画工・遊鷹が描くアメリカントラディッショナルな世界。

アメリカンであり、オリエンタルな印象もあり。いずれも強いカルチャーの香りが漂う画工・遊鷹さんの作品。その魅惑のグラフィックは感度の高い人たちを中心に広がり日本だけでなく、早くも海外で認知され始めている。

画工・遊鷹さん

アパレルメーカーにてグラフィックデザイナーとして勤務後、2019年に独立。手描きのイラスト自体はかれこれ20年以上、描き続けており、現在は定期的に個展を開催している。

縛られることなく好きなカルチャーを融合。

ひと言でジャンルを括ることができない画工・遊鷹さんの作品。1930年代頃にアメリカの船乗りたちの間で流行したオールドスクール、またはアメリカントラディショナルと呼ばれるタトゥーのジャンルに近いかもしれない。

「強いていうなら、旧いマッチ箱のラベルや昔のビールの広告などが作品のインスピレーション源となっています。そこに自分の好きなパンクやメタルなどの音楽、スケートやストリートなどのカルチャーを融合させて独自の世界観に落とし込んでいるイメージ」

作品を手がける上でインスピレーション源となっているのは、ヴィンテージのマッチラベルの書籍や江戸文字、隷書などが解説されている辞典が多いという

アパレルメーカーにてグラフィックデザイナーとして勤務しながら、個人的な作品を手掛けてきた遊鷹さん。徐々にオーダーも増え、独立が現実となったのが約3年前のこと。現在は全国で個展を開き、作品を販売している。

「Tシャツのデザインから看板、ショップやクルマなど、描けるものならなんでも。トンカツ屋さんが販売するソースのビンやビールのラベルの仕事もありましたし、クルマに直接描くことも」

遊鷹さんの後ろに写るのは、日本の部屋に取り付けられる襖に描いたもの。アトリエ作業以外にもショップやクルマなどにイラストを描く、地方出張なども行っている

現在は目下、上海で開催予定の個展に出すために作品を手掛けている真っ只中。活躍の場は日本のみならず、世界へと向かっている。

「これまでも、いろんなものに描いてきてはいるんですが、最近は立体物だけでは飽き足らず、より作品を大きくしていきたいと思っています。そして、いまの作品を通していろんな人と繋がって、新たな展望が見えたら嬉しいです」

アトリエの壁面にはシェルフが置かれ、ペンキやアクリル絵の具など、描くものによって使用する道具が並べられる
書棚に並べられる瓶はクラフトビールやソースのラベルを手掛けたもの

画工・遊鷹さんの作品の一部を紹介。

1.HAWK,KATANA(2015)

ベニヤ板をベースに糸ノコを使って鷹と刀を描いた作品。真っ直ぐな刀のライン、波のある羽根部分も糸ノコで切断のわりに繊細に表現され、細かな修正を入れながら制作されたことが窺える。

2.LUCKY(2021)

2021年の個展に出展したときのもので、幸運をモチーフにスケートボードに描いたもの。グラフィックの中心には幸せを呼ぶ馬蹄、そして縁起の良い数字である「七」の文字が表現されている。

10代から20代にかけて、スケートボードカルチャーにも傾倒してきた遊鷹さん。使わなくなったスケートデッキをキャンバス代わりに新たな作品を手掛けた

3.HAWK,KOZUCHI(2021)

ポスター展に出展するために描いた作品。タイダイに染めた紙をベースに色付けするのではなく、黒で塗り潰してイラストを製作。ベースが変われば、絵の見えかたも大きく変化する好例となっている。

4.HARDCORE BEER LIFE(2021)

個展用に製作した作品で、遊鷹さん自身、大のビール党であることから、鷹が前脚でビールジョッキを握るイラストに。ジョッキから流れるビールが、浮世絵や日本画に見られる波をイメージしている。

5.G-SHOCK(2020)

2020年の元旦に、G-SHOCKのインスタグラムにて発表された作品。竹の模様が入った額縁は、知人のJAMさんに依頼し、イラストとリンクするよう竹のデザインを取り入れたものとなっている。

(出典/「Lightning2022年6月号 Vol.338」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今季の「Lee」はブランケット付きジャケットに注目せよ!

  • 2026.10.19

シグニチャーモデル「101」が101周年を迎えるなど、アメカジ好きに多くの話題を提供してくれるLee。そんなアメリカンデニムを代表する同ブランドの注目の新作は、ブランケットを携えたワークジャケットだ。普遍的なデザインと保温性に優れるという機能を備えるこの秋冬の相棒となる逸品を紹介する。 Leeのシグ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

55周年を迎えた「MOTO」。周年を祝うスペシャルなレザー&シルバープロダクツを紹介

  • 2026.10.11

レザーやシルバーを駆使した製品を手がけるMOTO。1971年の創業より半世紀を超えて55年。ここでは、周年を祝うスペシャルプロダクツを紹介する。MOTOや本池秀夫さんが纏う唯一無二の世界観にも注目だ。(写真は「本池美術館」の隣にあるアトリエにて。周年限定のライダースジャケットにコンチョを装着する本池...

「Wrangler(ラングラー)」の名作、スタッズを纏う。レザーラバー垂涎スウェードモデルも登場!

  • 2026.10.19

ワークウエアとしての機能だけでなく、ファッション的視点を取り入れることで独自の立ち位置を築いてきた3大ブランドのひとつでありデニム界の異端児・Wrangler。そんな彼らの受け継がれし不朽の名作に“スタッズ”が施された特別モデルが登場した。 “スタッズ”で作るネオ・ウエスタンスタイル ラングラーとい...

Pick Up おすすめ記事

今季の「Lee」はブランケット付きジャケットに注目せよ!

  • 2026.10.19

シグニチャーモデル「101」が101周年を迎えるなど、アメカジ好きに多くの話題を提供してくれるLee。そんなアメリカンデニムを代表する同ブランドの注目の新作は、ブランケットを携えたワークジャケットだ。普遍的なデザインと保温性に優れるという機能を備えるこの秋冬の相棒となる逸品を紹介する。 Leeのシグ...

毎日のそばに、エル・エル・ビーン。秋の定番、フィールド・コートとフランネル・シャツ

  • 2026.10.16

毎日の服に、特別な理由はいらない。気兼ねなく着られて、どんな装いにも自然となじむ。そんな日々のワードローブを支えてくれるのが、エル・エル・ビーンだ。今回は秋の定番、フィールド・コートとフランネル・シャツを着て街へ出た。 100年を超えて今日もいつもの日常着 朝、玄関を出るときに手が伸びて、休日にもつ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

バガブージャケット、40年目の原点回帰。現代に蘇った名作ジャケットの魅力とは?

  • 2026.10.20

1986年に誕生した〈コロンビア〉の名作「バガブージャケット」が、今年で40周年を迎えた。その機能とデザインは、フィールドだけでなく街へも広がっていった。40周年となる2026年、その原点を振り返りながら、現代に蘇った[バガブージャケット]を見ていこう。 Bugaboo II 1986 Interc...