2ページ目 - 全部わかる? ジーンズの知っておきたい13の部位と名称。

8.セルビッジ

平耳
綾耳
ロック留め

デニム生地の耳のこと。平織りの「平耳」、綾織りの「綾耳」、耳のないロック留めがある。平耳は戦前に多く見られる。1960年代以降、デニムの生地幅が広くなり、耳の無い生地端にロック留めを施すようになった。

9.ネームラベル

リーバイスは2頭の馬がジーンズを引くデザインで堅牢さをアピール。各メーカーの個性はラベルの意匠にも見て取れる

ウエストバンドの後ろ側に取り付けられた、ブランドや型番などの情報が刻まれたパッチのこと(革製のものは革パッチとも)。ネームラベルの素材は、ブランドによって様々だが、高級ブランドは革製のものが多かった。最も参考にされているリーバイスは、1950年代半ばに革製から紙製に変更。革製だった時代、廉価モデルには下の布製ラベルが付属した。

10.バックシンチ

リーバイスに限らず、ほぼ全てのバックシンチが第二次大戦期に姿を消した。これはもともとサスペンダーで吊っていた時代のウエストサイズ調整用。写真のように年代により形状が異なる。左上から時計回りに新しくなる。

11.ベルトループ

その名の通り、ベルトを通す輪っか状の部分を指す。1930年代後半からベルトが普及し始めたことで、ジーンズにもベルトループが付けられた。

特にリーバイスでは、当初はワークパンツらしい幅の広い仕様(左写真)だったが、戦後から右写真のように幅は細く変更された。

12.バックポケット

お尻の位置にあるポケットのこと。バックポケットの両サイドを外からリベット留めした仕様は、リーバイスは1936年に廃止。多くのワークパンツも1950年頃には廃止した。そのため、この有無によってある程度の製造年代を推測できるのだ。

見えないように内側に施した、通称隠しリベット仕様のもの
隠しリベットを裏側から見たもの
1960年代後半にカンヌキ留めに変更されたもの

13.ステッチ

シングルステッチ、チェーンステッチなど縫い目のことを言う。1920年代までは、ジーンズの縫製は上のような本縫い(シングルステッチ)だった。その後大量生産化に伴い、ヨークやインシームなどで巻き縫いが採用され、チェーンステッチが使われるように。裾もチェーンに変更された。

こちらはチェーンステッチを施された裾

すべて知っていた人は、ジーンズ通! 初めて知った言葉が多かった人は、これからジーンズを選ぶときに役立つかも? 奥深きヴィンテージの世界にも足を踏み入れてみるのもおすすめです。

(出典/「Lightning 2020年10月号 Vol.318」)

この記事を書いた人
ランボルギーニ三浦
この記事を書いた人

ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...