金継ぎのやり方とは? ヒビが装飾に生まれ変わる、割れた器を修復する方法。

割れたり欠けたり、またヒビが入ってしまった陶磁器を漆で接着したり埋めたりして修復し、金などの金属粉で装飾して仕上げる日本の伝統技法「金継ぎ」。割れてしまったけれど捨てられない、また大切な器をずっと使い続けたい人におすすめだ。

ただし、漆の乾燥には時間がかかる。完全に乾かないと次の工程に進めないので、実際に金継ぎをするときは気を長く持つのがポイントだ。ここでは金継ぎの簡単な流れを紹介しよう。

1.漆で固める。

まず、割れた部分と掛けた部分に生漆を染み込ませ、1〜2日乾かす。

2.接着剤を作りくっつける。

小麦粉と水を加え、練ったものに生漆を混ぜて接着剤を作り断面に塗って2週間乾かす。

接着剤をつくる材料

小麦粉と水、漆で作った接着剤を「麦漆」という。

3.欠けた部分を埋める。

砥の粉(とのこ)に水を加え練ったものに生漆を混ぜ、接着面の溝と欠けた部分に埋め1日乾かす。

砥の粉をつくる材料

砥の粉とは砥石の粉のようなもの、水と漆を加えてパテの状態にする。

4.削って形を整える。

パテの余計な部分を彫刻刀などで削る。形が整うまで埋める、削るを何度か繰り返そう。

パテの材料

パーツ作りには、小麦粉、水、生漆、木の粉(きのこな)を混ぜたパテを使う

5.表面を水研ぎする。

パテの表面を耐水ペーパーで水研ぎし、欠けや接着部分の表面を滑らかにする。

出来上がり!

色のついた漆を塗り乾かす。きれいな表面になるまで、研ぐ、塗る、乾かすを繰り返して行う。

ここがポイント! 漆の乾かし方。

漆は気温20〜25度、湿度70〜85%の環境でないと固まらない。自宅で行う場合は、専用の環境を作る必要がある(カルチャースクールなどでプロにアドバイスをもらうとベスト!)。もし漆が乾いていない状態で触ってしまうとかぶれるのでご注意を。下記2つのポイントも合わせて押さえておきたい。

竹べらを使って欠けたところにパテを少しずつ埋めていく。割れた箇所には塗るように埋める。

砥の粉と水、生漆でパテを作る。砥の粉を水でよく練り、ダマがなくなったら生漆を少しずつ加える。

初心者でも安心! お手軽に始められるキット「金継初心者セット」。

金継ぎに必要な道具や素材がセットになったキットも販売中。初めての人でも最後までできるよう、解説書付きなので安心だ。これを使って金継ぎに挑戦してみよう。8360円

購入はこちらから

これまで気になっていたけれど、ハードルが高いと感じていた人も、簡単なキットでまずは挑戦してみてはいかがでしょうか? ハマってしまうこと請け合いです。

(出典/「Lightning 2020年6月号 Vol.314」)

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

Pick Up おすすめ記事

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...