47年間アメリカでピックアップ販売台数トップのお化けモデル、フォードのFシリーズの代表格「F-150」とは?

  • 2024.01.30

アメリカを代表するクルマといえばピックアップトラックの存在。日本やヨーロッパと違い、アメリカでは乗用車よりもピックアップトラックが売れるお国柄なのである。クルマは1人1台という文化のおかげで人よりも趣味や仕事、それに買い物の荷物をたくさん載せられるピックアップトラックの方が都合がいいってわけだ。そんなアメリカのピックアップ市場のトップランナーがフォードのフルサイズピックアップのFシリーズ。そのルーツを辿れば70年以上の歴史のある長寿モデルなのだ。そんなアメリカンスタンダードなモデルをディグってみる。

戦後すぐに生まれたFシリーズ・ピックアップトラック。

フォードのフルサイズピックアップといえばF-150がもっともメジャーだが、そのルーツは1948年に発売されたフォードF-1ピックアップが元祖。いわゆるフルサイズピックアップとして生まれたこのモデルがフォードのフルサイズピックアップの歴史を作っていくことになる。

Fの後ろに付く数字は積載量のキャパシティを表現していて、かつてはF100、F150、F250などのモデルが存在していた。

現在の主力モデルとなるF-150は1975年に登場し、それが現在の中核モデルとして成長していった。現在ではフルサイズのライトデューティトラックというカテゴリーで、F-250以上の積載量を誇るモデルはFシリーズ・スーパーデューティという名前で独立している。

初代から続くFシリーズは現行モデルで14世代目という長寿モデル。時代背景でによって正常進化することで、アメリカでは47年間トップセールスを記録するほどの大定番モデルへと成長した、まさにアメリカを代表するモデルなのである。そんなF-150を深掘りしてみる。

現行車で14世代目というご長寿モデルの歴史を抜粋。壮大なヒストリーを旧車からおさらい。

アメリカらしいのはピックアップモデルが歴史をもっとも作っているところ。現地では商用目的だけでなく、普段乗りの乗用車としてピックアップトラックに乗ることは当たり前の文化。とくに多くの趣味を持つ人や、郊外や田舎に住んでいる人にはピックアップトラックの方が使い勝手がいいというのがアメリカ。F150の一部をここで紹介する。

1948年に生まれたFシリーズの元祖がこれ。F-1~F-8までの8タイプが存在していた。中央に寄った丸目のフロントマスクが時代感のあるデザイン。オールドフォード愛好家にとっては記念すべきモデルである。Photo by Ford Motor Company
1953年から1956年モデルまでの第2世代は1950年代らしいボリュームのあるデザインによって「パンプキン」の愛称でも知られているモデル。アメリカ旧車ファンのなかでは人気車種である。この世代からF-100というモデル名になる。Photo by Ford Motor Company
1968年式フォードF-100。1967~1972年までの第5世代。1960年代は直線基調のデザインが主流になり、シャープなイメージのピックアップトラックだった。Photo by Ford Motor Company
1975年式フォードF-150。現在のフォードピックアップの中核をなすF-150の名前が冠されたのがこの年式。Fシリーズとしては第6世代になる。アメリカンピックアップトラックの由緒正しきデザインを感じる。Photo by Ford Motor Company
第8世代目となる1987年式F-150。キャビンのバリエーションは第4世代から増え、シングルキャブだけでなく写真のようなスーパーキャブ(エクステンドキャブ)や4ドアのクルーキャブなどがチョイスできた。Photo by Ford Motor Company
第10世代目となる1999年式はラウンドシェイプを基調としたデザインにモデルチェンジし、それまでのスクエアなイメージのアメリカン・ピックアップのスタイルを変えた。この時代はライバル勢も流線型デザインのピックアップが主流だった。Photo by Ford Motor Company
涙目のようなヘッドライトが特徴になる第12世代目の最終モデルとなる2014年式。このころから現代のモダンなピックアップトラックのイメージに。Photo by Ford Motor Company
八角形のグリルにヘッドライトが上下で分割されたデザインになっているのが特徴的な現行世代となる2023年式は第14世代目。アメリカンピックアップらしい力強さは健在。Photo by Ford Motor Company

F-150ライトニングやラプターなどの派生モデルも見逃せない。

アメリカでもっとも販売力のあるモデルなだけに、F-150をベースにした派生モデルも存在。オフロードの走破性を極限まで高めたマッスルなモデルであるラプターや、EVピックアップトラックであるライトニングが現在では存在している。

ボディ幅が拡大され、より強力なエンジンとオフロード走破性を高めたサスペンションを持つラプター。これはその最強バージョンであるラプターR。ノーマルのF-150とは明らかに違う見た目に変貌している。もともとはフォードのSVT(スペシャル・ヴィークル・チーム)シリーズとして生まれ、現在ではラプターは独立したハイパフォーマンスモデルの名前になっている。Photo by Ford Motor Company
2022年モデルから登場した完全EVのピックアップトラックであるF-150ライトニング。まったく新しいEVモデルではなく、F-150ユーザーも見据えて派生モデルとして登場した。フロントマスクを囲むようにLEDライトが配置されている。Photo by Ford Motor Company

現行モデルってどんな感じ? 新車価格も知りたい。

2023年式のF-150の価格は3万3835ドルからとなっているけど、派生モデルやトリムレベルのチョイスが可能なので、最強のラプターになれば8万ドル近いプライスになる。アメリカ車の中核を成すモデルなだけにバリエーションも豊富で、新車価格といってもキャビンやベッドのチョイスやトリムのチョイスで幅広い設定になっている。

残念ながら日本には正規輸入はされていないので、新車を狙うなら並行輸入モデルのみとなる。といってもそこはアメリカのスタンダードな車種だけに、日本でも中古車を見つけることができる。できればアメリカ車を専門とするショップを頼りたい。専門店であればメンテやリペアにも対応してくれる。

中古車価格は年式や走行距離で変動するが、1960年代以前のクラシックなモデルはコンディションの良い個体ほど高値安定といった状況だ。

アメリカンスタンダードとも言うべきモデルだからこそ、いつかは乗ってみたい。

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部