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元LinkedIn日本代表の村上臣さんの『稼ぎ方2.0』を、生で聞いた話

元LinkedIn日本代表の村上臣さんが、新しい時代の働き方を『稼ぎ方2.0——「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代』として取りまとめて書籍化された。ソフトバンククリエイティブから4月8日に1760円で発売されている。

稼ぎ方2.0 「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代
https://amzn.to/3HsE785

電脳隊→Yahoo!→LinkedIn→Googleと活躍の場を移しながら、一貫して人の『働き方』について考えてきた村上臣さんの新著だ。

臣さんの激動のキャリア

私(村上タクタ)が村上臣さんと出会ったのは、臣さんがYahoo!のCMOとして、Yahoo!ハッカソンの主催者として登壇された時だった。Yahoo!という大企業のCMOなのに、若く、ファッショナブルで、長髪のイケメン……でも、話し方は常に真摯で、フレンドリー。はじめて拝見した時から、とても印象的だったことを覚えている。

取材でうかがったところによると、元々は大学在学中に現・Zホールディングス会長の川邊健太郎さんらとともに『電脳隊』を設立し、渋谷がビットバレーと呼ばれた日本のインターネット普及の黎明期に活動されていたのだそうだ。

その後、電脳隊はYahoo!にバイアウト。(紆余曲折あって)2012年から弱冠36歳でYahoo!の執行役員兼CMOに就任。いわゆるYahoo!の『爆速経営』を牽引した人物でもある。2017年11月からはLinkedInの日本代表に就任。日本のキャリア産業を変えていこうと努力されていた。

それもあって、一昨年、2021年4月に『転職2.0——日本人のキャリアの新・ルール』という本を出されていた。本誌は言わばその続編だ。

転職2.0——日本人のキャリアの新・ルール
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この話、実は先に聞いていた

実は、私は臣さんがLinkedInにいた時代に、取材をさせていただくとともに、自分の仕事について相談もしていた。

自分が会社員としてマッチしていない、やりたいことをできていない……というような相談をしたように記憶している。その時、村上臣さんが話して下さった話がまさにこの『転職2.0』と『稼ぎ方2.0』に書いてある話だった。つまり、私はひと足先にこの2冊の内容を口頭でうかがっていたことになる。

『転職2.0』には『終身雇用の時代は終わり、自分の市場価値を高めて、転職していく。ひとつの会社に属するのではなく、共感できる仕事に携わっていく』という話が書かれている。それに対して『稼ぎ方2.0』は『誰もが複数のキャリアを持つ時代。自分が楽しんでできることに取り組んだ方が、大きな収入を得られる時代になってきた』と書かれている。

自分の強み、やりたいことやって、生きて行くべき。そして、そういうことが可能な時代が訪れている……と臣さんはおっしゃっていた。

自分の強みをもう一度深く考えた方がいい

『それは起業したり、大企業の役員をやったりするような能力の高い人が言ってる話でしょ。誰もが真似できる話じゃないよね!』と思う人は多いことだろう。私もそう思った(笑)。当時私は30年間同じ会社に勤めていたひとりの会社員だっだし、編集者が会社を出て生きていけるとは思えなかった。

しかし、臣さんの『自分の好きなこと、自分の一番の強みをもう一度深く考えた方がいい』という言葉はすごく印象に残った。

会社員をしている人の多くは、『自分の一番の強み』『一番やりたいこと』ってことについて、考えたことはないと思う。『この部署に配属されたから』『この仕事を命じられているから』『この人の部下だから』……という条件の下で発揮できている『周囲と較べて勝ててる点』ではなく、自分の『世間一般に対する圧倒的な強み』『好きだから無限にできること』は何なのか、とことん考えてみてみよう。いわゆる会社で『業務目標』などとしてスキルシートに書いていることとは全然違うことが浮かび上がってくるかもしれない。

それは『誰よりも、親身になって接客できる』ということかもしれないし、『効率的に掃除、整理整頓できる能力』かもしれない。では、それを100%発揮できるにはどうしたらいいか? 『上司が』とか『会社が』とか言わずに、フルパワーを出すにはどうすればいいか。

私の場合は、『文章を書くのが、好きで、速くて、上手い』ということだった。『上手い』というのは少々おこがましい感じもするが、『趣味人が一生懸命取り組んで作った『好き』を限られた取材時間で聞き出して、一般の人の心にその魅力がしっかり伝わるように愛情を持って書くことが得意』という考えに至ったのだ。その能力を十全に発揮するにはどうしたらいいかを、所属している会社、組織に関係なく考え直して、到達したのが今の仕事だった。そして、今、日々楽しく自分の能力を発揮して、ThunderVoltの編集長として、フリーランスのライターとして、仕事をしている。

私の腰が重かったから、臣さんの話から4〜5年かかってしまったが、結局のところ臣さんのアドバイスは実に的を得ていたのである。

『大会社に就職できればOK』ではない世の中で

今、大学生である自分の子供たちにも似たような話をする。

我々が大学を出て就職活動をしていた時には、入った会社に一生勤めるのだと思っていた。戦後復興、高度経済成長の間ずっと右肩上がりの世の中だったから、会社に所属して、そこでステップアップしていく島耕作的な人生が最適解だった。当時、山一証券や三洋電機に就職が決ったら、一生安泰だと思っていたのだ。でも、これからの時代、『大会社に就職できればOK』なんてことはないのだ。

では、どうやって生きていけばいいのか? それの答えのひとつがこの本に書かれていると思う。

もちろん、正解はどこにもないし、お話をうかがっていると村上臣さん自身、悩み考えながら日々の決断をしていらっしゃるようだから、我々凡俗が悩むのは当然。しかし、『良い大学に入りさえすればOK』『大会社にさえ就職すればOK』という世の中でなくなったのは確かなことだ。

この本を読んで、これからも一緒に悩もうではないか。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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