3ページ目 - メガネの選び方は、生産国で違うデザインを知るところからスタートしよう!

  • 2023.05.01

【日本製の歴史】欧米ではつくれない日本独自のメガネとは?

現在、欧米では製造できず、日本ではつくることができるメガネがある。「セルロイド」のフレームだ。セルロイドは、1870年に象牙の代替材として誕生した世界初の人口プラスチック。パルプなどの天然素材を材料としており、堅牢で型くずれしにくい長所があるが、一定の温度になると発火するため加工が難しい。そのため50年代に製造工場で火事が多発し、欧米では使用禁止に。以降、プラスチックフレームの素材はアセテートが主流となる。

だが、セルロイドの美しい質感や頑丈さを求めるファンは多く、日本では少数ながらも職人がつくり続けている。一方、「サンプラチナ」も日本ならではの素材である。1930年に日本で開発された合金で、プラチナのように白金色に輝くことから命名。昭和天皇がサンプラチナ製のメガネを愛用されたことで、一気に普及したのだ。

また、プラスチックとメタルのリムを二重に合わせる「インナーリム」も日本らしいメガネと言える。日本は異素材を組み合わせる技術が高く、海外では製造が難しい複雑なデザインも可能なため、インナーリムの需要が活発化。海外ブランドでもインナーリムは日本製が多い。このように日本のメガネは、伝統的な素材を生かし、高度な技術を駆使してつくられており、素材やパーツの美しさが大きな魅力だ。

【日本製の代表作】昔ながらの素材を現代に伝える。

セルロイドやサンプラチナなど、古くからある素材を使い、伝統的な製法を守り続けている日本のメガネ。海外では真似できない、高精度な美しいパーツも国産の醍醐味だ。

1.往年のメガネ素材セルロイド製フレーム「10 eyevan/NO.6 Ⅲ」。

ボリューミーなセルロイドを使用したクラウンパント。厚さ5mmのセルロイドを削り出した立体的な意匠は、フラットな飾り鋲でスマートに。テンプルエンドの金具にはシルバー925を使用しており、バランサーの役割を果たす。8300(アイヴァン PR TEL03-6450-5300)

日本でも製造できる工場が減りつつあるセルロイドを使用。アセテートよりも丈夫で型崩れがしにくいため、長く愛用できる。深みのある光沢が黒縁メガネに映える。

日本のメガネはパーツの精度が高くて頑丈なのが特徴だ。ネジ頭が六芒星の形をしたβチタン製トルクスネジを使用し、天然素材の黒蝶貝を用いたシェルパッドを採用。

2.レトロなデザインにマッチするサンプラチナ製フレーム「MAL/MR44IKS」。

少量生産・省エネルギーでムダの少ない昔ながらの製法で、職人が丁寧につくりあげたサンプラチナ製の丸メガネ。どこかなつかしいレトロな雰囲気のラウンドシェイプに、サンプラチナの柔らかな光沢がよく映える。24300(オプトデュオTEL0778-65-2374)

1930年に日本で誕生したサンプラチナは、メッキ処理なしでも美しい輝きを放 つ。チタン素材が主流になる前の80年代初頭までは、高級メタルフレームと言えばサンプラチナだった。

3.日本の技術力を集結したインナーリム「YUICHI TOYAMA./U-140」。

1750年代にベンジャミン・マーティンが開発し、インナーリムの元祖と言われる「Vision glass」を現代風に再構築。チタン製のリムにクリアのアセテート生地を合わせた構造で、程よい縁取り効果で目元を彩る。48400(アトリエサンクTEL03-6407-0990)

チタンリムの内側にポッテリと分厚いアセテートリムの組み合わせ。ミリ単位で寸法を調整できる日本の高い技術力で、メタルとプラスチックという異素材の華麗な組み合わせが実現した。

【日本製の知っておきたい用語集】

鯖江

福井県鯖江市は日本のメガネ製造シェアの9割を超える生産地。イタリア・中国と並ぶ世界三大メガネ産地のひとつで、海外でSABAEブランドの評価は高い。

ロイドメガネ

1920年代にアメリカの喜劇役者ハロルド・ロイドが丸メガネを掛けて映画に登場して世界的なブームに。以降、日本では丸メガネのことをロイドメガネと呼ぶ。

増永眼鏡

1905年に増永五左衛門が創業し、福井にメガネ産業の礎を築いた会社。豪雪地帯の福井で冬の農閑期に収入を得る仕事をつくるために、東京や大阪からメガネ職人を呼び寄せたのが産地の始まりだ。

セル枠

最初につくられたプラスチックフレームがセルロイドを使用していたことから、現在でもアセテートを含めて、プラスチックフレーム全般をセル枠と呼ぶ。

チタン加工

現在、メタルフレームの素材はチタンが主流だが、1982年に世界ではじめてチタン製メガネの商品化に成功したのが、実は日本の鯖江である。日本のチタン加工技術は非常に高く、多くの海外ブランドがチタンフレームだけは鯖江で製造することも。

一山

ノーズパッドがなく、鼻にブリッジをのせるスタイル。海外ではサドルブリッジと呼ぶ。パーツが少なくスッキリと掛けられて、頑丈なのがメリット。

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