クラシカルで完成したスタイルと、日常を彩る、シングルサウンド。
永遠のスタンダード――。リーバイス501、ヘインズのTシャツ、レッドウィングの#8875といったアメリカンカジュアルのアイコンと同じく、SR400はバイク界のスタンダードだ。
排ガス規制の影響で、’08 年に一度生産を終了したが、’09年の年末にキャブをフューエルインジェクションに変更して、SR400は再び僕たちの前に帰ってきた。だが、「Final Edition」が表すように、残念ながら今年を最後に生産終了となる。
SR400のクラシックな外観に惹かれる人は多い。だが、初めて乗る人はその乗り味に最初はとまどうかもしれない。基本は1978年に登場したバイクなので、イマドキのバイクと違って高回転域では振動が発生するし、アクセルのレスポンスもシュンシュン回るというよりは、ひと呼吸おいてダララッと回る感じ。でも、せかされないから等身大で付き合える。これが多くのライダーを魅了し続けてきたSRの味に他ならない。
ファイナルエディションは43年間というSRの歴史の最後を飾る一台だが、復活を願う人たちがいる限り再び僕らの前に姿を現すに違いない……と本誌は勝手ながら期待している。でも、復活したとしてもそれは今のSR400とは似て非なる物かもしれない。だからこそ、もしSR400を新車で手に入れたいと思うのなら、ショップによってはまだ入手可能なのでこの機を逃さないほうがいいだろう。
新車で手に入れ、10年、20年と乗り続けていくことができる――そんな日常に寄り添ってくれるバイクはSR400をおいて他にはないのだから。
43年間というSRの歴史の最後を飾る「YAMAHA SR400 Final Edition」を拝見!
【スペック】
- 全長:2085mm
- 全幅:750mm
- 全高:1100m
- シート高:790mm
- 車両重量:175kg
- 最高出力:18kW(24PS)/ 6500rpm
- 最大トルク:28Nm / 3000rpm
- 価格:60 万5000 円
クラシカルなホワイトメーター。オドとトリップもアナログ式なのがうれしい。警告灯と表示灯も両メーターの下部にシンプルに配置。
音叉マークが貼られたダークグレーのタンク。シックな色合いは街の雰囲気に違和感なく溶け込んでくれる。大人のカラーリングだ。
43年間の歴史をもつ、日本が誇る空冷ビッグシングル。最高出力は24馬力。でも、それで十分だと感じさせてくれる乗り味をもつ。
オイル注入口もずっと変わらずにこの位置のまま。車体のチェックやメインテナンスを自分ですることで、より愛車との距離は近くなる。
昔はマフラーを交換して個性を出していたが、今ではノーマルの姿が一番美しく感じるようになった。完成された造形のマフラーだ。
視認性のいい大型のテールランプ。SRのずっと変わらない個性のひとつだ。ウインカーも昔ながらの形状だが、今はこれがカッコいい。
【問い合わせ】
ヤマハ カスタマー コミュニケーション センター
TEL 0120-090-819
https://www.yamaha-motor.co.jp/
(出典/「Lightning 2021年8月号 Vol.328」)
Text/M.Sasaki 佐々木雅啓 Photo/D.Katsumura 勝村大輔
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