ヴィンテージの看板の市場価値は? アメリカンなサインボードの価値を調べてみた。

  • 2021.11.18

ひとつ置くだけで辺りの雰囲気を一気にアメリカンにしてくれるアメリカの看板(サインボード)。国内では珍しいヴィンテージのサインボードを数多く扱う「ビッグベアー」のコレクションとともに奥深きヴィンテージサインボードの世界をご案内。自分だけの空間を持つ人ならこれはオススメです。

訪れたのはこちら!

ヴィンテージのサインボードを大量に扱う国内でもレアなアンティークショップ「Big Bear」

Big Bear
岐阜県瑞穂市生津外宮東町2-48
TEL 050-1550-8668
営業/12:00~19:00
休み/不定期営業(9月は買い付けのため休み。営業日はWebをチェック)
http://www.bigbear-usa.com

アメリカンな空間づくりに欠かせないマストアイテム。

アメリカでクルマやバイクを走らせたことがある人はもちろん、一度でも足を踏み入れたことがある人、いや、実際には行ったことがなくても映画や本でアメリカの風景を見たことがあるならば、きっとアメリカの「“道路標識” や “看板” ってカッコイイな」と思ったことがあるはずだ。

それも、近代の街にある新しいモノでなく、田舎町のガソリンスタンドだったり、町から遠く離れたハイウェイ沿いににある寂れたモーテルに掲げられているような古臭いサインボードに、特にゆかりがなくとも、なぜか郷愁を感じてしまう人も多いのでは。

年代は1990年代から古いモノだと1900年代初頭のモノまで。サイズも大小さまざまある。イラストやフォントのデザイン、色使いなど、数十年前なのにこのセンスはさすが。自身のショップやガレージ、ワークルームなど自分だけのスペースをアメリカンな雰囲気にしてくれる魔法のアイテムだ

そんなサインボードの世界にもアメリカにはヴィンテージ愛好家が存在していて、岐阜県瑞穂市にある「ビッグベアー」は、日本でも数少ない(ほとんどない)ヴィンテージサインボードを多数扱うレアなショップだ。大きな倉庫を改装したショップにはロードサインからファストフード、ガソリンスタンド、ビール、モーテルなどのサインボードが並ぶ姿はまさに壮観。

日本の昭和30年代以前の古いブリキ看板も味があるが、イラストのタッチ、ロゴのフォントや色使いなど、やっぱりアメリカのセンスってスゴイなと思わせてくれるモノばかり。これはアメリカ好きにはたまらない世界観だろう。

古さよりもお気に入りのデザインを見つけるべし。

大型の倉庫を改装した広い店内にはサインボードのほか消火栓やガムボールマシン、インダストリアルなキャビネット、キッチンウェア、アウトドアグッズなど他ではあまり扱われていないアイテムが多数

ヴィンテージのサインボードは他のジャンルのように(トイ、バイクのパーツなど)、専門店やそれだけのマーケットも特に存在していないとのこと。

それだけに「ビッグベアー」オーナーの大熊さんは、年に3回アメリカに渡り、実際に各地のフリーマーケットやスリフトショップを巡って、多種多様なアイテムに混じって並べられているサインボードから目ぼしいモノを見つけるという、昔ながらのトレジャーハンティングスタイルで仕入れを行なっているという。最近は復刻モノも多いそうだがやはりオリジナルに拘って仕入れているという。

「毎回かなりの距離を走るし大量の荷物を運ぶので大変ですけどね(笑)。値段も現地価格を基準にしていますが、市場価格がハッキリしているわけでもなく、知名度が高くて古いものは価格も高い感じです。一番わかりやすいのは素材で、’50年代以前になるとホーロー製で、それ以降はアルミやステンレスになります」

サイズも小ぶりな道路標識から2メートルを超える大型の看板まで様々。1枚あるだけでもその場を一気にアメリカンな雰囲気に変えてくれるだけに、収集家にならずともインテリアとして取り入れてみてはいかが?

モーター系、ロードサインなど主要なジャンルは4つ。

1.モーター・オイル系

グッドイヤーのサービスステーションで使用されていた大型サイズのホー ロー看板。21万8000円

クルマ・バイクのディーラーやガソリンスタンドショップのサイン、またタイヤ、オイル系の広告などクルマ天国アメリカを象徴するモーター・オイル系。ガレージに飾ると雰囲気最高。

2.企業・ショップ系

1866年創立のペイントメーカー、シャーウィン・ウィリアムズのホーロー看板。15万8000円

会社の宣伝用の看板だったりバーバーやスーパー、ショップの看板など。日本でも馴染みのある企業から今では消えてしまったところなど、知らなくてもデザインが秀逸なモノも多数。

3.ロードサイン系

歩行者に注意という意味を示す道路標識。9800円

道の名前や駐車禁止や注意を促するロードサイン(道路標識)。思い入れのある街のモノを飾れば気分はいつでもアメリカに。家の前や外壁に付ければディスプレイと実用を兼ねられる。

4.フード・ドリンク系

シンプルなフォントのダイエットライトコーラ。エンボス加工が施されている。 5万6800円

日本でも馴染みのあるのコーラやペプシなどのドリンク系やファミレス、ファストフードなどのフード系もアメリカならどこでも見かける人気のジャンル。室内のインテリアにもオススメ。

ヴィンテージサインボードの市場価格を知る!

ジャンルとしては確立されているが、専門店や専門書が存在するほどでもないため、正確な年代や情報に関しては不明なモノも多く、明確な価格の基準は存在していない。実際に道路標識など安いモノだと数千円、サイズも大きく古いものだと20万円を超えるものまで実に幅広い。ひとつの判断として素材がホーローであれば’50年代以前製造となるのでヴィンテージとしての価値は高くなる。

1.モーター・オイル系のサインボード

モーター系アイテムを手がけるAC Delcoの看板。取り付け穴付き。2万4800円

タイヤメーカー・グッドイヤーの看板。大型で保存状態もいい美品。12万8000円

タイヤメーカーBFグッドリッチのスチール製看板。文字はエンボス加工。1981年製。12万8000円

ご存知モービル石油のホーロー製看板。経年変化によるサビ感がたまらない。11万8000円

タイヤメーカー、ファイヤーストーンの1940 ~ 1950年代頃の大きめのホーロー看板。29万8000円

ガソリンスタンドに見られるガソリンがお得なことを知らせる看板。3万6800円

エアコンをはじめ、現在はモーター関連のアクセサリーを手がけるA・R・Aの看板。ASK

タイヤブランドとしては老舗のセンペリットのホーロー製看板。12万8000円

1866年創業、世界で初めてのオイルブランドとして知られるバルボリンの看板。8万円

1924年創立のブレーキメーカー、ベンディックスの商品紹介の看板。1万4800円

2.企業・ショップ系のサインボード

FOREMOST MILKの1950年代のホーロー製看板。両面に描かれている。5万8000円

ヘアサロン、ヘアドレッサーズのホーロー看板。1940~50年代頃のものと思われる。12万8000円

ガーデニングなどで使用される殺虫剤などのメーカーORTHOのメタル製看板。6万3000円

持ち運びできる灯油ヒーターを手がけるKERO︲SUNの看板。いい感じのヤレ具合。2万3840円

1866年生まれの老舗ペイントメーカー、シャーウィン・ウィリアムズのホーロー看板。アメリカでも人気のレア品。29万8000円

3.ロードサイン系のサインボード

DETOUR(迂回)のロードサイン。モンスタードリンクのステッカーが貼られている。1万6800円

10トンまでの重量制限を示す道路標識。1万8000円

シカゴで使用されたここから駐車禁止区域を示す標識。6800円

一時停止を示す道路標識。反射板入り。1962年製。1万9800円

2時間まで駐車可能と駐車禁止を区切る道路標識。9800円

木曜日朝道路清掃のため駐車禁止を示すシカゴの標識。9800円

15マイル制限を示す道路標識。9800円

行き止まりを示す道路標識。ガレージや庭先に。9800円

カリフォルニアのフリーウェイの道路標識。1万5800円

州は不明だがオークランドロードの道路標識。6800円

サビサビで味の出まくったオベリンストリートの標識。6800円

ヴュークレストドライブを示す標識。6800円

グリーンランドロードを示す標識。6800円

工事中を示す標識。二つ折りに折り畳める仕様。1万9800円

4.フード・ドリンク系のサインボード

詳細は不明だが恐らく食肉系の企業のスチール製看板。9万8000円

コカ・コーラの1950年代製のボタンサイン。コカ・コーラーの中でもレアな1品。15万8000円

アメリカにはヴィンテージサインボードの収集家が多数いるとはいえ、専門書が発行されるほどでもなく、割とニッチな世界といえる。希少性とか古さにこだわらず、お気に入りのデザインとの出会いを楽しもう。

(出典/「Lightning 2021年10月号 Vol.330」)

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