耐久レース優勝車の市販バージョン
’63年に登場したベレットは、コンパクトで軽量なボディに独立懸架やラック&ピニオンのステアリングなど最新の技術が投入され、’73年まで製造されたロングセラーだ。ちなみにベレットという名称は、デビュー当初に存在した上級乗用車のベレルの小型車という意味の造語である。
そんなベレットの2ドアクーペに、117クーペに搭載していたDOHCの1.6リッターG161W型エンジンを搭載し、’69年の鈴鹿12時間耐久レースで優勝したベレットGTXを市販バージョンとして販売したのが、ベレットGTRだ。分割されたフロントバンパーにフォグランプをセットし、黒いエンジンフードやサイドの専用ストライプが備わるのが特徴だが、ノーマルカラーバージョンのエンジンフードやストライプなしも購入可能だった。GTRは’73年まで生産され、総生産台数は約1400台と、スペシャルティカーとしては異例のロングセラーと好セールスを記録した。
取材車両はイスズスポーツが所有する’70年式。オプションのブラックのエンジンフードやストライプも備わる個体。ホイールはワタナベに交換されているが、初期のベレットGTRのディテールを残している一台だ。
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