと含んでおり、水濡れにも強く、雨に降られてすぐに劣化するようなことはない。
しかし、現在ワークブーツとは言っても、ファッション性を求めることで、水に弱い素材を使用したいるものも増えている。さらに、雨に降られたあと放置すると、カビが発生したり、劣化したりと、ダメージを受けることもあるので、メンテナンスは必須と言える。ワークブーツで一般的な水に強いとされるオイルドレザーであっても、防水性があるわけではないので、プロテクトスプレーを施したほうがいいだろう。
【豆知識】防水性にも優れたグッドイヤーウェルテッド製法とは?
1849年にイギリスでチャールズ・グッドイヤーが開発した製法で、今も続く最もメジャーな製法のひとつで、ワークブーツからドレスシューズまで使われる。何度もソール交換が可能で、防水性にも優れ、履き心地も抜群だ。さらに防水性の高い製法として、アウトドアブーツに採用されているノルウィージャン製法というものがある。
ブーツのかかとの減り、ソールの交換の見極め方。
ブーツは頑丈。確かにそうだが、限度はもちろんある。特にソールやヒールはほかの靴同様に擦り減っていく。どうせオールソール交換するからと、ギリギリまで履いている人は要注意! 型崩れの原因になり、ブーツが履けなくなってしまうことも。
また製法によって、気を使うのも大切。ワークブーツから紳士靴まで定番のグッドイヤーウェルト製法であれば、何度もオールソール交換ができるが、ステッチダウン製法の場合は、少し事情が異なる。何度も繰り返すうちにステッチ穴が増えて革が切れてしまうので、オールソール交換が必要になるまで履きこまず、こまめにメインテナンスを行うのがベスト。グッドイヤーウェルト製法なら写真くらいがメンテのギリギリラインだ。
▼製法によって異なるメンテ目安は覚えておこう。
ブーツの収納は、「吊るす」か「差し込む」かの二択。
ブーツの型崩れしない収納方法といえば、ブーツ用シューツリーを使うことが基本だ。パーツが複数あったり、固定が難しかったりと、なかなか毎日使うのは骨が折れる……と考える人も多いだろう。だがしかし、使い勝手が最高に良く、しかも価格も良いというシューツリーを発見! 「ブリガ」から出ているシューツリーは、スライドして差し込み、出すときは引手を引っ張るだけ。
ライトニング編集部で最もブーツ(エンジニアばかり)を履く男(1年中足元はブーツ)、モヒカン小川もお気に入りなので、レコメンド記事もぜひお読みいただきたい。
▼詳しい使い方とレビューも読んでみよう。
そして、普段よく履くブーツであれば、シューツリーの出し入れも面倒……そんな方におすすめなのが、「吊るす」という選択。長期間ぶら下げておくのは乾燥やホコリもたまるのでおすすめしないが、頻繁に履くブーツなら吊るさない手はない。
こちらは「東京ハンガー」のブーツハンガー。かなり重たいワークブーツもしっかりとゴムがグリップして、落ちてこない優れもの。ぶら下げることで、玄関のスペースも確保でき、一石二鳥だ。
ブーツの色を染め替える方法も覚えておこう。
ブーツを長く履いていると、褪色してしまって色むらができたり左右で色が違うとか、「味」で片づけられない状態になることも。そんな時おすすめなのが染め替え。専用の染料とマスキングテープ、普段のシューケア用品があればだれでも簡単に挑戦できる。
しかし、ポイントを押さえておかないと失敗のもと。プロフェッショナルの技を盗んで、トライしてみてはいかがだろうか。下記記事に詳しく掲載しているので要チェックだ。
◆
さて、いかがでしたでしょうか? ブーツのメンテナンスと収納をきちんとすることで、一生モノのブーツが本当に一生モノになるはず。正しいブーツとの付き合い方をマスターして、ブーツラバーとして精進しよう!
▼合わせて読みたい!
(出典/「男のこだわりお手入れ術」「別冊Lightning vol.190 ブーツの教科書」)
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