剥げたブラックペイントから真鍮を覗かせる「ライカ」は、なぜカッコいいのか?

  • 2023.02.21  2021.02.15

ライカ愛好家たちにこよなく愛される、ブラックペイントの製品。使い込んだ金属から地金である真鍮を覗かせる様は、唯一無二の表情を醸し出す。国内屈指のディーラーである中井一成氏に、その魅力をうかがった。

「エンツォショップ・カナザワ/ ギャラリーエンツォ」オーナー・中井一成さん|ヴィンテージのライカやロレックスのディーラーとして、各界から多くの信頼を集める。金沢にて、エンツォショップ・カナザワ/ギャラリーエンツォをオープン

シルバークロームとはひと味もふた味も違う魅力がそこにある。

中井氏にご紹介していただいたブラックペイントに該当するボディの中で、その魅力を最大限に伝えるのが「M2」にほかならない。剥 がれたペイントから顔を覗かせる真鍮の美しさは色褪せることを知らない

まるでお気に入りのデニムと出会うような感覚を思い出す、ライカのブラックペイント。選択肢は実に豊富で新旧のさまざまな製品から選ぶことができる。国内屈指のヴィンテージライカのディーラーとして知られる中井氏に、その魅力について話をうかがった。

「ブラックペイントは台数が少ないことから、希少性の面でも注目され、プレミアが付いています。とはいえ、やはり一番の魅力はエイジングにあると思います。該当する製品を所有したことがある方なら分かると思いますが、新品を普通に使ったところでそう簡単にペイントが剥げるわけではありません。そうなると、はじめから中古・ヴィンテージ品狙いで個体を探すのも選択肢のひとつ。塗装が剥げたところから覗く真鍮を見てドキドキしてしまうようなら、すでに重病かもしれません(笑)」

ただし、美術や骨董品の世界と同じように、購入には必ずと言っていいほどリスクが付きまとう。

「何の世界でも通じることですが、ライカのブラックペイントも人気や希少性に比例して、いわゆる“後塗り”などと呼ばれるフェイクとのいたちごっこが派生してしまうわけです。そのリスクヘッジを兼ねて、信頼がおけるショップでの購入をオススメします」

Leica M2 black paint #1053215(1960年製)68万円

中井氏が個人的に好きなボディだと語る「M2」。氏によると、M2のペイントは絶対数が少ない上、ハードユースされた個体が多いため、ペイントが剥げている個体が殆ど。またフィルムカウンターが外付けなど、他のM型と異なるディテールも人気の理由だ。

Leica M8 black chrome 本人私物/レンズ Summilux-M f1.4/50mm ASPH 36万8000円

ライカ初のレンジファインダーデジタルカメラ「M8」。2006年にはじめて見た時の衝撃が今でも忘れられないと氏は話す。ブラッククロームは擦れた部分がグレーっぽく変色していくことが特徴。

Leica M4 black paint #1225528 (1969年製)60万円

「M4」は、ライカのヴィンテージモデルではM3に次いで代表的な存在。ブラックペイントの中では最も台数が多い。「M型ライカの完成型」としても知られ、現行のフィルムボディに通ずる仕様となる。ペイントの塗装・塗料も大幅に改良が加えられている。

こちらの個体はほぼ使用されていないため、工場出荷時の状態に近いマットな質感あることがポイント。使い込むほどに艶が出るエイジングを堪能できる

Hektor 73mm/f1.9 #96554(1931年製)35万円

著名な写真家たちに愛された中望遠レンズ。最初期にごくわずかだけオールブラックが存在する、典型的なコレクターズアイテム。鏡胴のスケールは象嵌仕上げと非常に手が込んだ作りである。

現行モデルもブラックペイントあります!

誤解を恐れずに言うなら、ブラックペイントとはライカの歴史の一部であり、ドイツが誇る唯一無二の工業製品のポリシーそのものだ。その伝統は現行モデルにも脈々と引き継がれている。

Leica M-P black paint 107万7840円

ライカがこれまで培ってきた機械式レンジファインダー機の設計と製造の経験とノウハウの集大成が、こちらの「ライカ M-P」。この不朽の名作はブラックペイントがよく似合う。

Leica M typ240 black paint  93万9600円

「ライカMシステム」の伝統を維持しつつ、新たな可能性を広げる一台。デジタル技術を駆使した撮影のほか、別売のアダプターを装着することでライカRレンズを使用することが可能に。

【問い合わせ】
エンツォショップ・カナザワ/ ギャラリーエンツォ
TEL0120-161-722
http://www.enzo-shop.com

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning 2017年12月号 Vol.284」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部