専門店が勧めるラフに使えるゴールドウォッチ。PRIVATE EYE’S編

  • 2024.07.25  2024.07.21

海外のストリートシーンなどでも支持され、近年盛り上がりを見せている金無垢やコンビモデルの腕時計。あえてカジュアルに合わせるのがトレンドだ。そんなゴールドウォッチの魅力を日本を代表するアンティークウォッチショップ、プライベートアイズの前田利晃さんに訊いた。

実は手頃な価格帯も多い深淵たる金無垢時計の世界。

「プライベートアイズ」ストアマネージャー・前田利晃さん|神輿や自転車、ウィンタースポーツなどアクティブな趣味を持つプライベートアイズの名物スタッフ。豊富な知識と独特な時計選びのセンスは、多くのファンを持っている

世界中のコレクターからも認められている日本を代表するアンティークウォッチショップであるプライベートアイズ。ロレックスのバブルバックのスペシャリストとしても知られている同社であるが、様々な国や年代のアンティークウォッチもセレクトしており、そのセンスの良さにも定評が高い。

自身もこれまでに多くの金無垢のスペシャルピースを持ち、フラットな視点で時計選びをしている名物スタッフである店長の前田さんに、金無垢&コンビ時計の魅力を語ってもらった。

「金相場が急騰していることもあって、ゴールドやコンビの相場が上がっています。あとはトレンド的にスポーツモデルからドレスウォッチに移行していることもあって、これから盛り上がっていくマーケットかなと。

金無垢は様々なメーカーからリリースされていますが、ステンレスとゴールドのコンビは意外と少ない。ロレックスはバブルバックでもラインナップがありますが、その他のメーカーだと、ある程度年式が新しくならないとあまり出てこない印象ですね。

また当時から宝飾品でしたから、ステンレスと比べると豪華な作りになっていることが多いのも魅力ではないでしょうか。もちろん一部のスペシャルピースは、高値ではありますが、もともと定価が高いので、実はお得感のあるプライスが多いんですよ!」

懐中時計からクォーツショック頃までのアンティークウォッチが揃う名店。クラシックなサインペイントは、ナッツアートワークスによるもの。バブルバックのスペシャリストとしても知られ、ドレス系のアンティークウォッチにおいて、日本有数のセンスと知識を持つ
店内にはアンティークウォッチは言わずもがな、ヴィンテージのゴールドのアクセサリーなども売っており、なんとも魅力的なラインナップ。またオリジナルのブレスレットもアンティークウォッチ好きたちから人気で、痒いところに手が届いた仕様

枯れた風合いが魅力となったヴィンテージのゴールドウォッチ。

1940s ROLEX BIG BUBBLE BACK Ref.5031

1945年にリリースされたロレックスの名作であるデイトジャストの初期モデルで、通称ビッグバブルと呼ばれる36ミリのオイスターケース。この年代ならではの赤黒カレンダーや、エレガントなエンジンターンドベゼル、立体的なインデックスなども魅力。ベルトはプライベートアイズのオリジナルを装着している。85万8000円

この年代は夜光にラジウムを使っているためダイヤルが焼けやすく、アンティークらしい雰囲気。エンジンターンドベゼルも◎

バブルバックから続く立体的な裏蓋から通称ビッグバブルと呼ばれている。34ミリケースだとセミバブルバックと呼ばれる。

1946 OMEGA 18k Yellow Gold Ref.2499

自動巻きムーブメントCai.28.10を搭載した18金イエローゴールドケースのスモールセコンドモデル。金無垢モデルの定番であるゴールドの文字盤が、いい感じにエイジングされている。57万2000円

1955 IWC 18k Rose Gold

ファンシーなラグデザインが際立つ18金ローズゴールドケースに、イエローの文字盤を組み合わせたモデル。名機であるCal.89を搭載しているのもポイント。針やインデックスはピンク。49万5000円

1940s Hamilton 14k White Gold

当時に流行したアールデコスタイルを彷彿とさせるフーデッド仕様のレクタンギュラーモデル。14金ホワイトゴールドで、ダイヤモンドを用いたビッグアラビアダイヤルという豪華な組み合わせで、このプライスは納得。19万8000円

1930s IWC 14k Yellow Gold

なんともクラシックな雰囲気を醸し出す14金イエローゴールドのレクタンギュラーモデル。文字盤はマットなイエローで、イエローオンイエローと呼ばれる人気のカラーリング。名機Cal.87の初期型を搭載。48万4000円

1960s Audemars Piguet 18k White Gold

スイスを代表する名門オーデマ・ピゲの中でも珍しいリブドデザインとなったスクエアケースのモデル。ボディは18金ホワイトゴールド。25ミリと小振りなケースながらも、存在感がある。Cal.K2001。79万2000円

1950s OMEGA Constellation Ref.14381-2SC

オメガの名作であるコンステレーションの18金イエローゴールドケースで、なんとノンポリッシュのミントコンディション。ハート型インデックスにドルフィンハンドを組み合わせた人気のパイパンダイヤルである。88万円

1940s MOVADO Calendgraph Ref.14836

モバードの代表作のひとつであるカレンドグラフの中でも珍しいステンレス×ピンクゴールドのコンビモデル。36ミリというケースサイズもポイント。トリプルカレンダーで、ブレゲ数字のインデックスが◎。49万5000円

1950s Heuer 14k Yellow Gold

名機であるバルジューのVal-23を搭載した希少な14金イエローゴールドケースのクロノグラフ。ビッグアイデザインのシルバーダイヤルとステッチラグデザインのケースがなんともマッチしている。49万5000円

【DATA】
PRIVATE EYE’S
東京都北区滝野川6-28-7
TEL03-3940-0707
営業/11:00~19:00
休み/月曜
https://www.watchnet.co.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年8月号 Vol.364」)

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