コンディションが重要! ヴィンテージ眼鏡の魅力と市場価値を探る!

  • 2021.10.18  2020.07.25

あくまでも需要と供給のバランスから価格設定が定まるヴィンテージのマーケットには、何時いかなる時も“トレンド” が存在する。ヴィンテージアイウエア界の第一人者であるソラックザーデの岡本兄弟によるセルフレームについてのガイダンスから自分だけの1本を探し出そう。

絶対に無視できないコンディションの重要性。

これは昨今のヴィンテージマーケット全般について言えることだが、いまや希少性という物差しだけでプロダクトを評価することが非常に難しくなっている。そのような傾向が強まる中で、オリジナリティに次いで重要視されるのが“コンディション”である。

ジャンルレスな世界観が息づくソラックザーデの店内。岡本兄弟の手により世界中から集められたヴィンテージアイウエアは国内はもちろ ん、海外の評価も非常に高い

東京・原宿のソラックザーデは、常時1万本以上のヴィンテージアイウエアを用意する専門店として知られ、驚くことにそのすべてがデッドストックなのだ。オーナーの岡本龍允さんは次のように話す。

「セルフレームに関して言えることは、一概にデッドストックだからOKというわけではない。水分が抜けていると、使用できる年数、つまり寿命が短かったり、匂いがするので避けたいところ。そこを踏まえて、僕らはコンディションにすごくこだわっています」

ソラックザーデ オーナー 岡本龍允さん(右)& 岡本竜さん(左)|2012年、原宿にソラックザーデをオープン。ヴィンテージアイウエア界の世界的パイオニアとして圧倒的な支持を集め続けている。アーティストの衣装や、ハリウッド映画のスタイリングなども手がけている

つまり、彼らが選ぶヴィンテージアイウエア基準は、“最高の状態であること”が大前提なのだ。

「サイクルは遅いものの、ここにも“流行”が存在します。現行のアイウエアを見ればわかると思いますが、この数年、ヴィンテージをリサーチしているブランドが非常に増えていますよね。世界的なスーパーメゾンでもその傾向が強く見受けられます。アイウエアはもちろん、ファッションの流れを知る意味でも見ておく価値は十分あるかと思います」

現在のヴィンテージセルフレーム人気の中核を担う、タートオプティカルのコレクション。王道を征く「アーネル」などの人気モデル中心にさまざまなスタイルが揃う
1980年代にジュエリー店用に作られたというこちらのショーケースに入るのは、今もなお根強い人気を誇る1950年代の希少なアメリカンヴィンテージのセルフレームの数々

トレンドを掴むことで自分らしい一本が見つかる。

アイウエア全体のトレンドは、7年前から始まったメタルフレームの人気が今も続いているそうだが、その最中でヴィンテージに該当するセルフレームの流行はどのように推移しているのだろうか。

タートオプティカルの最注目モデルがこちら。

タートオプティカルと言えば、ジョニー・デップが愛用の「アーネル」が最も有名だが、この「FDR」はそれを凌く人気を誇る注目株。価格は上昇の一途を辿っている。こちらの個体は1950年代のもの。14万1480円

「過去を振り返ると、アイウエアの流行はセレブレティの影響力が非常に強い。ジョニー・デップが愛用したことで約10年前にタートオプティカルが流行り出したことも同様です。その流れからも1950〜’60年代のアメリカのプロダクトは未だに根強い人気です。その次に注目されはじめたのは、1940〜’50年代のフレンチヴィンテージでした。角の立った仕上げや蝶番などにアメリカとは違う特徴がある。国ごとに違う製法、ディテールが見受けられるのもヴィンテージならではの醍醐味です」

この5年ほど大流行中のフレンチヴィンテージ。

ソラックザーデが10年以上前から注目している、1940年代頃のフレンチヴィンテージ。それ以降、いくつかのブラ ンドが復刻されたり、多くの人々がこのジャンルに目を向け、復刻モデルをリリース。7万8840円

すでに人気が定着した上記の2つのカテゴリー以外に、ソラックザーデが注目しているのが、ブリティッシュヴィンテージだ。「オリバーゴールドスミスのようなブランドはもちろん、イギリスには独自の文化があり、フランス、アメリカとも違う面白さがある。僕らは流行り過ぎてしまうと別の提案をしたくなってしまう(笑)。ドイツもイタリアも面白いし、今は密かに日本のヴィンテージを掘り進めていて、その数は1000本以上に。すでに海外の方から高い評価を得ています」

ヴィンテージアイウエアの市場価値を知る!

ソラックザーデにある1万本以上ある圧巻のストックの中から、アメリカ、フランス、イギリスの3カ国のヴィンテージセルフレームをここに厳選。デッドストックかつ極上のコンディションである個体を並べ、それぞれの魅力とマーケットの傾向について分析する。

1.アメリカンヴィンテージ

セルフレームの市場を牽引する昨今のブームの立役者と言えば、アメリカンヴィンテージにほかならない。ブランドは問わず最も人気が高いのが、“アメリカ文化の黄金時代”である1950年代のモデルである。

【1950s VICTORY OPTICAL】次の主役になる可能性を秘めた注目すべきデザイン。

ヴィクトリーオプティカルは1941年創業。こちらの「アトラス スタイル311」は、当時このブランドが得意とした筋肉質な強さと威厳のあるデザイン。今密かに注目されている要素をすべて備えている。10万440円

【1960s AMERICAN OPTICAL】クールなバイカーシェイドはネクストブレイクの予感。

こちらの「リップコード」は、オリジナルのサングラスレンズが入っている。「アーネル」を模したデザインも依然人気だが、’60年代の“バイカーシェイド” と呼ばれるスタイルも近年注目が高まっている。10万440円

【1950s AMERICAN OPTICAL】大企業ならではのデザインのバリエーションに着目。

アメリカンオプティカルは1800年代から続く大企業で、1950年代当時はすでに老舗でもあったため、多彩なデザインのバリエーションがある。そこがコレクターにとっては掘る楽しみがある所以なのだ。10万440円

2.フレンチヴィンテージ

【1940s 刻印なし】フレンチヴィンテージの代名詞的存在のデザイン。

通称“クラウンパント” と呼ばれているデザイン。フレームの角が立った仕上げ、座彫りという穴を彫らない蝶番がアメリカのプロダクトとの大きな違いである。6万1560円

【1940s ARS】アーティストに愛されたクラシックなモデル。

メガネと時計の産地であるジュラ地方で作られたフレーム。このデザインは当時、パリの芸術家を中心に流行。「ARS」と書かれた紙タグが付属する。7万8800円

【1950s OPTIQUE MAGNIFIQUE】ル・コルビュジエ。

建築家のル・コルビュジエが1950〜’60年代にかけて愛用していたことで知られている「4319」。フランスで製造され、アメリカで販売されていた。6万8040円

3.ブリティッシュヴィンテージ

【1950~60s NHUK】当時の文化を物語るアイコニックなデザイン。

英国のアイコン「524」。NHS(National Health Service)によるフレームで、健康保険に加入していれば無償であったため、品切れが続く人気ぶりだった。 5万760円

【1940s PRINCE】クロージングの文化と繋がるイギリスの高級フレーム。

サビルロウで仕立てのスーツと合わせられていたことが想像できる高級モデル。決して太くはないフレームに不釣り合いな巨大な蝶番も特徴のひとつ。10万440円

【1960s OLIVER GOLDSMITH】力強いデザインが魅力のUKブランドのヴィンテージ。

1960年代のイギリスでは、NHSとの差別化から、強いデザインや重厚感あるプロダクトが数多く流通していた。ヴィンテージとしての評価も非常に高い。16万2000円

【問い合わせ】
ソラックザーデ
TEL03-3478-3345
http://www.solakzade.com

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning 2019年5月号 Vol.301」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

Lightning, CLUTCH Magazine, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

ランボルギーニ三浦

Lightning

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

杉村 貴行

2nd(セカンド)

ブランドディレクター

杉村 貴行

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部