山根英彦さん
ジャパンデニムの雄EVISUの創業者。趣味の釣りにおいてはトップウォータープラッガーで知られ、ブラックバスに限らず、シーバス、イトウ、サーモンなど、季節に応じて全国を巡り、釣りを楽しんでいる。
フナに始まり、釣り道楽の境地へ。
「初めてブラックバスを釣ったのは10代の頃。さほど大きなかったわ、手の平くらいや。ゴルフ場の脇の池にルアーを放ったら、いきなりパクって食いついてきたんやけど、ラインが枝か何かに引っかかってなかなか取れなかった。よう憶えておるよ」。
以来、バスフィッシングへと傾倒し、現在に至るまでほぼ半世紀。琵琶湖を拠点にライフワークの一部として、しかも、さまざまな釣法があるなかで、水面付近をハードルアーで狙うトップウォーターにこだわり長年に渡ってバスフィッシングを楽しんできた。さらにはクラシックなロッドやリール、ルアーなど、ハンドメイドで制作する自身のレーベルDOWLUCKを
手掛けるなど、釣り道を極めてきたアングラーのひとりとしても知られている。そんな山根さんがここ数年、釣り熱を高めているのが、ヘラブナ釣りだ。なんと自宅の池に深さ10尺(3m)ほどの池を作り、プライベート釣り座を作ったというからすごい。
「もともとの庭池を改修して、深く掘り直したんや。今年で3年目になるわ。そこに仕入れたヘラブナを2度、放流して、ようやく馴染んできたところ。自分ちの庭から、すぐにバスボートに乗れて、ヘラブナ釣りもできる池がある場所なんて、ほかにないやろ」。
釣り道楽を極め、「フナに始まりフナに終わる」。その境地に達し始めているのかもしれない。
変わらぬスタイルで使い続けてきた山根さんの愛用品【厳選5】
1.DOWLUCKのシャンハイミキ
山根さんが手掛けるDOWLUCKの定番として人気のシャンハイミキ。12年前に登場し、主催する道楽道場の必携ルアー。当然、ひとつずつハンドメイドされる美しいペイント、造形はもちろん、水面下をいかにも魚のようにナチュラルに泳ぎ、フィッシュイーターであるブラックバスがものの見事に食らいつく。
2.ハンドメイドの机
ヘラブナ釣り用として新たに製作した机には、引き出し収納も数カ所設置されており、その中には、使用する餌の予備や仕掛けなどが収納するというとても便利な構造。机のフロント部分にはヴィンテージの家具から移植した木彫りの鯉が配され、哀愁漂う雰囲気を演出。プライベートな池であるため、机や椅子は常時設置され、基本的には後片付けの必要がないのも山根さん流の楽しみ方でもある。
3.アルミボートの「第二平安丸」
愛艇である18フィートのアルミボート。もともと米軍上陸艇として開発されたボートで、アメリカのコーストガードも採用するもの。意外と小回りも効き、浅瀬も問題なし。
4.DOWLUCKのタックル
クラシカルなデザインのタックルは、ロッド、リールの金属部分にオリエンタルな模様が施されている。彫金師であるPeeメタルワークスの手によるもので特別な逸品。
5.DENTSのグローブ
オリジナルのパーツを用意し、イギリスの名門グローブメーカー、DENTS社に別注した逸品。ライニングにカシミヤが使われる高級グローブだが、魚体もこれで上げる。
(出典/「Ligthning2021年9月号 Vol.329」)
Photo/M.Nagata 永田雅裕 Text/T.Itakura 板倉環 取材協力/琵琶湖山根平安樓 TEL077-594-1901 https://www.evisu.jp
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