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横浜ガンダム前で、日本のスペースポート構想を考える【ガンダム宇宙世紀フォーラム】

  • 2022.10.04
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9月17日に『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA 』で開催された『ガンダム宇宙世紀フォーラム』では、宇宙飛行士の山崎直子さんと、一般社団法人スペースポートジャパン、GGCテクニカルディレクターの石井啓範さんが、宇宙に関するテクノロジーと夢、そしてそれを実現する方法について語った。

窓から動く実物大ガンダムが見える部屋で、スペースポートを語る

現在50歳代以下の人で、ガンダムの世界を通じて宇宙のことを考えた人は多いはずだ。

地球と月を取り巻く環境に数多く浮かんだスペースコロニー。そして、既得権益を持った人々とそこからの独立を目指す人たちの戦争。身長18mの巨大ロボットと、それを搭載する宇宙戦艦。月面基地や、宇宙に舞い上がる船を要する宇宙港。

もちろん、絵空事ではあるが、ジュール・ベルヌの『月世界旅行』、鉄腕アトム、機動戦士ガンダム……などSFやアニメのイマジネーションが、人類の最先端技術の実現を牽引する『夢』となっていったことを否定する人はいないだろう。

©︎創通・サンライズ

動く実物大のガンダムがある『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA 』もまた、そんな夢の結実した場所だ。なにしろ、世界でここだけにある動く全高18mの『ロボット』を実現するためにも、日本の最先端技術が使われているのだ。

その横浜のガンダムを前にして、宇宙に関するテクノロジーと夢、そしてそれを実現する方法について語るイベントが行われた。それが2022年9月17日に開催された『ガンダム宇宙世紀フォーラム』だ。

会場は、『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA 』にあるイベントルーム。なにしろ、窓の外で実物大ガンダムが動いているのだから、宇宙の未来を語るのにこれほど相応しい場所はないだろう。

©︎創通・サンライズ

一度目の試験では不合格だったが、諦めずチャレンジして宇宙飛行士に

最初にお話してくださったのは、宇宙飛行士の山崎直子さん。

千葉県松戸市に生まれた山崎直子さんは、おとなしい普通の女の子だった。それがアニメの宇宙戦艦ヤマトや家の近くにあったプラネタリウムに通うようになり、いつしか「宇宙飛飛行士になりたい」と思うようになったという。

しかし、宇宙飛行士への道は容易ではなく、まずは東京大学大学院工学系研究科を卒業し、NASDA(JAXAの前身)に入り、国際宇宙ステーションの開発業務に従事しながら宇宙飛行士を目指したという。

一度目の受験では不合格になりながらも諦めず二度目の挑戦で宇宙飛行士に選抜された。しかし、そこからも道のりは長く、宇宙に行った宇宙飛行士とまったく同じ準備をし、万が一の時の交代要員かつ、地上で同じ作業をして支援する搭乗者支援宇宙飛行士などの業務をしながら、チャンスを待ったのだそうだ。

そして、2010年、ついに宇宙飛行士としてスペースシャトルディスカバリーに登場し、宇宙に行きISSに滞在。さまざまな任務をこなしていたという。

山崎さんからのメッセージは、夢を持って努力すること、そして挫折があっても諦めないこと。普通の人が実現できると思わないような『夢』こそが未来に大きな飛躍をもたらす……ということだった。

現在、民間人の宇宙旅行も現実になりつつあり、山崎さんが構想していた民間のホテル計画も実現に向かいつつある。日本に民間のスペースポートを作り宇宙旅行をすることも構想されている。

最後に「昨日の夢は、今日の希望であり、明日の現実である」というロケットの父、ロバート・ゴダードの話で講演を結んだ。

構想があって、それが実現していく。今や夢が不足している

次に登壇したのは、一般社団法人スペースポート・ジャパンの片山俊大さん。

片山さんは、広告代理店の電通所属。しかし、日本とUAE(アラブ首長国連邦)の宇宙・資源外交に携わったことをきっかけに、宇宙関連事業開発に従事するようになり、現在スペースポート・ジャパンの共同創業者・理事を務めているという。

目の前で18mのガンダムが動いている。人類の歴史は、構想の具現化の歴史。宇宙旅行も、宇宙ステーションも、とっくに現実になった今、むしろ『夢』が現実に追いつかれつつあり、『夢』が不足しているとさえ言える。

そんな中、スペースポート・ジャパンが発表した『スペースポートシティ構想図』が全世界のメディアに大きな反響を与えた。これは夢物語ではなく、やる気とお金さえあれば、すぐに現実にできることだろう。

スペースポート・ジャパン
https://www.spaceport-japan.org/

そこに描かれてるのは、スペースポートシティの姿。

旅行代理店があり、宇宙を知るためのテーマパークがあり、宇宙船と同じ素材で作られたカプセルホテル、宇宙をテーマとしたアート作品を展示するミュージアム、プールや水族館、ジム、無重力ディスコ、宇宙食レストラン……などの関連施設とともに、スペースポートとしての施設を置こうという構想だ。

すでに北海道、和歌山、大分、沖縄などが、それぞれスペースポート構想を発表・推進している。また、日本の、そして世界のスペースポートとその周辺構想をイラストにした「スペースポートマップ」も、販売されている。

SPACEPORT MAP
https://spaceportmap.net/
日本、そして世界に広がるスペースポートのマップが額装されている。インテリアに良さそう。

月面なら支えなしに二足歩行するガンダムを作れる?

その後、おふたりに、動く実物大ガンダムの制作に携わったGGCテクニカルディレクターの石井啓範さんを加えた3人でディスカッションが行われた。

石井さんは、ガンプラブームからロボットに興味を持ち、早稲田大学でヒューマノイドロボットを研究。大型ロボットを作るための近道として、建設機械メーカーに就職。20年在籍し、ついに『ガンダムグローバルチャレンジ』として、この動く実物大ガンダムの開発に携わることになったという。

山崎さんも、石井さんも夢があり、それを実現するために努力してきた。夢は実現できる。

人類が月に行ったのは米ソの宇宙開発競争の中でのケネディ大統領のムチャ振りである側面があった。実物大ガンダムが実現したのも、宮川社長(現バンダイナムコエンターテイメント社長)のムチャ振りであった。

ムチャ振りというか、ビジョン。ビジョンの大きさによって、その先に実現することが変わってくる。宇宙開発があったから、コンピュータ、金属工学など、さまざまな科学分野が進歩していった。

話はどんどん広がっていき、「次の動くガンダムは月面で作れば、実際に歩くものが可能なのではないか?」「では、その横にホワイトベース型のホテルを」と言う話題に。しかし、こういう話があるからそれが実現していく。

夢があるから、現実がついてくる

スペースポートシティの話にしても、大分県は誘致するにあたり『宇宙人割』という割引を設定し、話題をさらっている。自己申告制だというから、実際に「宇宙人だ」と言い張れば、割引を受けられる。

©︎創通・サンライズ

夢があり、ビジョンがあり、それが現実になる世界がある。

「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」のガンダムが、実際に夕暮れの空に屹立している姿を見ていると、1978年にはただの荒唐無稽な夢物語だったものが、着実に現実に向かっていることを感じる。

あなたも、スペースポートシティのマップを壁に掲げて、宇宙港の夢を見てみてはいかがだろうか?

SPACEPORT MAP
https://spaceportmap.net/

(村上タクタ)

 

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