人との繋がりで食材を集める新進気鋭「ジャングルブルワリー」のビール。

長年使われその役割を終えたとき、捨てられるのではなく次は別のカタチに変化し再び愛されるプロダクツ。プロダクツの持つ歴史とモノとしての素晴らしさを再発見!

遊び心と子ども心を詰め込んだ楽しいビール。

小豆、ホップ、5酒類のモルトを使用した「フルムーンラビット」。お月見を表現し、小豆とミルクが月見団子をイメージさせる

「ジャングルっていろいろな種類の動物が生息しているじゃないですか。私たちも他に本業を持っていたりと、いろいろな人間が集まっている集団なんです。だからジャングルっぽいなって」

そう話すのは、代表の島袋尚美さん。ブルワリー名には、そんな意味が込められていた。島袋さんの本業はオーガニック店の経営。ビール造りはアメリカ人のご主人のビール好きから。数人のビール好きが集まって、廃棄されてしまう食材を副原料にビール造りをスタートした。それも北海道の小豆や秋田のリンゴ、沖縄のシークァーサーといった、ビールとは結びつきそうにない食材ばかり。

美しい小豆色に仕上がったアンバーエール。小豆とミルクの風味が味わえるユニークなビールだ。ビールが苦手な人にもおすすめの一杯

「小豆は北海道で行き場を失っているものがあると聞いて、ビールの副原料として使ってみたんです。リンゴはスタッフの実家で作っているものを使っています。実は、人とのつながりで食材を集めているんですよ」

手に入る食材もその時々で異なるから、常にそれをどう活かすかが課題になってくる。何度も試作を重ね、理想の味に近づける。完成してからも少しずつ製法を改良しているので、造るたびに味がアップグレードするのだそうだ。

「ジャングルブルワリーのコンセプトは“楽しむこと”。元々は食品ロスを考慮したビール造りからスタートしているのですが、SDGsを課題として頑張るのではなく、いろいろな食材を使って楽しくビールが造れたらそれでいいんです。遊び心があって、造っても飲んでも楽しくなるようなそんなビールをこれからも造りたいですね」

これから夏みかんのビール造りに入るそう。ビール好きとしては仕上がりが楽しみでしかない。

北海道産の小豆を副原料として使用。廃棄寸前だったものを買い取り、ビールに活用している。小豆を使ったビールは、他にはないだろう

手作り感溢れるビール造りを拝見。

小豆を使ったフルムーンラビットの製造現場を少し紹介。小豆の風味を出すための試行錯誤が見て取れる。

ビールを75L製造するにあたり、小豆は約5kg使用する。常に小ロットでの製造になるため、今はイベントのみで販売。

5酒類のモルト(麦芽)を使用。写真はモルトを粉砕しているところ。アナログな製法で手作り感を感じる。

まず洗った小豆を煮て小豆汁をつくる。これがフルムーンラビットの美味しさの秘密。じっくりじっくり小豆の風味を引き出す。

粉砕したモルトにお湯を加えてをマッシュ(糖化)する。加熱することで麦芽の酵素の働きが活発になり、デンプンが糖化するという仕組み。

小豆汁に5種のモルトを加えて、さらに馴染ませるホップ、シナモン、ラクトース(乳糖)を加える。冷やして酵母を加えて発酵させ、1カ月ほどで完成だ。

ビールの瓶詰めやラベル貼りも自ら行う。2022年11月12日(土)にはイベントを開催。詳しくはホームページをチェック。

【DATA】
ジャングルブルワリー
https://jungleandbrewery.com

(出典/「Lightning2022年10月号 Vol.342」)

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
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