カラーブーツとエイジングの魅力が知りたい!

手仕事とデザイン性を両立したアーツ&クラフツの精神でものづくりを展開する「モト」。その代表作のひとつがハンドダイを施したレザーアイテム。1点ずつ丁寧に塗られ、あえてムラ感を出すことで最高のエイジングになっていく……。

1点ずつ手作業で染める、ハンドダイシリーズ。

「MOTO」本池作人さん|1977年生まれ。鳥取県米子市出身。東京造形大学の彫刻科を卒業後、モトに合流。独自の観点か らこれまでになかったシューズラインを作り、現在は全体のディレクションを行っている

50年以上の歴史を持ちながら、常に革新的なプロダクトを展開するモト。その根底にあるのは、19世紀に始まったアーツ&クラフツ運動だ。

粗悪な大量生産が出回る中、中世の手仕事に回帰し、美しく使いやすいデザインを生み出そうというムーブメントだ。これはこれはモトの世界観に通ずるものがある。その象徴的なアイテムが、ハンドダイシリーズである。

「ハンドダイシリーズを作ろうと思ったのは、エイジングした時の雰囲気を見てみたいという単純なものでした。創業者であり、父親でもある本池秀夫が人形作品を作る上で手染めを多用していたので、その手法をうまく活用できないかと考えていたんです。ただ手染めすると言っても当然難しく、ベースとなる素上げのレザーに、数種類の染料で塗っていき、染色後にバフをかけることで完成します。最大のポイントは、あえてムラ感のある仕上がりにしていること。

靴の場合だと曲がる箇所であったり、エイジングしやすい場所をしっかりと把握して、穿き込んだ時により美しいエイジングになるように配慮しています。既存のレザーにはないカラーリングも調合次第では作れますし、あえてツートーンカラーにしてみたり、その可能性は無限です。実は作っている方も楽しんでいるんですよ(笑)」

ハンドダイシリーズで使っているのは顔料でなく染料。何度も試行錯誤したオリジナルレシピであり、絶妙な風合いを表現できる。ベースとなる革も油分などを調整したオリジナルの素上げだ

履き込むことで表情は変わる。

コードバンでもハンドダイシリーズを展開。ラティーゴレザーを使ったモデルも定番でリリースしている。右からコードバンのプレーントゥ8万6900円、コードバンのキャップトゥ8万9100円、ラティーゴのプレーントゥ6万4900円、ラティーゴのローファー6万3800円

コードバンはあえて光沢感を押さえてマットな質感で仕上げているが、使い込むことで本来の輝きが出てくる。非常に奥行きのあるエイジングとなっている。

オリジナルカウハイドを用いたモーターの2ndエンジニアブーツは、スペシャルなツートーン。左のモデルが素上げの状態でここから染色。8万2500円

同じエンジニアであるが、染めるだけで印象がまったく違う。あえてムラ感を出してペイントしているので、履きジワにより迫力が出てくれるのが人気の理由。

モーターのスペシャルエディションとしてリリースされている手染めのネイビー。オリジナルカウハイドを使っており、まるでインディゴのような絶妙なトーンに仕上げられるのはハンドダイの特徴である。7万9200円

なんともいい雰囲気になった手染めのサイドゴアブーツは、ラティーゴレザーを使っている。履きジワにより陰影が出るように計算して手染めしているので、その狙いがハマった好例。7万1500円

【DATA】
MOTO
東京都港区北青山3-10-2
TEL03-3407-5836
営業/12:00〜19:00
休み/水・木曜
www.motostyle.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年1月号 Vol.345」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

革とデニムの境界線を越える! デニムのように見えるけど実はコレ、革なんです。

  • 2026.07.02

前号でもお伝えしたが、天神ワークスの開発していた新しい革「リジットレザー」が完成し、この度、遂にレザージャケットとなって登場した。まずはこの写真を見てほしい。これは、天神ワークス代表の髙木さんが1カ月着込んだもの。このエイジング、まさにデニムじゃね? でも、レザーらしいエイジングも見え隠れする、唯一...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

時とエイジングを刻む。VAGUE WATCH&Co. × CONSIGLIERE THE 1ST SPECIAL WATCH

  • 2026.07.02

時計は時間を刻むもの。本来の目的はそれで十分だが、「エイジングするものに囲まれて暮らしたい」という自称革ジャンの伝道師・モヒカン小川はベルトにもこだわる。そんな彼が愛用するヴァーグウォッチとシルバージュエリーブランド「コンシリエーレ」のコラボウォッチには毎日身につけた分のエイジングが刻まれている。 ...

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

Pick Up おすすめ記事

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

時とエイジングを刻む。VAGUE WATCH&Co. × CONSIGLIERE THE 1ST SPECIAL WATCH

  • 2026.07.02

時計は時間を刻むもの。本来の目的はそれで十分だが、「エイジングするものに囲まれて暮らしたい」という自称革ジャンの伝道師・モヒカン小川はベルトにもこだわる。そんな彼が愛用するヴァーグウォッチとシルバージュエリーブランド「コンシリエーレ」のコラボウォッチには毎日身につけた分のエイジングが刻まれている。 ...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...