デジタル造形ならではのユニークなモノづくりとは?
デジタル技術を用いると生産工程のコンパクト化が計れる。PCでデザインし、3D金属プリンターで金型を作成、そこに樹脂を流し込んで成型し、インクジェットプリンターで印刷するという全工程を、MiCはひとつの生産工場に集約させている。
フィギュアとプリプラの二枚看板に落とし込まれたデジタル造形美!
まだデジタル黎明期だった2001年にいち早くデジタル造形を取り入れ、今や設備、原型師ともに業界トップクラスの地位を不動のものとするエムアイシー。「デジズム」による人気キャラクターフィギュアの原型製作や、手のひらサイズのプラキット「プリプラ」が事業の柱となっており、どれもデジタル造形の美しさが光る商品ばかりだ。
造形、反転複製、彩色にアイプリントと業務範囲も幅広く、2017年に東京下町に完成した生産工場には3D金属プリンタも完備。金型の国内生産も可能となった。高性能なインクジェット印刷機も複数所有しており、自社内で金型から成型まで完結できる環境は、フィギュアに関わる全工程を社内で完結できることも意味しており、その技術力の高さは同社の大きな武器となっている。
さらに今年からはそのデジタル技術を最大限に活かしたオリジナルブランドの「デジズム」を立ち上げ。同社がこれまで培ってきた技術をフル稼働させたモノづくりに特化した結果、特に立体物への印刷技術を以前より格段に向上させた。精密な造形と繊細かつカラフルな印刷により、印象的なフィギュアと他にはないコンパクトなプラキットとして人気を博すプリプラとで成される2枚看板は、今後も唯一無二のプロダクツを生み出し続けていく。
DiGiSMとは? デジタル技術を最大限に活かした、エムアイシーのオリジナルブランド。
ブランド名はDIGITAL ISM(デジタルイズム)からネーミング。造形はもちろん、金型製作からデジタル彩色まで、これまで同社が培ってきた技術をフル稼働することで、特に立体物に印刷をする技術が格段に向上。より面白いモノづくりが可能となった。
The Spirit Collection of INOUE TAKEHIKO|井上雄彦先生の作品のキャラクターを立体化。
人気漫画家の井上雄彦先生が描くキャラクターを、原型師の感覚で造形したフィギュアシリーズ。原作の世界観を意識し、キャラクターの動きや表情を独自のセンスで表現。特にスラムダンクは約10年前から版権許諾を取得し、生産販売している。
Style in the Momentシリーズ|キャラクターの一瞬の動きをとらえて表現!
一瞬の動きをとらえてポーズ化するシリーズ待望の第一弾。ボールを受け取った桜木花道やリストバンドを直す流川楓のシーンを再現。パスを出すのか? シュートするのか? 見ている側の想像を掻き立てる造形には思わず目を奪われる。
新シリーズ「One and Only」の第一弾はスラムダンクを商品化。
新たな印刷技術で表現の幅を広げた新シリーズ。デジタル彩色で繊細な表情の描写も可能になり、各キャラクターの個性も十二分に表現。唯一無二のモノづくりから生まれたプロダクトは、飾りやすく集めやすいサイズで、こだわりを感じるパッケージにも注目したい。
プリプラとは? 手のひらサイズの彩色済みプラキット!
84㎜四方の手のひらサイズで接着剤不要のプラキット。組み立てやすいミニチュアやマスコット、構造にこだわったロボットや妖精などを商品化。サイズは小さいが、精密さは本物。これぞメイド・イン・ジャパンなブランド。
完全MADE IN JAPAN! 夢幻キノコシリーズ
空想夢想のデザインを施し、夢や幻想の世界観を表現した夢幻ミュージアムコレクションから、リアルなインクジェット印刷を施した、幻想的でカラフルな手のひらサイズのキノコ。生け花のように自由に楽しもう。
フィギュアのごはんシリーズ
「あなたのフィギュアの食生活を豊かに」をコンセプトに、1/12スケールフィギュアに向けたミニチュアフードプラキット。造形は細部にまでこだわり、デジタル彩色で彩り豊かかつジューシーに仕上げている。組み立てが簡単なのも◎
※「プリプラ」はエムアイシーの登録商標です
【問い合わせ】
MIC
TEL03-3842-0834
http://www.mic-jpn.com/
(出典/「Lightning 2022年8月号 Vol.340」)
Text & Photo/Y.Yoshida 吉田佳央