神業ってこういうことなんだよ。「HIDEHIKO YAMANE」のデニムジャケットMARTIN

物欲旺盛なライトニング編集部員たちが、今の気分で選んだ欲しいモノや身銭を切って購入したアイテムをジャンルレスで報告! 「仕事内容が多岐にわたり過ぎて、自分が何屋なのか時々わからなくなる。その日の仕事に合わせて、着る物を選ばなければならず、朝イチの予定確認が超重要」と語るライトニング編集長であり買い物番長の松島親方がお届け。

日本デニムの神、「HIDEHIKO YAMANE」のデニムジャケットMARTIN

ジャパンデニム界の神様、山根英彦氏が企画するダブルブレステッドのデニムジャケット。ラペルには裏面を使うことで、さながらタキシードのように仕上がっている。もちろん洗濯機で洗っちゃっても問題なし。胸やサイドのポケットはボトムが丸みのあるパッチタイプ。完全自社縫製を示す「KAIRI NEEDLE」タグが付く。7万7000円(YAMANE SHINSEKAI TEL090-1400-2023)

服選びにおいては、かなり自由気ままで、特定のカテゴリーや、お決まりのコーディネイトパターンに縛られるのはあまり好きじゃない。新品も着れば、ヴィンテージにも興味はあるし、アメリカンテイストも好きだし、ヨーロッパのブランドも気になる。ただ、あまり買い物には迷わない。間違いない店で、信頼を寄せているブランドの服の中から、「コレ!」と思えるものを選んでいる。

職業柄、「この服ってどこのブランドですか?」とか「同じもの買いたい!」なんて話になることが多いので、今日の服については触れないで欲しい、なんてことはないようにしなければ、雑誌のブランドにキズを付けてしまうことになる。何か一つでも相手に刺さるコメントをしなければいけないと思ってしまうのが編集者のサガ。

まったく私の仕事に触れていない人なんかには特に気を遣う。例えば息子の友人の父親とか、従兄弟とか。私がどんな仕事をしているか、ウワベだけは知っている人に、さすが!って思ってもらうことで、新規読者獲得につながるかもしれない。「オマエの雑誌を読んでみよう」って思わせる、短いキラーワードが反射的に出てこなければならない。興味を持たせられるかどうか、持ち時間は5秒くらいか。相手が詳しくない人だと、難しい単語も使えない。ツラツラと原稿を書いて説明するより、よっぽど難しい瞬発力勝負なのだ。

いろんな所で、いろんな人に会う機会があるので、この瞬発力は随分と鍛えてきたつもり。「その上着は何?」と聞かれれば、「ニッポンのデニムを使ったダブルのジャケット。ジャパンデニムの神様が作ったんだよ」って感じかな。

裏側を見ると、縫製部分にはすべてパイピング処理が施されたとても手の込んだ仕様であることがわかる。これこそが「カイリニードル」
本格的テーラードを知り尽くしたデニムの神様が作るジャケットは、サイドベンツの美しさからも伝わる。デニムの縮率まで緻密に計算される
この丸みのあるポケットは一度洗った後に立体感が出て、全体の表情を引き立てる。デニムという特殊な素材を巧みに操る、まさに神の業だ

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年3月号 Vol.359」)

この記事を書いた人
松島親方
この記事を書いた人

松島親方

買い物番長

『Lightning』,『2nd』,『CLUTCH Magazine』男性スタイル&カルチャー誌の統括編集長。ロンドンのセレクトショップ「CLUTCH CAFE」のプロデューサーも務める。 物欲を満たすためには海をも越え、全地球規模で買い物を楽しんでいる。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

Pick Up おすすめ記事

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...