サイズは大きく、デザインにも独特の仕様が見られるように変化。
ミッドセンチュリー期のアンティークウォッチは、時計好きであれば誰もが知っているようなモデルが次々とリリースされた黄金期である。大きな戦争で確立された機能性を基にスポーツウォッチが台頭し、ドレスウォッチにおいてもその後の年代にはない凝った意匠が多く見られる。そこで戦前のロレックス・バブルバックからミッドセンチュリー期のモデルまで精通するプライベートアイズの前田さんに、その魅力を聞いた。
「大きな変化としては、ケースサイズですね。今もスタンダードになっている36ミリ前後のケース様々なメーカーからリリースされた時代でもあります。あとは40ミリ前後のスポーツウォッチですよね。様々な試行錯誤を繰り返して完成度を高めていた時期でもあるから、この年代ならではのデザインや仕様が見られるのも醍醐味だと思いますよ」
【注目ポイント①】針とインデックスが年代によって変化する。
1930s ブルースティール
おそらくブラックだった文字盤がエイジングされてブラウンチェンジしたIWCのスモールセコンド。1930年代を象徴するブルースティールと呼ばれる青い針が特徴だ。61万6000円
1947 ドルフィンハンド
同じIWCでも’40年代後半になるとイメージが変わってくる。スタンダードな35ミリケースのステンレスモデル。立体的なインデックスとドルフィンハンドが絵になる。39万6000円
1960s アルファハンド
こちらは1960年代の36ミリケースのRef.648という品番。独自の機構であるペラトン式の自動巻。文字盤はシンプルであるが、針はドルフィンハンドで個性的である。39万6000円
1968 ペンシルハンド
IWCを代表するモデルのひとつであるヨットクラブは、ヨットマンのために作られたスポーツモデル。この頃にはかなりシンプルになり、ペンシルハンドになっている。27万8000円
【注目ポイント②】ロレックスは大型化!
バブルバック(31mm)
プライベートアイズが得意とする名作バブルバック。こちらは1940年代のRef.3133。珍しいピンクゴールドのコンビだ。価格未定
ビックバブル(34-36mm)
通称ビッグバブルと呼ばれるデイトジャストの元祖的なモデル。ビッグバブルが36ミリ、セミバブルが34ミリを指す。85万8000円
【注目ポイント③】ユニークなデザインが多い!
なんとも個性的な文字盤とスクエアケースがマッチしたゼニスの自動巻モデルは1960年代。文字盤には回転数である28800の表記が入る。29万7000円
今も続くオメガの名作スポーツウォッチであるシーマスターは、1957年製。クサビのインデックスやアップライトのロゴなど、この年代特有。19万8000円
各メーカーからダイバーズウォッチが発売されたのも’50年代の大きな流れ。エテルナのスーパーコンチキは1960年代。凝縮感あるデザイン。69万3000円
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※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年4月号 Vol.360」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/N.Hidaka 日高奈々子