実は手頃な価格帯も多い深淵たる金無垢時計の世界。
世界中のコレクターからも認められている日本を代表するアンティークウォッチショップであるプライベートアイズ。ロレックスのバブルバックのスペシャリストとしても知られている同社であるが、様々な国や年代のアンティークウォッチもセレクトしており、そのセンスの良さにも定評が高い。
自身もこれまでに多くの金無垢のスペシャルピースを持ち、フラットな視点で時計選びをしている名物スタッフである店長の前田さんに、金無垢&コンビ時計の魅力を語ってもらった。
「金相場が急騰していることもあって、ゴールドやコンビの相場が上がっています。あとはトレンド的にスポーツモデルからドレスウォッチに移行していることもあって、これから盛り上がっていくマーケットかなと。
金無垢は様々なメーカーからリリースされていますが、ステンレスとゴールドのコンビは意外と少ない。ロレックスはバブルバックでもラインナップがありますが、その他のメーカーだと、ある程度年式が新しくならないとあまり出てこない印象ですね。
また当時から宝飾品でしたから、ステンレスと比べると豪華な作りになっていることが多いのも魅力ではないでしょうか。もちろん一部のスペシャルピースは、高値ではありますが、もともと定価が高いので、実はお得感のあるプライスが多いんですよ!」
枯れた風合いが魅力となったヴィンテージのゴールドウォッチ。
1940s ROLEX BIG BUBBLE BACK Ref.5031
1945年にリリースされたロレックスの名作であるデイトジャストの初期モデルで、通称ビッグバブルと呼ばれる36ミリのオイスターケース。この年代ならではの赤黒カレンダーや、エレガントなエンジンターンドベゼル、立体的なインデックスなども魅力。ベルトはプライベートアイズのオリジナルを装着している。85万8000円
この年代は夜光にラジウムを使っているためダイヤルが焼けやすく、アンティークらしい雰囲気。エンジンターンドベゼルも◎
バブルバックから続く立体的な裏蓋から通称ビッグバブルと呼ばれている。34ミリケースだとセミバブルバックと呼ばれる。
1946 OMEGA 18k Yellow Gold Ref.2499
自動巻きムーブメントCai.28.10を搭載した18金イエローゴールドケースのスモールセコンドモデル。金無垢モデルの定番であるゴールドの文字盤が、いい感じにエイジングされている。57万2000円
1955 IWC 18k Rose Gold
ファンシーなラグデザインが際立つ18金ローズゴールドケースに、イエローの文字盤を組み合わせたモデル。名機であるCal.89を搭載しているのもポイント。針やインデックスはピンク。49万5000円
1940s Hamilton 14k White Gold
当時に流行したアールデコスタイルを彷彿とさせるフーデッド仕様のレクタンギュラーモデル。14金ホワイトゴールドで、ダイヤモンドを用いたビッグアラビアダイヤルという豪華な組み合わせで、このプライスは納得。19万8000円
1930s IWC 14k Yellow Gold
なんともクラシックな雰囲気を醸し出す14金イエローゴールドのレクタンギュラーモデル。文字盤はマットなイエローで、イエローオンイエローと呼ばれる人気のカラーリング。名機Cal.87の初期型を搭載。48万4000円
1960s Audemars Piguet 18k White Gold
スイスを代表する名門オーデマ・ピゲの中でも珍しいリブドデザインとなったスクエアケースのモデル。ボディは18金ホワイトゴールド。25ミリと小振りなケースながらも、存在感がある。Cal.K2001。79万2000円
1950s OMEGA Constellation Ref.14381-2SC
オメガの名作であるコンステレーションの18金イエローゴールドケースで、なんとノンポリッシュのミントコンディション。ハート型インデックスにドルフィンハンドを組み合わせた人気のパイパンダイヤルである。88万円
1940s MOVADO Calendgraph Ref.14836
モバードの代表作のひとつであるカレンドグラフの中でも珍しいステンレス×ピンクゴールドのコンビモデル。36ミリというケースサイズもポイント。トリプルカレンダーで、ブレゲ数字のインデックスが◎。49万5000円
1950s Heuer 14k Yellow Gold
名機であるバルジューのVal-23を搭載した希少な14金イエローゴールドケースのクロノグラフ。ビッグアイデザインのシルバーダイヤルとステッチラグデザインのケースがなんともマッチしている。49万5000円
【DATA】
PRIVATE EYE’S
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TEL03-3940-0707
営業/11:00~19:00
休み/月曜
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※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年8月号 Vol.364」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/N.Hidaka 日高奈々子、k.Hayashi 林和也