実力派デザイナーが体現する和とネイティブアメリカンの邂逅。|「WESTOVERALLS」デザイナー・大貫達正さん

ウエストオーバーオールズを筆頭に、様々な人気ブランドのディレクションを務める人気デザイナーの大貫達正さん。自身のクリエーションに多大な影響を与えた世界各国のプロダクトを集めた秘密のギャラリーに潜入した。

「WESTOVERALLS」デザイナー・大貫達正さん|1980年生まれ。茨城県牛久市出身。ヴィンテージショップのスタッフやバイヤーなどを経て、デザイナーとして活躍。ウエストオーバーオールズやヘリーハンセンなどの人気ブランドを手掛ける

完全予約制、住所非公開の特別なギャラリー。

茨城県某所にある80年以上の歴史を持つ米蔵をリノベーションしたギャラリー。表にはサボテンがあり、サンタフェあたりのギャラリーやトレーディングポストを彷彿とさせる

筋金入りのヴィンテージ好きで、確固たる世界観を持つ人気デザイナーの大貫さん。人気ブランドのディレクターとしても有名だが、一昨年に自身が多大な影響を受けたプロダクトやアートなどを集めた、完全アポイントメント制で住所非公開のギャラリーをオープンした。

その場所は自身が生まれ育った茨城県の牛久近郊。もともとは石造りの米蔵だった物件で、外に看板もなく、中を覗ける窓もないため、こんな空間が広がっているとは想像もつかない。インスタグラムの公式アカウントにDMにて来店予約をした人だけに所在地を知らせるという仕組みがおもしろい。

ショップでの販売の他に、個人的にも収集しているのが、スイスの建築家ピエール・ジャンヌレがインドのチャンディーガルの都市計画のためにデザインしたプロダクト。ここ数年で高騰しており、リプロダクト品も出ているが、もちろんオリジナル。フランスの鑑定士によるお墨付き

「新旧問わずに、自分が本当に好きなものや感銘を受けたプロダクトを展示販売しています。中には私物として購入したヴィンテージもあり、泣く泣く手放すことも(笑)。世界中を旅して、現地で買い付けをしたり、各ジャンルのス
ペシャリストから直接仕入れたり、そのアイテムの歴史や出自などもお客様に提供することを大切にしています。

この場所は、大好きなサンタフェと自分の名前を掛けたサンタセッギャレリーと名付けていて、ネイティブアメリカンが自身で作った工芸品と食品や雑貨、外貨を交換するトレーディングポストをイメージしました。来店するのに少しばかりお手間をお掛けしますが、その分、ここでしか買えないものを揃えています」

サンタセッのオリジナルのアクセサリーケースは3つのサイズ展開となっている。アメリカのシェーカーボックスをオマージュしたデザインで、熟練の職人がすべてハンドメイドで1点ずつ生産している
友人の木工作家にオーダーしたサンタセッのスツール。ネイティブアメリカンの伝統的なパターンをハンドペイントで表現しているのが個性的

大貫さんが感銘を受けたプロダクトの数々の一部を紹介!

10代からずっと集め続けているのが、’70年代のナイキのランニングシューズ。基本的にデッドストックかミントコンディションのみを買っている。右から時計回りに珍モデルとしても有名なナイトトラック、王道のLD1000、カラーリングが気に入ったワッフルトレーナー。

1950〜’70年代にかけてのナバホ族のラグを用いたベスト。右のものは、ニューメキシコ州アルバカーキ、左はターバートレーダーズで購入したものとなる。

数多くのジーンズを持っているが、一番のお気に入りはサンタセッの物。’70年代のコーンミルズのデッドストック生地を15台のヴィンテージミシンを駆使して生産した。

大貫さんのアイコンでもあるアイウエアは、希少な1940年代のフレンチフレームを愛用。この年代のパリジャンでべっ甲柄は、非常に珍しい仕様である。

ここ最近、もっとも熱を入れているのが葉巻。40歳を機にタバコをやめて、葉巻を嗜むようになったそう。キューバ産しか吸わず、お気に入りはコヒーバとパルタガス。AEウィリアムスのスキットルとハンドメイドパイプのブライヤー、そしてメシャムも欠かせないアイテムとして挙げてくれた。

1900〜’50年代にかけてのヴィンテージのネイティブアメリカンジュエリー。すべてナバホ族のハンドメイドで、あえてフレッドハービースタイルは所有していない。多くのスペシャルが混ざっており、大貫さんらしいセレクトが光る。

友人でもあるメゾンエウレカの中津さんが手掛けるRYOKO SCENT FOR KAUFHAUS のSEI / 04 棲。最近お気に入りのフレグランスオイル。

(出典/「Lightning2023年3月号 Vol.347」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

王道のデニムセットアップはボトムスで差をつけろ!

  • 2026.06.30

昨今のアメカジブームのなかで、注目度が高まっている“デニムオンデニム”のセットアップスタイル。王道ももちろん良いが、一歩先を行きたいアメカジラバーはボトムスで差を付けてみるのはいかがだろうか。気鋭のブランド「アンバースレッズ」が展開するデニムセットアップはそんな望みを叶えてくれるに違いない。 Amb...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

革とデニムの境界線を越える! デニムのように見えるけど実はコレ、革なんです。

  • 2026.07.02

前号でもお伝えしたが、天神ワークスの開発していた新しい革「リジットレザー」が完成し、この度、遂にレザージャケットとなって登場した。まずはこの写真を見てほしい。これは、天神ワークス代表の髙木さんが1カ月着込んだもの。このエイジング、まさにデニムじゃね? でも、レザーらしいエイジングも見え隠れする、唯一...

Pick Up おすすめ記事

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

革とデニムの境界線を越える! デニムのように見えるけど実はコレ、革なんです。

  • 2026.07.02

前号でもお伝えしたが、天神ワークスの開発していた新しい革「リジットレザー」が完成し、この度、遂にレザージャケットとなって登場した。まずはこの写真を見てほしい。これは、天神ワークス代表の髙木さんが1カ月着込んだもの。このエイジング、まさにデニムじゃね? でも、レザーらしいエイジングも見え隠れする、唯一...

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...

王道のデニムセットアップはボトムスで差をつけろ!

  • 2026.06.30

昨今のアメカジブームのなかで、注目度が高まっている“デニムオンデニム”のセットアップスタイル。王道ももちろん良いが、一歩先を行きたいアメカジラバーはボトムスで差を付けてみるのはいかがだろうか。気鋭のブランド「アンバースレッズ」が展開するデニムセットアップはそんな望みを叶えてくれるに違いない。 Amb...