サイクリストが愛用する、ノースカロライナ州の小さなソックスの物語。

ヘルメットの着用が努力義務化となり、自転車に乗る際の安全性だけでなくファッションにも注目が集まっている。ウエアやシューズと並んで気になるのがソックス。

そこで紹介したいのが、ノースカロライナ州の小さなソックス工場で編まれている、デザイン性と快適性、耐久性に優れた「DeFeet」だ。

パフォーマンス向上のための“裏返し”。

DeFeetは1992年にアメリカ合衆国・ノースカロライナ州で誕生したスポーツソックス・メーカーだ。当時のサイクリングソックスは白色で伸縮性に乏しく、傷みやすい表地とナイロンの裏地で編まれた“使い捨て”のものだった。そこで、創業者のショーン・クーパーは、より良いソックス開発に着手した。

外側には耐久性と強度を高めるためにナイロンを、足裏には快適性を高めるために柔らかい繊維を、そして甲の部分には肌から湿気を取り除くために画期的なメッシュ編みを用い、それは従来のサイクリングソックスの構造を裏返しにした全く新しいコンセプトを持っており、耐久性、強度、快適性を兼ね備えていた。

こうして編み出されたAireator(AI)モデルから、DeFeetの歴史は始まった。

プロにも認められ、カスタムソックスで注目。

誕生よりほどなくして、その優れた耐久性や機能性にプロのサイクリストも注目。1994年、グレッグ・レモン(※)は春のクラシックレースの泥汚れに耐えられる5インチカフの黒色ソックスをリクエストし、DeFeetはこのオーダーに対しカフに彼のロゴを入れて応えた。さらに所属チームのためにライダーの名前を編み込んだカスタムソックスを製作。

その後プロサイクリストへ提供するソックスにロゴや名前を編み込むようになると瞬く間に注目を集め、DeFeetのAIソックスはサイクリングソックスのゴールドスタンダードとなったのだ。

※アメリカ人初のツール・ド・フランス個人総合優勝など、世界的に活躍したアメリカ合衆国の元プロロードレース選手。

ナチュラル&リサイクル、Made in the USAのこだわり。

DeFeetは創業当初から、アメリカ国内での持続可能な生産を維持することにこだわっており、ニットビジネスの大半が海外に生産拠点を移したとき、ショーン・クーパーはアウトソーシングに背を向け、地元のサプライチェーンを維持することに力を注いだ。

そのため、DeFeetのメリノウールはロッキー山脈の恵まれた環境で育てられた羊から生まれ、サウスカロライナ州で洗われてカーディングされ、北アメリカで紡がれ、そしてノースカロライナ州の小さなソックス工場で編まれている。また、使用されているエコブレンド糸はノースカロライナ州東部から来ており、リサイクル糸はペットボトルから製造されている。

このようにDeFeetは、革新的な構造とカスタムソックスから始まり、独自のウールとリサイクルポリブレンドを使用した革新的な繊維へと発展してきた。2022年、DeFeetは30周年を迎え、ナチュラル&リサイクル、Made in the USAのこだわりは、プロだけでなく幅広い国や世代のサイクリストから注目されている。

DeFeetの新作を紹介!

AI 3″ Taco Avocdo Green 2400円
AI 3″ Ice Cream Navy 2400円
AI 6″ Jungle Process Blue 2600円
(左)AI 6″ Jungle Light Gold 2600円、(右)AI 6″ Mirage Burnt Orange 2600円
Rooster Lite Navy 2600円
CUSH 7″ Stripe Black/White 3200円

【問い合わせ】
ミズタニ自転車株式会社
https://www.mizutanibike.co.jp/brand/defeet/

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