【遊びの達人たちに学ぶギア選び⑤モーターサイクルトライアル】自然を制する3Dスポーツ。

例え遊びでも道具選びに気を抜きたくはない。かといって高価なものを選べばいいというわけでもない。使いやすく、どこかに自分なりのこだわりを持った特別な道具。そんな愛用のギアを、プロレベルの趣味の達人たちに見せてもらった。

「バディオート/スターディ ラゲッジ サプライ」代表・水野大册さん

31歳の時よりトライアルをはじめ、現在、MFJトライアル国際B級ライセンスを保持。2021年より自身がオーガナイズするレースチーム「BUDDYトライアルクラブ」を発足させ、トライアルに関するイベントやレースをプロデュースしている。

気に入ったモノに囲まれながら楽しむトライアル。

31歳の時にトライアルをはじめ、その魅力に憑りつかれたという水野大册さん。全日本選手権は年に7回開催され、精力的に参戦している。「乗り物で障害物を乗り越えたり、飛び降りたりする。こんなモータースポーツ、他にないですよ」

「通常モータースポーツというと、サーキットを走ったりという2次元の動きが多いですが、トライアルは、それに上下が加わる3次元なんです。だからこそ面白い」

ジープ・ワゴニア専門店「バディオート」や、バッグブランド「スターディ ラゲッジ サプライ」を手掛ける水野大册さんが、トライアルの世界に足を踏み入れたのは、17年前、31歳の時。知り合いのカーショップのガレージにトライアルバイクが置いてあり、誘われたのがきっかけだった。トライアルとは、岩場などの自然を利用したセクションを、専用バイクに乗って足をつかずにクリアしていく、ヨーロッパ発祥のモータースポーツ。水野さんが話すように、足場の悪い状況下で上下の動きが加わるため、絶妙なバランス感覚が必要となる。

自然の地形を利用した「セクション」と呼ばれる競技区間を、いかに上手に走れるかを減点方式で競うトライアル。正確なマシンコントロールと、バランス感が要求される

現在、MFJトライアル国際B級ライセンスを持つ腕前の水野さん。試合に勝つために、バイクやブーツなど、専用のタフなギアを使うのは当然だが、彼のモノ選びの哲学は、実はもっとほかのところにある。

「ストイックに勝ちにこだわるのもいいですが、僕はトライアルをもっと大きな遊びとして捉えたい。全国各地で開催される全日本選手権に出場する時は、いつもBCバーノンというモーターホームにバイクを積んでいきます。そうしたスタイルも含めて、気に入ったモノにいつも囲まれていたい。それが僕の遊び方だし、このスタイルを、もっと広めていきたいですね」

トライアルをもっと楽しくする、水野さんが選んだ周辺アイテム【厳選5】

1.B.C.バーノンのモーターホーム

全国各地で開催される全日本選手権に参戦する時は、いつも19ftのB.C.バーノンにバイクを積んでいく。ここがパドックであり、ホテルでもあるのだ。B.C.バーノンはカナダ製ながら、日本の道路事情に合ったサイズが魅力。「4月に九州に遠征した時は、2週間ほど旅をしました。モーターホームを使ったこうした楽しみ方も、僕にとってトライアルの魅力なんです」

2.Airohのヘルメット

スペインのアイロ—社製のトライアル専用ヘルメット。軽量で視野を広く確保しているほか、オブザーバーの声が聞こえるよう、周囲の音がよく聞こえるよう設計されている。

3.GAERNE(左)/ALPINESTARS(右)のブーツ

スターディで革を扱う水野さんだけに、オイルドレザーのトライアルブーツを使用。ステップの上でバランスをとるため、ヒールがなく、底がフラットなのが特徴だ。

4.CASIOのGショック

トライアルではタイムコントロールも非常に重要。そのためタフで視認性も高いGショックのガルフマンを使用。水野さんはサーフィンもやるため、タイドグラフも重宝する。

5.MarshallのBluetoothスピーカー

レース前夜などリラックスしたい時には、音楽は欠かせない。このマーシャルのスピーカーからお気に入りの曲を流し、モーターホームでゆったりとした時間を過ごす。

(出典/「Ligthning2021年9月号Vol.329」)