2ページ目 - メガネの選び方は、生産国で違うデザインを知るところからスタートしよう!

【フランス製の歴史】メガネ産地のジュラで百年前に名作が生まれた。

フランスを代表するメガネに「クラウンパント」がある。日本では逆オニギリ型の玉型をボストンと呼ぶが、欧米ではパントと称される。そして王冠状に上部の角が立ったボストンがクラウンパントだ。

実はこの形は、フランスのメガネ産地であるジュラ地方で、20年代頃から製造されている。20年代から工房をかまえるレスカ家や、40年代に始動したマックス ピティオンが、この伝統的なデザインを継承している。

40年代中頃からは、物性が安定して着色が容易なプラスチックのセルロイド製メガネの需要が高まる。この頃に装飾用のべっ甲櫛が衰退しはじめてセルロイドへの代用が進み、腕の良い櫛職人はメガネ作りでその才能を発揮しはじめた。そんな背景があり、当時のフランスでは職人が自らの腕を誇示するかのように実験的デザインが数多く誕生。

なかでも「ガーゴイル」は、40年代を象徴する斬新なフォルムだ。また、フランスで活躍した建築家のル・コルビュジエは丸いメガネを好んで掛けており、自らがデザインして、パリのべっ甲を扱うメガネ店でオーダーメイドしていた。

彼が好んだ肉厚で大ぶりの丸メガネも定番となっている。現在、フランスではセルロイドの製造が禁止されているが、これらの名作は素材をアセテートに変えて、いまもつくられ続けられている。

【フランス製の代表作】伝統を継承したプラスチックフレーム。

クラウンパントやル・コルビュジエが愛した丸メガネなど、フランスには伝統を継承した名作プラスチックフレームが存在する。アメリカよりも個性的でクセが強いのが特徴だ。

1.フランス王道のクラウンパント「MAX PITTION/CROWN PANTO」。

1940年代からメガネを製造し、一時は休止をしていたブランドが復活。過去の図面からクラウンパントを再現した。日本製の高級感あふれるアセテートを使用し、当時と同じ真鍮の蝶番が味わい深い。7400(プライベートアイズアンドトラッカーズTEL070-1577-2666)

王冠のように上部のエッジを立てたクラウンパントは、1920年代からジュラ地方で作られている伝統的なデザイン。いまでは多くのブランドが採用する新定番に。

厚さ8mmのアセテートを削り出した重厚なフォルムは、伝統的なフレンチヴィンテージを踏襲したもの。しっとりとした光沢が美しく、カッティングも迫力がある。

2.ル・コルビジエが愛した肉厚な丸メガネ「Lesca LUNETIER/La corb’s」。

かつてル・コルビュジエがオーダーメイドでつくっていた丸メガネの金型を譲り受け、レスカ家が現代の技術で製造。丸みを持たせたパント型や立体的なブリッジなど個性的だが飽きのこない一本。41800(グローブスペックス エージェントTEL03-5459-8326)

ボリュームのあるアセテートを生かした、丸みを帯びたラウンドシェイプ。太いテンプルをしっかりと固定するため、フロントから三点鋲で留められているのもフレンチスタイルだ。

3.まるで仮面のように無骨な“ガーゴイル”「Lesca LUNETIER/ODET」。

垂れ目のレンズシェイプに、幅広のリムを合わせたインパクト大のスタイル。デッドストックのビンテージ生地を使用した「アップサイクリング」は美しき質感や色味を楽しめる数量限定シリーズ。68200(グローブスペックス エージェントTEL03-5459-8326)

マスクのように顔を覆う武骨なデザインは、1940年代頃のフレンチヴィンテージに多く見られたもの。怪物をかたどった彫刻に似ているため、ガーゴイルとも呼ばれている。

【フランス製の知っておきたい用語集】

ジュラ

スイスの国境に近いフランスのメガネ産地。メタルフレームの生産が盛んな「モレ」と、プラスチックフレーム製造を得意とする「オヨナ」という町がある。

ファットテンプル

Vintage7万7000円 (スピークイージー TEL03-6427-3268)

1940年代のフレンチヴィンテージに多く見られる、テンプルエンドまで太いデザイン。

芯なし

Vintage22万円(スピークイージーTEL03-6427-3268)

堅牢なセルロイド素材を使用したテンプルは、芯を入れなくても強度が保つことができる。芯がないほうがセルロイドの美しさが際立ち重宝されるため、ヴィンテージマニアの間では「芯なし?」と確認することもある。

○□メガネ

エックスアイティー4万9500円(トゥーランドットTEL06-6442-4060)

経済学者の成田悠輔氏が掛けているフロントが丸と四角のメガネは、フランスブランドのXITのものだ。ジェイエフレイというブランドには、類似の□◯メガネがある。

シルモ

1967年にはじまったフランスのメガネ展示会。欧州最大級の規模で、世界のアイウエアトレンドはシルモで決まると言われている。

アモール

ディグナクラシック3万5200円(ディグナ ハウスTEL03-5843-1612)

メタルブロウにアセテートリムがぶら下がったスタイル。同じコンビブロウでもアメリカでは重厚なサーモントになり、フランスでは繊細なアモールとなる。

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