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抜群の個性を、EOS Rシステムで小型軽量化。【RF10-20mm F4 L IS STM】

RF10-20mm F4 L IS STM。37万6400円。筆者の買える価格のレンズではないのだが、RF28mmのレポート時に一緒にお借りできたので、並行して試用してみた。 EOS Rシステムの、大径・ショートフランジバックのメリットを活かした、軽量・小型超広角ズームレンズの凄さを体験できた。

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EOS Rシステムのメリットを強く引き出したレンズ

筆者は、広角レンズに関しては、ズームを持っていても結局のところどちらかの端でしか使わない……ということに気が付いてRF16mm F2.8 STMを選んだ。

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まぁ、それはそうとして『予算』という制約を取り払った時に、どういった世界が広がるのかを見てみたい気もする。

まずは、このレンズの概要を解説しよう。

筆者は使ったことはないが、このレンズは、EFシリーズの超広角ズーム『EF11-24mm F4L USM』の後継製品という想定で開発されたようだ。

EOS Rシステムの大口径ショートフランジバックというメリットを活かして、EF11-24mmと比較して大幅な軽量化と小型化が図られており、重さは約1,180gから約570gへと半分以下に減少している。また、全長も約132mmから約112mmに短縮され、持ち運びやすさや取り回しの良さが大きく向上している。

このレンズの最大の特徴は、焦点距離10mmから20mmの超広角域をカバーしつつ、ズーム全域での高画質を実現している点にあるのだそうだ。

焦点距離10mmという広い画角により、限られた空間や建物内での撮影においても、周囲を広く写し込むことができる。さらに、風景写真においては、ダイナミックな遠近感を生かした迫力ある表現が可能。また、焦点距離20mmまでカバーすることで、フットワーク良く多彩な画角の中からフレーミングをチョイスすることができる。このあたりが単焦点レンズと違うところ。

10mmという広角端を使うと大きな広がりと遠近感を獲得できる。(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F4、1/1250、ISO100、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark II)
望遠端の20mmだとこんな感じ。美しい広角側の画像だが、10mmほど極端な感じはなくなっている。(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離20mm、F4、1/1250、ISO100、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark II)

高画質の実現には、12群16枚のレンズ構成が貢献している。特に、スーパーUDレンズ1枚とUDレンズ3枚を効果的に配置することで、ズーム全域において色収差を補正し、色にじみの少ないクリアな描写が可能となっている。

超広角、暗い場所、手持ち……と厳しい条件が揃っていても、見事に美しい絵にまとめてくれている。(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F4、1/15、ISO6400、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark II)

また、3枚の非球面レンズを採用することで、広角レンズ特有の歪みを最小限に抑え、自然でシャープな描写を実現。広角撮影においても、建造物や自然風景を忠実に描写することができる。

こちらも極端な絵柄だが、暗い場所でもシャープさを失わず、美しい描写。立ち位置が限られていたのだが、ズームレンズだと自由に画角を選べる。(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離16mm、F4、1/40、ISO6400、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark II)

RF10-20mm F4 L IS STMは、手ブレ補正においても優れた性能を発揮する。レンズ内光学式手ブレ補正機構により5.0段の補正効果を持ち、さらに、EOS Rシリーズのカメラとの協調制御で、最大6.0段の補正効果を実現している。特に、広角特有の画像周辺のブレを改善する『周辺協調制御』が新たに搭載されて、夜景撮影などの手ブレが発生しやすいシーンにおいても、安定した撮影が可能。光量が不足する室内や薄暗い環境での撮影でも、手持ちでの撮影が安心して行える。

部屋の取材などでとても便利そう

筆者の使い方でいえば、狭い部屋の中の様子をレポートする時に一番役に立ちそうだ。

書斎の中。暗めにして、散らかっているのをごまかしてみた(笑)ここではあまり極端なパースを付けなかった。(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離20mm、F5、1/100、ISO100、EV-1、カメラ: EOS R6 Mark II)

取材では、対象物と場所をひとつの画角に押し込んで、その場の雰囲気を見せるのにも役立ちそう。

(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F4、1/60、ISO200、EV-1 1/3、カメラ: EOS R6 Mark II)

とにかく、これだけの超広角ズームなのに、縦横の線が歪まないからとてもスッキリした絵が撮れる。住宅関係の仕事の方は、狭い部屋でも広く見せられるからメリットは大きいと思う。

(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F4、1/1600、ISO100、EV-1/3、カメラ: EOS R6 Mark II)

これ1本で、作品に強い主張を込められる

大きくデフォルメする面白さもある。

たとえば、巨木に寄って撮れば、こんなバオバブみたいな極端なフォルムにすることもできる。

(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F11、1/100、ISO100、EV-2/3、カメラ: EOS R6 Mark II)

遠近を強調して、自然の空気間を演出することもできるし、

(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F4、1/1000、ISO100、EV-1/3、カメラ: EOS R6 Mark II)

水の流れと、景色を一緒に入れ込んだりすることもできる。

(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F14、1/13、ISO100、EV-1/3、カメラ: EOS R6 Mark II)

建物のコーナーに寄れば、こんなに極端な絵も撮れる。この角は普通に直角なのだが、どうもそうは見えない。しかし、人間の視界はこのぐらい横に広くもあるから、標準レンズでは捉えられない、人間の視界っぽさを得ることができる。

(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F4、1/80、ISO125、EV-1 2/3、カメラ: EOS R6 Mark II)

人物と組み合わせると、ドラマが生まれる

最後に人物を撮ってみよう。

ワイド端を活かして、風景との一体感を表現してみた。

(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離10mm、F4、1/100、ISO100、EV-1/3、カメラ: EOS R6 Mark II)

実像と虚像、両方を1枚の絵に収めるには、標準レンズでは難しい。ズームレンズだからこそ、適切な画角を探れた絵でもある。

(RF10-20mm F4 L IS STM、焦点距離18mm、F4、1/400、ISO100、EV-1/3、カメラ: EOS R6 Mark II)

1本あれば、とても面白そうなのだけど……

安いレンズではないので、おいそれと『欲しい』とは言えないが、やはり価格相応の『スーパー』な性能である。画角が極端なので常用はできないし、たとえば、筆者の取材であれば1日に1カットか、2カットしか出番はないと思う。

しかし、ほかのレンズにはないユニークな表現が可能であることは確かなので、作品作りなどに取り組んでいる人は、このレンズが1本あれば、強い個性を主張することができるのではないだろうか?

(村上タクタ)

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この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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