【今回行ってきたのはこのふたり】
ラーメン小池
初めて購入したクルマはシボレー・コルベットというアメリカ車好き。とくに旧いモデルを愛し、現在はヤングタイマーである1987年式AMCジープ・グランドワゴニアに乗る。選んだ基準はV8エンジン搭載車だったからというV8サウンド愛好家という病魔に冒されている。
モヒカン小川
レザー&ブーツのエンスージアストなだけに男っぽいクルマが大好き。最近では三菱ジープからAMCジープJ10、そしてジープ・ラングラーと乗り替え、ジープばかりを愛するという病魔に冒されている(笑)。ただしラングラーはいまだに登録もしないでショップに置きっぱなし。
キレイなクルマを見るとクルマ熱がさらに高まる。
ラーメン小池(以下ラ) 何か久しぶりに大きなイベントに来たって感じ。
モヒカン小川(以下モ) ギフトショーなんかは俺も行ったけど、あれは業界向けでしょ。一般向けのイベントとしては、この規模は俺も久しぶりかも。
ラ ホットロッドカスタムショーも2年ぶりの開催だもんね。
モ やっぱりアメリカ車のイベントは横浜で開催されるのが正しい。横浜出身の俺がそう思うんだから。
ラ なぜか横浜ナンバーのアメリカ車ってしっくりくる。横浜にはアメリカ車の専門店も多いしね。
モ 横浜の山の方だけどね、多いのは。主催者のムーンアイズが横浜に本拠地があるからってのもそのイメージなのかね?
ラ でもカスタカーなんてそんな興味ないでしょ?
モ 何を言ってるの。たしかにタイヤむき出しで屋根も無いホットロッドに感情移入はできないけど、肉厚なタイヤを履いた旧い4駆とかバンは好き。あと国産旧車はどれも好き。このイベントはアメリカ車がメインだけど、国産旧車やVWなんかもたくさん出展しているから俺は好きだなー。
ラ たしかに、それは間違いない。アメリカ車好きでなくても楽しい。
モ 俺だって今はラングラー持ちだからな。登録してないし乗ってもないけど、アメリカ車だぜ。
ラ せっかく手に入れたのに、寝かすよなあ。
モ いろいろ事情があるのよ。
ラ 前に乗っていたJ10(ワゴニア顔のピックアップトラック)だって寝かしちゃって、起こすのにお金かけて、また寝かしてたね。
モ クルマを二度寝させたのはあんただけだってショップに褒められたよ。
ラ そりゃショップは2度も同じ修理と整備したんだから儲かるからだよ。決して褒めてない。呆れてるのよ。
モ そうなの? だって、あのJ10は全長がありすぎて、都内で駐車場探すだけで苦労しちゃって、気づいたら乗らなくなっちゃったんだよな。幅はそれほどないのにリアのベッドが俺には長すぎた。
ラ 大きいのがアメリカ車のいいところなのに。
モ 俺もそう思って買ったんだけど、あの長さでマニュアルシフトって、おじさんにはハードルが高かった。そういう意味ではこういうショーに出せるクオリティのクルマを所有している人たちには頭が下がる。情熱がハンパないからね。
ラ カスタムにお金をかけてるとかよりも、オーナーやショップの情熱や愛情を感じるクルマに共感しちゃうな。
モ 旧車やアメリカ車に乗っていない人たちには見た目って大事なんだろうけど、普段から乗っている人にはそのへんが刺さるよね。
ラ だからライトニングアワードはいつもそういうモデルを選んでる。バリバリのカスタムカーっていうよりも、リアルでちょっとヌケ感のあるクルマ。
モ ヌケ感ってファッション雑誌みたいだな。
ラ クルマの世界でもヌケ感は大事。張り切りすぎない。わかってて力を抜くみたいな。ある意味上級者のテクニックだと思ってる。
モ まあ、ゴリゴリのカスタムカーは他の専門誌が選んでくれるだろうからね。まったく逆の方向のモデルに光を当てるのは悪くない。
ラ 飾るだけより、リアルにライフスタイルを感じる方がウチっぽいでしょ。所有はしているけど、車庫にしまっておくだけで、クルマが好きだって言われてもピンと来ないでしょ
モ それって遠回しに俺をディスってない?
ラ あなたは前のクルマを二度寝させたうえに、次のクルマも手に入れただけで登録してないくらいだから、もはや次のステージだな。重病です。もったいないの権化。
モ とりあえず所有欲だけは満たてるんだけどね。
ラ こういうショーでクールなクルマをたくさん見るとクルマに乗りたくなるでしょ。
モ 確かに。そろそろ俺も登録しよう。そして2022年はジープ持ちではなくジープ乗りになる。
ラ イベントに来た感想がそれ?まあいっか。
編集部の気になったクルマを一挙紹介!
ストリートではオリジナルスタイルだけど、リアタイヤをスリックタイヤに履き替えてドラッグレースでも走ってしまうという1970年式シボレー・シェベルSS。
自動車部門の一等賞はファーストアローズ伊藤さんの新たなる愛車に。'29年式フォード・モデルAのフレームのみを使って新造したクラシックレーサーで、まさに銀色の矢。
引っ張るトレーラーは移動式のバーバーになっているというだけでも驚きだが、それを’50年式シボレー3100パネルトラックで引くというスタイル。レベルが高い。
ベースは’96年式ヤマハGTS1000というツアラーモデルだけど、もはや原型がわからなくなるほどアルミのカウルで武装したカスタム。金属加工の技術に脱帽。
1979年式スバルDL(日本名レオーネ)。アメリカスバルの左ハンドルモデルで、ペイントも当時のオリジナルというサバイバーにやられた。
1969年式トヨタ・クラウン。当時の国産車って2ドアモデルもラインナップしていた。今や探すとなると現存数は少ない旧車のひとつだ。
1972年式ホンダCB500なんて若い頃にヤンチャしていた大人たち憧れのモデル。それをあえてアメリカンなドラッグレーサーにカスタム。
走りに必要なパーツだけで、いっさい無駄のないスタイルで仕上げたチョッパーのベース車両はなんと陸王。取り回しがしやすそうである。
リアのスプリットウィンドーがファン垂涎の1953年式VWタイプ1。車高を下げているだけでなく、足周りに相当な手が入っていることがわかる。
トレーラーをスラムド(地面に着地させること)させることでバリアフリー化とは考えたな。もちろん走るときは車高を上げて走行する必要がある。
VWのレーシングカー。ルーフがチョップされて低くなっていることに気がついた人は相当なクルマ好き。ボディワークに職人ワザが光っている。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が好きな人にはピンとくるマーティ憧れのハイラックスを劇中車同様に仕上げた1台。目のつけ所に脱帽。
2018年に本家シェルビーアメリカンが1967年式マスタングを使って復刻したシェルビーGT500スーパースネーク。本家レプリカっていう稀少車だ。
1963年式フォード・ファルコン・エコノラインをベースに内外装をアップデート。当時から酷使されていたモデルを仕上げる作業には頭が下がる。
今やアメリカでも高値安定の初代シボレー・コルベット。意外にも初代はブルーフレームと呼ばれた直列6気筒エンジン搭載していたと伝えておく。
(出典「Lightning2022年2月号 Vol.334」)
Photo/T.Ogawa 小川高寛
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