往年の名車Z432を現代的解釈でオマージュした一台。

  • 2024.02.13

今回紹介する一台は、普遍的なフォルムを維持しつつ、エンジンスワップを行い、現代の過酷な交通事情においてもいかんなくパフォーマンスを発揮。シンプル・イズ・ベストとでも呼びたくなる、スタイリッシュなZ。ロッキーオートだからこそなしえた日常の買い物にも使える快適Zだ。

明確なテーマを設定しあえて5ナンバーを維持。

エンジンスワップに代表されるアップデート系カスタムは、スワップドナーの幅も広がり、その手法も多くの選択肢から選べるようになってきた。そんな状況だからこそ、しっかりとテーマをもって製作することで、クルマの個性は際立ってくる。ここで紹介するのは、プロデュース初期からしっかりとしたテーマを設定し、製作された好例といえるロッキーオートのZだ。

渡辺代表にそのテーマを聞いてみると、「テーマは現代的にアレンジしたZ432です。だからあえてオーバーフェンダーの備わらないナローボディで、エンジンもRBターボとすることで、公認後もナンバーを維持できるように製作しました」

フロントから見ると、オーバーフェンダーの備わらないナローボディのすっきりしたシルエットが特徴的だ

ベースとなったのは’73年式の北米輸出仕様。つまり左ハンドルの240Zだ。5ナンバー枠で登録するために、あえてオーバーフェンダーは装着しないナローボディ仕様とし、合わせてロッキーオートが所有していた右ハンドルのダッシュに交換して右ハンドル化している。

そんなボディに搭載されるエンジンは、RB用の6連スロットルとサージタンクを流用したRB DETだ。燃料制御はFcon V Proを使用し、2リッターながら約250馬力を発生するパワフルなユニットだ。6連スロットルを装着した2リッターのツインカムエンジンというスタイルは、渡辺代表の言葉どおり、Z432をオマージュした結果なのはいうまでもないだろう。これに同じR33用の5速マニュアルミッションを搭載。5ナンバーながら、快適に故障を気にせずドライブを堪能できる一台が完成したのだ。

もちろんアップデートされたのはエンジンだけではない。エンジンのスワップに伴って、オートエアコンはもちろん、パワステも完備。またフロントにはタイプMの対向4ポットキャリパーを装着し、ストッピングパワーも強化している。

「当社で行なっているエンジンスワップとしては、RB20は決してパワフルなパワーソースではありませんが、やはり5ナンバー枠に収まるというのは大きな魅力です。ナローボディを公道で目一杯楽しむには、このくらいのパワーがちょうどいいのではないでしょうか」と渡辺代表。

車高が低い車両が多いなか、ナローボディに設定された絶妙なスタンスは、乗りやすさとやりすぎないスタイルを両立している

明確なテーマとそれを実現する技術力によって、絶対的なパワーだけではない魅力をもったこのオレンジZ。いざ路上に出れば2リッターとは思えないほどのパワフルなRB20ターボが目を覚まし、ナローボディのZをキビキビと走らせる。全体的にバランスのとれた、乗って楽しい5ナンバーのZだ。

リアから見ても、ナローボディの眺めはシンプルで特別なカッコよさがある。車高を下げすぎずキャンバーのつかないリアタイヤがナローボディにマッチ!
オレンジのボディに前後バンパーのみガンメタリックとして絶妙なアクセントに。右ハンドル化に合わせてフェンダーミラーを装着している
ホイールはワタナベ8スポークの15インチ。フロント、リアともに205/55/15を履く

1973 DATSUN240Z with RB20TURBO|踏んでも、怖くない。だからスポーツ走行が楽しめる。

エンジンはR33RB20ターボで、6連スロットルやサージタンクはRB26用を流用。F-con V Proで制御することで、約250馬力を発生する。

6連スロットルとサージタンクはGT-RRB26ユニットから流用したもの。中低速のレスポンスがアップするため、RB20との相性は非常によいそうだ。

レザーで表皮を張り替えられた右ハンドル用ダッシュを使用して、元々左ハンドルだった車両を右ハンドルに。違和感なく仕上がっている。

RB5速マニュアルのシフトレバーは純正とほぼ変わらない位置に。その前にはハザードとリアデフォッガーのスイッチを配置している。

ステアリングはコラムを含めて全てドナーであるR33スカイライン用を使用。当然ながらパワステ化されており、軽快な操作が可能。

3連メーターの華氏表記、ボンド表記に北米仕様の名残がある。

センターコンソールにはオートエアコンの操作パネルを配置。夏場も快適クルーズが可能だ。

シートも社外品を装着する例が多いが、Z432 をモチーフにしたこの車両は、あえてオリジナルシートをキープ。シートの状態もいい。

バッテリーはラゲッジスペースに移設。専用のアルミケースでマウントされる。

SPEC
エンジン:RB20DET型改 排気量:2000cc トランスミッション:5速マニュアル サスペンション:フルタップ車高調 ホイール:ワタナベ8スポーク タイヤ:(F&R)205/55-15

DATA
ロッキーオート
444-0003 愛知県岡崎市小美町字殿街道153
TEL0564-66-5488(商談予約・問い合わせ)
営業時間:10:0019:00

※情報は取材当時のものです。

(出典/別冊Lightning Vol.231VINTAGE AUTO 快適旧車のススメ。」

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

Lightning, CLUTCH Magazine, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

ランボルギーニ三浦

Lightning

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

杉村 貴行

2nd(セカンド)

ブランドディレクター

杉村 貴行

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部